第106話 剣の道②
三人と一匹はとりあえず宿に落ち着いた。
「今日はもう遅いから明日からあちこちの道場巡りだな。」
ロックはやる気満々だ。
「僕はどうしようかな。」
「なんだよ、ルークも一緒に修行するんじゃないのか?」
「ロックが居るのに僕がこれ以上剣の修行する意味がないじゃないか。」
「いや、俺はいずれルークとも正式に試合うつもりでいるんだから、ちゃんと修行しろよ。」
ロックの練習にいつもルークは付き合っていたのでロックの強さは身に染みている。自分がいくら修行しても追いつけないだろうと思っていた。元々人並み以上には使えるのだから修行するなら魔道の方だと思っていた。マゼランは魔道の修行ができる環境にはない。
「駄目よルーク。ロックは言い出したら聞かないでしょ。どうせやることないんだから一緒に修行に付き合ってあげなさいよ。」
ミロが無責任なことを言いだす。自分に火の粉が掛かるとは思っていないのだ。
「何言っているんだ、ミロも一緒だぞ。」
「えっ、なんで?」
「何回も何回も捕まっただろう。お前が少し剣が使えれば自分で切り抜けられるかも知れないじゃないか。」
ロックの頭には全て剣が基本にある。修行して強くなるのが当たり前なのだ。
「そんな。私は料理の修行でもして待っているわよ。」
「駄目だ、三人一緒に行くんだ。明日は早いぞ、もう寝ることだ。」
そう言うとロックは先に寝てしまった。
「ルーク、なんとかしてよ。」
「ミロも僕を嵌めようとしたんだから自業自得だよ、諦めることだね。」
「そんなぁ。」
ミロは不満たらたらで部屋に戻って行った。
(なんだか色々とお前たちも大変じゃの。)
「ジェイも剣の修行する?」
(する訳ないじゃろ。)
「判っているよ。それよりもジェイ、頼みたいことがあるんだけど。」
(なんじゃ。)
「ガルド老師は無理だとしても、ソニー=アレスがマゼランに居ないか、探っておいてほしいんだ。」
(確かにマゼランから来た、と言っておったの。また舞い戻っている可能性があるのじゃな、判った探索しておこう。但し、ガルドは駄目だ。近寄れん。)
「それは判っているよ。味方とは思えないしね。この間は何か向こうの都合で手伝ってくれただけみたいだし。頼んだよ。」
ルークもやっと寝ることにした。明日は気の進まない道場探しだと思うと寝つきも悪かった。
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