第126話 ローカス道場Ⅱ②

 五人が揃ってなんとか剣士祭への申込には間に合った。2か月後の剣士祭まで特にクスイーは修行の日々が続く。


「で、アクシズはここに住むんみたいだけど、マコトはどうするんだ?」


「なんだよ、俺だけ除け者なのか?」


「いや、どうするって聞いているんだ。」


「俺は止めとくよ。慣れ合う気もないしな。」


「とりあえずはいいけど、道場破りはもう止めろよ。」


「駄目だったか。」


「当り前だろ。」


「まあ、仕方ない、ここには俺より強いのが居るから退屈凌ぎはなるだろうしな。」


「退屈凌ぎかよ。」


 そうしてマコトは自分の宿に戻って行った。残ったのはクスイー、ロック、ルーク、ミロとアクシズの五人。クスイーは今日も徹底的にロックに修行をやらされて相当疲れているようだった。簡単な夕食もあまりとれないほどに。


「クスイーはもう休んでいいよ。」


「助かります。僕の為に皆さん集まってもらえて感謝鹿ありません。」


「別に君の為ではないよ。ロックはただ強い相手と戦いたいだけだし。」


「そうそう。俺にはそれしかない、って何かそれってバカにしてないか?」


「凄い、ちゃんと自分で判ってるじゃないか。」


「酷い奴だ、もう剣の修行を付けてやらないぞ。」


「いや、ロック、君に修行に付き合ってもらったことは銀狼城を出てたから一度もないって。」


「そうだったかな。」


 実際のところ、ロックはルークとは殆ど試合ったことがなかった。いずれ真剣で立合う日が来るかも知れないと漠然と考えてはいたのだが。


「それで、アクシズ=バレンタインだったか、あんたの話を聞かせてくれるか?」


 アクシズはロックとルークの漫才をただ呆れて見ていたのだが、自分に話を振られるとは思っていなかった。


「ああ、そうだな、君たちの話は聞いているだけで楽しいから見とれて居たよ。」


「ソニーの紹介だからまあ変な人だとは思ってはいないけどね。」


「まずは自己紹介か。名前は言ったがアクシズ=バレンタイン、二人は歴史には詳しいかい?」


 ルークは歴史については全く無知だった。ロックは一応青年学校で一通りは学んでいるはずだが。


「いや、それなりに。」


 ロックは珍しく自信が無さそうに言う。


「僕は特殊事情で全く知りません。」


「特殊事情?」


 ルークは一通り今までの経緯を話した。


「そうか、そんなことがあるもんなんだな。どうもロックもあまり歴史には詳しくなさそうだし、一から話さないとだめだな、これは。」


 アクシズはするつもりが無かった身の上話をする羽目になった。

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