#10 - はい、いつものメンツでいってみよー♪

 教室に着くと、わたしたちにはお馴染なじみのふたりが声をけてきた。


 うみ「よう、入野しおのさんと草津くさつさん」

 ロコ「おはよ~、おふたりさん」

 未咲「おはよう~、きょうもよろしくね~」

 春泉「ハウディー、うみ、ロコ!」


 あいさつは大事。きょうもしっかりふたりの前で当たり前のようにする。


 このふたりのお名前は、順番に瀬戸内せとうちうみ、そして稲橋いなはしロコ。

 わたしたちにとって、大切なクラスメート。

 なぜならば、このクラスはわたしたち三人のほかに、このふたりだけ。

 これを読んでいる人にはさみしいかもしれないけど、しかたがない。

 なにせこれだけ寒いし、この街のあたりに人は数えるくらいしかいない。

 ただクラスの雰囲気ふんいきだけは、みんなが想像してるのと大差はない。

 いたって普通ふつうのクラス。おかげでわたしたちも安心して通学できる。


 と、こうやって説明しているなかでも、玲香れいかちゃんは予習をかさない。

 このクラスにおけるかがみであることは間違まちがいないよね。


 しばらくして、担任の先生が教室に入ってきた。


 担任「おはようございます、みなさん」

 五人「「「「「おはようございます」」」」」

 担任「さて、人数的にとるまでもないのですが、出席確認をいたします。

    こちらの紙に、出席の文字がありますので、そちらに〇をつけてください」

 未咲「りょーかいです!」


 ……あれっ。返事してるの、わたしだけ? なんか、みんなノリが悪いなぁ……。

 まもなくして。


 担任「出席確認がとれました。みなさん、ご協力ありがとうございます」

 未咲「それにしても、これやる意味って確かによくわかんないよね……(小声)」


 なんてことを、ついひとりごってしまった。

 ちなみに、担任の先生のお名前は、大西おおにし洋子ようこという。

 容姿端麗ようしたんれいなので、うみロコのふたりは羨望せんぼうのまなざしを向けているみたい。

 わたし? わたしには玲香れいかちゃんというあこがれがあるから大丈夫だいじょうぶだよ?


 担任「では、チャイムのあとに授業が始まりますので準備してください」


 授業開始まで、残りわずか。わたしたちはつくえに教科書などを出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る