甘い玉子焼きは好きですか?
世界を二つにわけるとしたら、甘い玉子焼きと甘くない玉子焼きである。
私が初めて母に教わった料理は、そんな甘い玉子焼きだった。お弁当には必ず入っていて、他の何がなくてもそれさえあればお弁当足ると常々母と共感していた。甘くない玉子焼きはだし巻き玉子であり、私の中では玉子焼きではない。このあたり、キノコとタケノコに負けないほどの争いを生みそうなので、これ以上の発言は控えさせていただく。
手軽さから毎朝同じメニューにしているが、今日は玉子焼きが食べたくなったので変更することにした。ウインナー二本と、玉子焼きと、ご飯とみそ汁。炊飯器は予約済みなので、まずはみそ汁からこしらえていく。
いつだか羅臼に立ち寄った際、昆布の耳(板のようにカットされるときにでるはしっこのこと)というのが安く売り出されていて、それ以来みそ汁のだしは羅臼昆布でとっている。昆布でだしをとるとはいうが、水を吸って大きくなることを想定したサイズにハサミでカットしながら鍋に落としていくだけだ。量も、そのまま具になってもいいくらいという適当さ。火にかけながら沸騰するとかしないとか関係なく、そこに順次食材を放り込んでいく。野菜室で助けを求めてる葉っぱとか、キノコとか、小揚げとか。きっとみそ汁はカレーに次ぐ冷蔵庫の片付け役だろうと思う。そうして火が通った頃をみはからって火を止め、みそを溶き入れる。
ここまでの間にウインナーはできあがっている。フライパンに少し水をはっておくと、なんちゃってボイルそしてパリッと焼かれるのだ。ただ焼くよりおいしいし、ボイルほどめんどくさくなくてオススメ。
さて、卵を割ろう。ボールに四つ。そこに砂糖を盛りだくさんと、塩をひとつまみ。白身を切るように混ぜて、熱しておいたフライパンに薄く流し入れた。この音がたまらない。焦げつかないうちに、端にマヨネーズで横線を引く。これを芯として巻いていくのがうちの玉子焼きなのだ。
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