#2 - 玲香ちゃんと出逢った日のこと

 朝ごはんを食べながら、ちょっと玲香れいかちゃんについてここで回想してみようかな。


 玲香ちゃんとの出会いは、あまりにも衝撃的しょうげきてきだった。

 幼稚園ようちえんのころ、わたしが足を怪我けがしたときにべてくれた小さなひとつの手。

 それは、のちにわたしの親友となる玲香ちゃんの手だった。

 でも、その手はびっくりするほど冷たかった。


 未咲「つめたっ」


 玲香ちゃんにもこえるほどの声で、思わずそう言ってしまったわたし。

 いま思えばばか正直すぎて、きらわれてもおかしくなかった。けど……。


 玲香「気にしないで。わたしは昔からこうだから」


 なんともないよといったふうな顔で、玲香ちゃんはさらりとこう答えた。

 もしかしたら、わたしの手があったかすぎて、逆に玲香ちゃんの手が……?

 考えても、いまとなっては感覚も忘れかけていて、はっきりとは断定できない。


 未咲「よし、朝ごはん全部食べ終わった。はぁ……ごちそうさま」


 朝にしては、ずいぶんと食べた気がする。

 最近、ずっとこんな感じが続いているようで、なんだかちょっとしんどい。

 寒さに打ち勝つためには、たくさん食べたほうがいいって親に言われたのもある。


 未咲「でも、やっぱりきっつ……うえっ」


 くほどではないにしても、おなかあたりがずっと苦しい。

 でもよく考えたら、わたしの身体からだのそのあたりだけはずっと温かかった。


 未咲「それじゃ、玲香ちゃんのところまで行くことにしようっと!」


 ぴょんと身体を起こして、わたしは玲香ちゃんの家に向かった。

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