#20 - お顔を赤くする、小さな女の子。
ある日の朝。わたしは学校に先に来ていた玲香ちゃんに話しかけた。
未咲「ねぇねぇ玲香ちゃん、聞いて! 今朝のことなんだけど、
通学途中でおしっこをおもらしする女の子を見かけちゃったんだよ!」
玲香「えっ、朝っぱらからそんな話するの……?」
未咲「いいじゃん、ちょっとくらい! でね、その女の子、めっちゃ顔が
赤くなっててさ……わたし、不覚にも興奮しちゃったんだよね……」
玲香「とりあえず、その顔やめなさいよ……みっともないでしょ」
未咲「でっへへ……ごめん、玲香ちゃん……」
玲香「はぁ……で、その子はどうなったのかしら?」
未咲「けっこー小さい子だったんだけどね、わたしがおしっこで濡れたところを
言って、そそくさと歩いて去っていったんだ。あぁ、可愛かったなぁ……」
玲香「(おそらくバレてしまったことが恥ずかしかったんだろうけど、
当の未咲はなんとも思ってなさそうなのが、なんというか残念ね……)」
未咲「それにしても、小さい身体に反してすっごい量のおもらしだった……
湯気もはんぱなかったし、なによりぽたぽたと垂れ落ちるしずくが……」
玲香「もうそのへんでいいでしょ、授業はじまるわよ……」
未咲「はーいっ。玲香ちゃんも、またおもらしごっこしようね♡」
玲香「はいはい……(正直未咲と話してると、ちょっと疲れる……)」
未咲「はっ、そういえばわたしもちょっとおしっこしたいかも……。
でももうすぐ先生来るよね……まっ大丈夫かな、これくらいがまんしよ!」
確信こそないけれど、妹のさくらのことかもしれないと思ったから。
実はわたしとさくらは、きょうに限って別々に登校していた。
身の回りのことが少しだけできるようになったから、ひとりでも大丈夫だよね。
そう思ったのが、もしかしたら間違いだったのかもしれない。
いまごろさくらは、寒さに打ち震えて孤独な通学路を歩いているかもしれない。
寝ているときから溜め続けていたおしっこで、下半身を濡らしながら。
♦
さくら「ど、どうしよう……わたし、学校につくまえにおもらししちゃった……」
白いパンツがおしっこできいろくぬれちゃってる……とってもきもちわるい……。
さくら「おねぇちゃんのポケットティッシュ、もらっておけばよかったな……」
だって、はずかしかったから。どういえばよかったか、わからなかったから。
さくら「ごめんね、おねぇちゃん……さくらはまだまだ、こどもみたい……」
おしっこでぬれたところを手でかくしながら、わたしは学校まであるいた。
♦
先生「よーし、授業はじめるぞー。
眠くなったら先生が起こしに行くから、せいぜい覚悟しとけよー」
未咲「(おもらしようじょ、はぁはぁ……)」
玲香「なんかさっきから、ミサキがヘンなこと考えてる気がする……)」
♦
授業はつつがなく進んでいった。ただひとつ気になるのは、未咲のこと。
今朝のことを思い出して、いつもよりどこかおかしくなっているように見える。
未咲「(いいなぁ、小さい女の子はあんなに気持ちよさそうにおもらしできて)」
何かよからぬことでも考えないといいけど……。
未咲「(そうだっ、夢の中であの子になりきっちゃえば、あるいは……)」
言ってるそばから、未咲は机に突っ伏して
未咲「(おやすみなさーい……♡)」
寝息を立てて、未咲はそのまま眠ってしまった。
そういえばこの子、さっきトイレ行きたいとか言って結局行ってないような……。
♦
目を開けて身体を起こしてみると、わたしは
それに、なんだか声までいつもとちがう。
そう、わたしは幼い女の子になっていたのだ。
それはわかったんだけど、なんだかよくわからないさみしさを覚えてしまう。
わたしにお姉ちゃんなんて、いたっけ……?
そんなはずないんだけど、なぜか無性に『姉』という存在を求めたくなる。
『おねぇちゃん』を探すと同時に、わたしは激しい尿意に襲われてしまう。
えっ、どういうことだろう? まさか……
『おねぇちゃん』がいないと、トイレにもいけないくらい幼くなっちゃった?!
プチこんらん状態になってる女の子(=わたし)。
わたしにはわかっていても、この身体の持ち主にとってはむずかしいことみたい。
ひとりでトイレに行ってもいいんだよ、って言いたいけど、なぜだか言えない。
すると、わたしの身体の持ち主は答える。
なるほど、そういう……正直、何がこわいのかわからないけど、そうなんだ。
言い表しようのないもどかしさを
学校のトイレはこわくないのかな。ますますよくわからなくなってきたけど。
そうだよね、なんたっておしっこが待ってるし(こんなことしか頭にない)。
そうと決まれば、さっそく学校まで行ってみようね。わたしがついてるから。
♦
あぁ、学校の行きかたもまだ覚えてないっぽいね、これは……。先行きが不安。
ね、寒いよね。わたしもそう思うよ。よけいにおしっこしたくなっちゃうよね。
感覚が同期してるから、この気持ちはよーくわかるよ。
早くももじもじさすさすし始めちゃってる。学校までもつのかな、これ……。
もうけっこう
これから起こるであろうできごとに、内心わたしは期待していたりする。
うん。どう考えても変態だね、わたし。
すってーん。あらあら、派手にころんじゃってまぁ。
そしてまもなく、とくに女の子が発してはいけない秘音がし始めることになる。
じゅっ、じゅっ……じゅわわっ。
このくらいでおさまっていれば、まだかわいかったんだけど。
じょばぁぁっ。
小さいおしっこの穴から、いきおいよくおしっこがあふれ出してきた。
それはとめどなくパンツをぬらして、おしりに大きなシミをつくっていく。
泣きべそをかきながら、わたしは
もちろんそんなこと聞き入れてくれるほど、この
あっという間に出し切って、わたしの顔は耳まで真っ赤になってしまった。
すると目の前に、女子高生くらいの
??「だいじょうぶ? わたしのポケットティッシュ、使っていいよ」
その『おねぇちゃん』は、驚くほどわたしと
でもとっさのことで
と言い残して、できるだけ早くその場から立ち去ることにした。
『おねぇちゃん』におもらしを見られちゃうことが、こんなに恥ずかしいなんて。
早く学校に行かなきゃ、こんどは先生におこられちゃう。
おもらしのことは、だれにも知られたくなかった。だけど……。
なんとなく、そう思った。
♦
未咲「でへへ……」
うみ「(ちょっ、未咲! もれてるもれてる!)」
ロコ「(えっ、どうしたの未咲ちゃん?)」
玲香「(うわっ、本当ね……どんな夢見てるのかしら……)」
春泉「……」
先生「であるから、ここは――お? どうした、みんな?」
玲香「……なんでもないわ。続けて」
先生「? ま、いいか……ちゃんとついてこいよー」
未咲は幸せそうな顔をして、そのままずっと寝つづけていたのだった……。
♦
春泉「ねぇさくら、きょうもしかしておもらし……」
さくら「え? してないよ(うそ、だけど……)」 終
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