渡辺綱1

 ある夜、一条いちじょう戻橋もどりばしで若い美女を、馬に同乗させた渡辺わたなべのつな。美女の正体は鬼で、綱の髪を手で掴んで空中へ飛び上がります。妙に軽い。

「残念だったな、それは宴会芸用のカツラだ」

「何でそんなの被ってるんだよ!」

「取り返しに行かないから、持ってていいぞ」

「こっちも要らん!」

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