#14 - わたしたちだけのひめごと - The "shhh"cret -

 未咲「れーいかちゃんっ」

 玲香「なによ、未咲」

 未咲「ふふーん、なんでもないよ?」

 玲香「……じゃあ、なんで呼んだのよ」

 未咲「えっ、なんでだろ……なんとなく?」

 玲香「はぁ……あいかわらず何を考えてるのかわからないわね、あんたって」


 ♦


 未咲「えへへ、そんなことないよ~……それよりわたしと――しようよ……」

 玲香「ちょっと……早く起きなさいよ、もう放課後なんだけど……」


 その声で、ようやく未咲はわれに返った。


 未咲「おっと、口からよだれが……あの、かんちがいしないでね?」

 玲香「何を?」

 未咲「れいかちゃんのことをおいしそう、とか思ってないよ……?」

 玲香「あ、そう……(それくらい、考えればわかるけどな……)」


 あいかわらず、どこかヘンな発想をする幼馴染おさななじみだった。


 ♦


 春泉「バイバイ、ミサキ、レイカ!」

 未咲「またね、春泉ちゃん!」


 玲香ちゃんも、わたしにかぶせるようにさよならを言った。

 きょうはいちだんと冷える日だった。

 そのせいか、さっきから身震いがとまらない。


 そういえば、さっきから玲香ちゃんのようすがおかしい。

 きょろきょろとまわりを見ては、うつむきがちに歩いている。


 未咲「……玲香れいかちゃん?」

 玲香「ん……」


 いつもとちがって落ち着きもなく、玲香ちゃんはあしをすり合わせている。

 そんな玲香ちゃんのことを、わたしはいとおしいと思いながらながめていた。

 次の瞬間、前回のおもらしが頭をよぎり、わたしの理性のがはずれた。

 ――れいかちゃんの、おもらしが見たい!

 わたしの目が、とたんにダイヤ形にかがやきだす。

 わたしはれいかちゃんのうしろから、いけないことをはじめようと決めた。


 未咲「れいかちゃん……ちょっとごめんね?」

 玲香「未咲……?」


 わたしの両手は、れいかちゃんの下腹部めがけてびていった。


 玲香「ひゃっ?!」


 おなかをでてみると、あったかいものがまっているのがわかる。


 未咲「えへへ……れいかちゃんのここ、ぽかぽかする……もっとさわっていい?」

 玲香「なんでよ、だめに決まってるでしょ……(トイレ行かせなさいよ、ばか)」

 未咲「え~、つめたいー! キンキンに冷えたアイスクリームよりつめたいー!」

 玲香「いま、そんな身体が冷えそうな単語つかわないでほしい……(ぶるぶる)」


 寒空の下、それでもれいかちゃんは震えながらもじもじと耐えている。

 まるで小さいころの、あの子のように。


 ♦


 かえりみち。


 みさき「きょうもさむいねー」

 れいか「ね、ねえ、みさきちゃん……」


 か細い声で、その女の子に呼びかける。


 みさき「ん? どうしたの、れいかちゃん?」

 れいか「お……///」

 みさき「お?」

 れいか「……やっぱり、なんでもないっ」

 みさき「?」


 おしっこ、なんて口に出すのは、なんかはずかしかった。

 だから言わなかった。でも、それがまちがいだった。


 れいか「(おうちにつくまで、がまんしなきゃ……)」


 小さいからだに言い聞かせる。

 これ以上、ぱんつにシミをつくりたくない――!


