あいすくーる! - School of Winter! -

01♨

#1 - 気づけばここは、冬だった。

 未咲「……んっ」


 冬っぽい空気が、どこまでも張り付いて冷たい。

 朝。なんでもない日々の始まりが、わたしのベッドのまわりをつつんでいた。


 未咲「なんか……とんでもなく寒い、気がする……」


 思わずぶるっ、と身震みぶるいした。

 でも、確かきょうは学校があったはず。こんなところでてないで早く起きよう。


 未咲「くしゅん!」


 当然のように、くしゃみまで出してしまう。

 やっぱりめっちゃ寒い。どうしてこんなに寒いんだろう……。


 未咲「はぁ~……さむさむ……ふかふかのやつ、どっかないの~……?」


 できれば、そう、さっきまでもぐっていたベッドの毛布みたいなのがいいな……。


 未咲「あっ、これいいかも……」


 リビングまで歩いて、わたしはソファにあるブランケットを見つけた。


 未咲「おぉ……これはなかなか」


 誰にも見られないのをいいことに、頭からかぶってみる。

 わたしの両親は、もう仕事場に着いている頃合ころあいだろうし。


 未咲「あったかい、ですなぁ……」


 気持ちだけかもしれないけど、わたしは思わずそんな感想をらす。


 未咲「もうちょっとしたら、玲香れいかちゃんと一緒に学校に行こうっと……」


 玲香ちゃん……そう、その子はわたしの大切な幼馴染おさななじみ

 いつもクールな表情で、わたしのことを第一に考えてくれるたのもしい子。


 未咲「っと、その前に、なんかあったかいスープでも飲もうかな……」


 そういえば、朝ごはんがまだだった。早く食べなきゃね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る