第15話 放浪の始まり③
第3章 放浪の二人
1 放浪の始まり③
「ううっ。」
最初に目を覚ましたのはロックだった。
「みんな大丈夫か?」
「ええ、僕は大丈夫。ロックは怪我してない
?」
「俺は大丈夫。あちこち擦り傷とか打ち身と
かはひどいけど。あれ、馬車は粉々に壊れて
しまったな。馬も居ないし。」
「ロック、ロック、そんなことより、レイラ
とフローリアさんの姿がないよ。」
「ええ、何だって。どうりで静かだと思った
よ。」
「そな冗談言ってる場合じゃないって。二人
を探さないと。」
ロックとルークの二人は何とか無事だった
剣と手持ちの荷物をもって周辺を探し出した
が、やはり二人の姿は見当たらない。
「どうしようか。そもそもここは何処なんだ
ろう。ロスの町に近づいたんだろうか。」
「全然判らないよ。近くには民家もなさそう
だし、街道もどこにも見えない。あの森に行
ってみるしかないね。」
「夜が近いぞ、ルーク。知らない森に夜中に
入るのは自殺行為じゃないか。」
「そうなの?森って危険なんだね。」
「喰種(グール)や魍魎たちがわんさか居る
森もあるんだ。」
「剣でなんとかなるものかな?」
「まあ、ある程度はなんとかなるだろう。魔
道を使うような奴らもいるから、ルークが一
緒じゃないと俺だけでは無理だ。」
「当然行くなら一緒に行くさ。二人を探すの
が最優先だからね。」
二人は夕暮れが深まってきた中、遠くに見
えている森へと向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます