ヒーザンズ・アタック

キョンが吐き捨てるように言った。

「ヒーザンズのクソ野郎だ」

 キョンは、スミスに踵を返すと、布を何重に書けられた窓から外の様子を伺った。

 オートセンチュリーの射撃音は満遍なく続いている。スミスやキョンが居る部屋から見て、両サイドに配置されいているらしい。オートセンチュリーの射撃音からして両サイドに首を振りながら十字砲火を侵入者にたいして浴びせているらしいが、オートセンチュリーは苦戦している様子だ。しばらくすると、片一方のオートセンチュリーが爆発音のあと沈黙し、しばらくして、ショートするようなバチバチ音が爆ぜたのちに、もう片方も沈黙した。

「犬の次は、ネコどもだ」キョンが言った。

 と同時に、煙の出る筒が窓から投げ入れられた。恐ろしく、目が痛い。と同時に喉が焼けるように痛くなり無性に咳き込んでしまう。コロンコロンと、音がするや、同時に、閃光弾が二発、閃光を放ち爆破。

 今度は瞼の裏が焼けるように痛い。目が開けられない。

 と同時に、外から、銃声が一斉に響き、壁にどんどん穴が開けられていく。

 キョンは、スミスの拳銃を捨てると、自身のライフルを構えるとバスバス撃ちだした。

「ヒーザンズの野良猫め くたばりやがれ」

 このキョンは、ゼロイチの信徒でもなく、ヒーザンズの連中とも的敵対しているらしい。

 戦闘の体勢は完全に不利だ。

 二個分隊ぐらいで、撃ち続けられている感じだ。

 キョンは、負けずに、ものすごい勢いでフル・オートで撃ち返している。

 しかし、外のヒーザンズは、お互いを援護しながら、どんどん迫ってくる。閃光弾を投げ入れられるということは、延焼弾や破砕弾を打ち込めるということなのになにもしてこないのは、おかしい。

 生け捕るか、制圧するつもりらしい。

 キョンは、窓を銃眼に相手を罵りながら、相変わらず、フルオートで射撃し、ヒーザンズを射殺していっている。一体はものすごい射撃戦になった。

「おい、キョン、俺にも銃をくれ、撃ち手が増えると、ここから出られるかも」

 といって、スミスがキョンの方に行こうとすると、足をチェーンで奥の部屋の柱にくくられていて、どすんと、転んでしまった。

「キョン、一人じゃ無理だろ。このままじゃ。ジリ貧だ」

 スミスは、転んだまま、伏せて、射撃をやり過ごすことにした。

 どちらにせよ、このキョンとかいう女が制圧されるの時間の問題だろう。 

 思った通りだった。

 キョンがバンバン撃っている窓と反対側から、ヒーザンズの男の一人がアサルトライフルとともに、腰をかがめて、部屋にはいってきた。

 スミスは、気づいていたが、黙っていた。当然の報いだ。

 と思いきや、キョンは、わざと気づかないふりをしていたらしく、突然雄叫びをあげるや、ライフルのレーザー銃剣をオンにすると、ヒーザンズの侵入者に低い姿勢のまま真横に銃剣をなぎった。

 ヒーザンズの男は、銃剣で腹を割かれ腹を抱え前かがみにスミスの足元に倒れた。

「おいちょっと待て」

 スミスは、倒れ掛かってくるヒーザンズの負傷者に声w書けたが無駄だった。

 スミスは両足をヒーザンズの死体に抑えられ余計動けなくなった。

 それが、限界だった。

 キョンが銃剣で侵入者を斬ったあと、急いで窓辺に戻ったが、窓そのものが、爆発し、キョンは怒号とともに真後ろに吹っ飛んだ。

 スミスは姿勢を低くしていたがために、爆発の影響はなかった。

 キョンは、2ネルぐらい、真後ろに吹き飛んだ。

 部屋の正規のドアが開くと、大柄な、青い肌の男<キラー・ビー>ドランが立っていた。

「あーあ、<ナロー・アイ>を殺りやがって」

 そう<キラー・ビー>が言うと、うずくまっているキョンを後頭部から、銃床で殴りつけて、キョンを昏倒させた。

 スミスは、ゆっくり、身を起こすと、<キラー・ビー>ドランに話しかけた。

「助かったよ」

 そう、スミスが言うと、

<キラービー>ドランは、言った。

「生憎だな、あんたを始末するように言われて俺らは来てるんでね」

 そう<キラービー>ドランは、言うと同じように、 

「それも、確かめるように言われててね、それで、こんな手間をかけたってわけで」

 <キラービー>ドランの目は本気だった。

 そういうや、キョンにしたことと同じことをスミスにした。

 スミスには、どうすることもできなかった。

 痛みより、鈍い衝撃が後頭部を襲い、意識を失った。アミュは、どうやら暴力だけが、支配する惑星のようだった。

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