 ♢


 れいか「み、みさきちゃぁん……」

 みさき「なぁに?」

 れいか「……っ」

 みさき「れいかちゃん、さっきからくねくねしてるけど、もしかして……」

 れいか「……! ちがうの! まだいきたくない!」

 みさき「? いく、ってどこに?」

 れいか「そ、それは……(ぎゅむ)」

 みさき「??」

 れいか「……ごめんね、みさきちゃん! わたし、もうかえる!」

 みさき「れいかちゃん、まって!」

 れいか「な、なに、みさきちゃん……?」

 みさき「そのくねくねしてるのって、もしかしてだきしめてほしいから?」

 れいか「えっ……? みさきちゃん、なにいって……」

 みさき「そうだよね……気づいてあげられなくてごめん!」

 れいか「いや、そうじゃないんだけど……」

 みさき「よーし! わたしのむねにとびこんでおいでー!」

 れいか「っていいながら、自分からとびこんでくるのー?!」


 ♦


 そのあとのことは、ぼんやりとしか覚えていない。

 まさか、あのしぐさがのサインに取られるとは思ってなかった。

 あのころから、未咲はやっぱりどうかしていた。

 そして、いまもこうして――。


 未咲「ふひひ、れいかちゃんはむかしもいまもかわいいですなぁ……」

 玲香「言いかたがじゃっかん気持ち悪いし、もうやめて……」

 未咲「だめだよー! これからぶわ~♡ って愛をふりまいてほしいもん!」

 玲香「どういうことなのよ……」


 いまも昔も、未咲の独特な感覚にはおどろかされてばかりなわたし。

 しばらく撫でられていると、さすがに限界が近づいてきた。


 玲香「ちょっと未咲、そんなところさわらないでよ!」

 未咲「えー? そろそろ準備できてるかな~って思ったんだけど……」

 玲香「なんの準備よ!」


 思わず赤面してしまう。

 そのあとも、いかがわしい愛撫あいぶは止むことなく……。


 玲香「ね、ねえ、みさき……」

 未咲「ん? どうしたの、れいかちゃん?」

 玲香「おしっこ、したくなってきたんだけど……」

 未咲「ずっと待ってたよ、そのことば♡」

 玲香「じゃあ、もう……」

 未咲「だーめっ。最後まで付き合ってもらわなきゃ、未咲こまっちゃ~う♡」

 玲香「……まったく、あんたって人は!」


 言わなくてもわかるけど、果てるまで開放されることはないだろうな……。


 ♦


 未咲に局部をいじられ続けて、十分くらいが経とうとしていた。


 玲香「未咲……わたし、もうトイレに……」

 未咲「言ったでしょ? トイレには行かせないって」

 玲香「そうはいっても、ここでするわけには……」

 未咲「わたしは気にしないから、思いっきりやっちゃおうよ~」

 玲香「わたしが気にするんだけど!」


 正直、膀胱ぼうこうはパンパンにふくれ上がっていると思う。

 手でれなくてもわかるくらい、身体にいらない水をたくさんたたえていた。


 玲香「や……も、でる……(小声)」


 しょろっ。

 かすかな音だったけれど、わたしにはしっかりと聞こえていた。


 未咲「おぉ……感じるよ、れいかちゃんの下半身のふんばりを……!」

 玲香「なにヘンなこと言ってんの……はやく、行かせなさいよっ……」

 未咲「ほんとに限界なんだね……でもトイレあっても間に合わなくない?」

 玲香「それはそうかもしれないけどっ……行かないよりましよ……!」

 未咲「まぁそういうことだからさ……わたしに全部ゆだねてみてよ」

 玲香「人の話を聞いてるの……?」


 だめだ、このままじゃ本当にやってしまう。

 いままさに尿道にょうどうは、すべてを出しきる覚悟かくごを決めようとしている。

 ショーツにはすでに、敗北の印がわずかにきざまれている。


 未咲「ほらほら~、きもちいいでしょ~?」

 玲香「気持ちよくなんかないっ……未咲の愛撫になんかくっしないんだから!」

 未咲「じゃ、ここはどうかな~?」

 玲香「! そこはだめっ……!」


 ショーツしに、わたしの股の突起とっきをつままれてしまった。

 したくてしかたがないときに、これは卑怯ひきょうだと思う。


 未咲「こすこす~、れいかちゃ~ん、ほんとはきもちいんでしょ~?」

 玲香「だから気持ちよくなんか……っっ~~~!」


 じょばばばば……。

 急に力がぬけて、まっていたものが外にどっとあふれてきた。


 玲香「いや……止まって……」


 止まるはずもないのに、ついそんなことばが出てきてしまう。

 未咲のいる前で、こんな失態をさらしてしまうことが恥ずかしくて仕方ない。


 未咲「うわ~、すっごい量だね……」

 玲香「見るな、ばかぁ……」


 かくすことができない状態と、ただただ情けなくなる気持ちが混在していた。

 きょうはいちだんと寒い。

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