05-2/3 既目者


 その帰り道。お互いに今までの事は話さないように帰路へと向かう。


 IDEAでは最寄りの普通乗車の電車でさえでさえリニアモーターカーが滑走する、その原理が現実と同じではない。

 未来型スクーター同様にコチラの物理法則に従っている。


 現実に戻るにはゲートのある都内へと戻る必要があるため、二人は駅へと向かったのだ。


「ホント、コチラの技術はどうなっているんだろうな……」


一言で魔法と言えば楽な乗り物だが、それはそれで釈然としない。


「一応、聞いた話だと二十世紀と二十一世紀の間の旧世界から元の新世界が創造されたとか聞いているわよ?

 もう、旧人ではないから答えちゃうけどさ。

 そこから、旧世界と新世界は違う進化を遂げていったんだって」


 窓から見える景色を不思議そうに高橋は眺める。


 その景色はどう見てもあの現実と変わらず映るが、建物の発展は随分と旧世界が遅れている。


「でも、どうみても新世界のほうが古いままだよな」

「必要がなかったから。あの時代より建物は進化していない。

 そうだって、銭形さんから聞いたことがあるけど……」


 世界は進化が必要だから進化していった。

 それは、世界情勢に合わせて耐震構造のみならず、ビジュアル面、利便を考えられた結果なのかと、高橋は考える。


「要は、既に便利だから変わる必要がなかったというのが妥当なのか?」


 楓は一度は頷く。


「でも、一概にそうだとは言えないけどね。

 この新世界の方向を決めている人が必ずドコかにいるんじゃないかな?」

「管理者がいるのは確かだと思うが……」

「ちょっと気になることがあってね」

 楓が思考するように顎を手に乗せる。

「いつもアタイたちが最初にログインする場所、千代田区外神田の『UOX』って建物ね。

 アレは、二十世紀にはなかった建物なの。知ってた?」

「……そんな昔の事を知っているはずがない」

「本当にIDEAがタダの写し絵かどうかを調べてみたの。

 そしたら、二十世紀のラストになくなった秋葉原駅近郊の台東区の公園はなぜかIDEAには存在する。

 そのバスケットエリアとUDXの両方が同じ時間軸内に存在する時代はない」


 へえ……と、高橋には頷くことしかできない


「そう考えた時に、この街も少なからずNPCを用いて、あたかも旧世界の人間たちと同じような労働まがいなことを行って僅かずつ街を変えているっぽいのよ……

 そんなこと、新世界では一発で改ざんできるはずなのにね」


 楓も珍しそうに窓の外を眺めていた。


 今の時代になっては、こんなモノクロなスティック状のビルが立ち並んだ街でさえ、原風景と呼べるほどの古いが良いかはわからない日本の姿。


 それを眺めているときに、楓のポケットから一本の着信がはいった。


 なにやら、あて先をみて一瞬戸惑った顔を見せたが、そのあともしばらく携帯の表示を眺めていた。


「電話か?」


 惑うようにまわりをキョロキョロと楓は伺う。


「……ちょっと電話するね」


 そういって、楓が携帯電話を耳に当てた。しばらくすると……。


「ゴメン、高橋くん。ちょっと仕事ができちゃったっぽい」


 彼女の顔がどうしようもなく、無理に作った笑顔になる。

 おそらく、銭形か誰かから市川有栖絡みの事件について手伝えと言われたに違いない。


 楓はもう一言、お詫びを告げると、窓ガラスを割って出て行った。


 つくづく高橋は思うことがある。


「この世界、なんでもアリだな」



 アカリはオサムと多希の寝顔を確認してから玄関を出ていく。


 日常となったテーブルの上には、『明日にはかえる』と記述したのは、彼らを心配させたくなかったからだ。

 それに、誰にも自分の感情を見られたくなかった。

 見られてしまったらきっと、私はここに居たいと考えてしまうかもしれない。


 ――それは……きっと、してはならないこと


「……さよなら」


 玄関を出た先で誰も聞いていないと知りながら口から言葉を出す。


 オサムと多希の二人は家族で、アカリはその間には加われないことを知っていた。

 そして、オサムが求めている人生にアカリという無知な少女が含まれていないことをどこかしらに把握していた。


<わたしの存在理由は、オサムのやさしさでしかないのだから……>


 そう考えると、今の自分がココから去ることが正当化されて冷静になれる。

 そのはずなのに、脳裏では違うとばかりに反抗を起こす。


 なぜか今の感情を考えると瞼が熱くなる変な感覚に襲われるのだ。


「……なんなのよ」

 ただ、前を見ていられなくなる。


 その目から流れた滴をアカリはなんと呼ぶのかは知らない。


 ずっと胸が痛くて押しつぶされそう。思わず口から嗚咽が走る。

