第8話 ステータスチェック!(ミーア)

 俺はミーアの手帳を手にとってしまった。

「う……ん」

「っ!!」

 慌てて、ミーアの手帳を床に落としてしまうところだった。

 ミーアは寝返りをうつと、また静かな寝息を立て始めた。

 ふぅー、焦った焦った。心臓が止まるかと思った。

 心臓に悪いから、気になるところだけチェックして、すぐに枕元に戻そう。

 俺はちらっと手帳をめくった。


 あ、レベルが3に上がってる。やっぱりすぐ追い越されそうだなぁ、俺。

 ええと、それと……ん!?

 こ、これは……そ、そんな馬鹿な。

 俺が愕然とした。


 なんていうことだ……。俺の手がぶるぶると震えた。

 膝ががくがくする。がちがちと歯が鳴る。

 


 なんと――バストが、つまりおっぱいが……成長しているだと!?

 なんてこった、まだ成長するのか、あれが……。恐るべし、ミーア(のおっぱい)。


 それはさておき。

 確かにファイアが発現しているようで、魔法の欄にしっかりと記載されていた。

 ふぅむ。どうやら人によってステータスの表記も異なるみたいだな。

 “魔力”だとか“精神”だとか、”繊細さ”とかそんな項目、俺にはないんだけど。

 おっと、じっくり見入っちゃだめだな。

 俺は手帳をミーアの枕元に、そっと戻した。


 ……。

 

 そして俺は頭を抱えた。

 やっぱり書いてあったなあ。しっかりくっきりと。


 しょくぎょう:まおう


 って。


 ……。

 ……。

 俺は考えるのをやめた。

 きっと何かの間違いだ。この手帳は信用してはならない。俺のステータスの件といい、何かが色々とおかしい気がする。


 やはりそのうち、大きいとこのギルドに持っていき、確認してもらうべきだな。

 

 ああ。なんだか一気に眠くなってきた。

 俺はベッドに寝そべって、目を閉じた。


 おやすみ、ミーア。

 

 そして深い深い眠りが訪れた。

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