ヒット・トゥ・ザ・アミュ

 エージェント・スミスは、シートごとアミュの大空に打ち出された。それが最善だと<ウィーバー>のメインフレームは判断をくだしていた。

 これは大気降下グライダーとしてある種の完全な責任放棄だったし、どんどんスミスには選択肢と出来ることが減っていった。

 ついで、スミスは、股間にどんな女性から与えられたこともない衝撃を受け、シートが体から分離された。シートとスミスが回転していなかっただけ、マシだったのかもしれなしが、シートの座の部分がメットの間近を通過して、上に飛んでいった。もしもアミュの大地を確認するため首をほんのちょっと前にだしていたら、火刑からギロチンの刑に切り替わっていただろう。

 その事実に怯え、心を落ち着かそうとしていると、次はもっと大きな大女に股間になにかすごい衝撃を受けて、パラシュートが開いた。

 これは、本当に洒落にならない衝撃だった。

「ぐえっ」スミスは体が上げるべき悲鳴を口で代替していた。これも、中途半端に口を開けているか、口に出してお祈りを上げてたら、、舌を噛んで死んでいただろう。

 スミスには神への祈りが死を招くことが、純粋な恐怖だった。神にも嫌われたらしい。

 これでも、ジョン・スミスは、空間機動歩兵だった。パラシュート降下の経験は、歩くくらいある。ただ、大気降下グライダーから、パンチアウトされたのは、始めてだった。

 空間機動歩兵の降下には、腕に高度計のホロがついていたが、今はなかった。高度も落下速度もわからなかった。

 次の衝撃は、股間に大女から受けた衝撃より、大きかった。足だった。<ウィーバー>

に装備されているパラシュートに小型逆噴射装置がついているか知らなかったので、確かめた瞬間、やってきた。

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