プレゼント
五月 花
第1話
仕事が終わった後,男と女が食堂に来た。
男は落ち込んでいて,ビールを2杯飲んだら,隠していた憂鬱が少しずつ開かれた。
生活のプレッシャーや職場の理不尽への愚痴を口にし始めた。
女はただ黙って,静かに聞いていた。
あの水のような優しさが,そっと男の体の傷を癒していった。
3杯目のビールが運ばれてきた時,女はやっと握っていた封筒を渡した。
男は思い出せなくても,女は前もってヒントをあげたりしない。
「二十周年のプレゼント,受け取ってください。」
封筒を開けた瞬間,男の心がさらに辛くなった。
男の顔に出ていた申し訳なさが,女にははっきりと見えていた。
歳月が女に十分な勇気を与え,今日やっと決心ができた。
「仕事辞めよう!」
男は信じ難い出来事で一瞬にして彫像のように固まった。
「一生懸命働いたのは今日のためだ。」
女の揺るぎない態度が,男の心の中に火を燃やした。
男は航空券を握りしめ,力いっぱいでクシャクシャの紙くずにして,灰皿に捨てた。
捨てたのは航空券なものか?
男の夢だ!
プレゼント 五月 花 @maychan21
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