羅生門2

「恨むなよ。俺も、追い剥ぎしなければ餓死する体なのだ」

 羅生門らしょうもんで老婆の着物を剥いだ下人は、老婆を蹴倒して梯子を駆け降りた。

 門の外は夜の闇、下人の行方は誰も知らない。下人本人も、無計画に飛び出したため道に迷い、自分が今どこに向かっているのかサッパリ分からない。

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