『だけど……だけど』と心に呪文のように、イイワケを繰り返し唱えては、自分の存在理由を勘違いして『ココに居たい』と考えてしまう感情が一体なのなのか。


 次第に前を見た。


「そうですね……」

 アカリはオサムのために戦うと決めたのだ。


 オサムには仮がある。

 それに無意味な裏世界でのイザコザに巻き込みたくないという気持ちがアカリにはあった。


 オサムは自身が持っていないモノを沢山持っている。

 守りたい人もいれば、好きな人がいて、家族だっている。

 戻る家があれば、こんなしっかり者の妹がいて、今から彼は好きな人と逢って悲観していた人生を終わらせて、無意味な私の人生とは別に生きていくことができる。



 ベッドタウンのこの街にも誰も立ち寄らなくなったの建物が多く存在する。


 十数年前の戦争で開発により開発や運営が中止された施設が多いのは、関西近畿だけに留まらない。

 一度は、海外からのウイルス兵器により、この関東地方一帯にも致死性の高いスーパーウイルスが巻かれた。


 そのことで、ほとんどの屋外遊園地は閉鎖を余儀なくされた。

 何年も経った今、一部では運営が開始されたが、そのまま潰れていったアニューズメント施設は多い。

 今では、そういう場所は誰の管理もなく不良の若者たちの溜まり場へと変貌した。


 その場所は、地域の人間には有名な施設ではあった。

 以前は市が運営する総合体育館であった。

 民営化に伴い衰退化し、一度戦争の臨時体制によるスポーツや娯楽禁止により閉鎖を余儀なくされた。

 今も尚、運営が儘ならない施設の一つ。


 市川有栖から指定された施設を調べ、アカリがこの場所へ到着したのは一時限目の授業の鐘が響く頃だ。

 運営されていないはずの建築物内部には照明。そこが廃墟であることが嘘のように輝く。


 XX年前、市がこの総合体育館を運営していた頃を媒体として作られた裏世界IDEAと現実を接続(リンク)することで、そこから照明を照らしているのだ。


 IDEAとの接続を認めると、アカリはバッヂを展開。鎧のように重い成長した身体から裏のアバターである戦闘用のミニチュアボディーへと変換する。

 物理攻撃の反作用と威力には不利になるが、『IDEA』での魔術での攻防は有利。

 デカさによる空気抵抗も防ぐことも可能、なにより身を隠し相手の不意を突く戦法の『光(レイ)を主体とした錯乱魔法』を得意とするアカリにとっては好都合な身体だ。


 そして、体育館の真ん中では、有栖警備隊のリーダーの有栖がいた。


 彼女は、自身が得意とするバスケットボールでなにやらドリブルの練習をしていた。

 その姿は、あまりに普通のおさげな女にしか見えないが……。


「……待たせましたか?」

 アカリは興味もなく市川有栖を眺める。


 できることなら、彼女とは関わりたくないというのが本音。

 それが、今から殺し合いをするというのだからアカリにとっても可笑しな話だ。

アカリは生死という概念を上手く知らない。


 ただ生きているから生きている。

 それだったら死ぬんだったら死ぬんだろう程度にしか考えていない。

 待ち兼ねた来客を前に有栖の手元から空を切るようにバスケットボールが落ちて、何度かバウンドする。


「本当に来たのね……」

 有栖は、苛立ちを隠せない表情。


 有栖の姿は、現実世界での普通のスポーツマンといった感じのスタイル。

 腕を動かせなかった証拠のように包帯が巻かれていた。それが、裏との接続により嘘のように動かせる。


「……今からでも遅くないですよ」。

 二人しかいない体育館ではアカリの冷たい声が金属音のように響き渡る。


 アカリには負けという行為は存在しない。

 有栖がどんな手を使おうとも、何度もの対戦で彼女の戦法は知り尽くしている。


「まさかね」

 有栖はそのことを嘲笑うように言った。

「お前……、ココでの戦いは初めてなんだろ? IDEAとは違って、痛みもあれば、死ぬこともあるんだぞ……」


 それは、有栖なりの最終警告。彼女は『デスルール』を善し思ってはいない。


「……だから、なんて言うの?」

「もういい……。――味わなくちゃわからないなら、ヤルしかない」


 それと同時に、有栖もまた裏世界の容姿へとアバターを変貌させる。


 黒の短髪だった彼女の髪が、眩しく輝く白銀の髪が腰のあたりまで長さへ急成長。

 彼女の身体データをスキャンすると同時に、あのグリム童話の世界を思わせる白と黒のゴシックなスカートのようにパンプスのように膨れ上がったキュートなドレスが有栖に纏われる。


 そのフリルの間には、彼女の武器である腕の長さほどの長針が何本も仕込まれている。


「……白銀の剛腕」

 思わずアカリが有栖の二つ名を呟く。


 それと同時に彼女の戦闘データを脳裏にインプットしているのだ。


『IDEA』での有栖はポップな服装ながら、その異能力の剛腕はミサイルのような投擲。

 銭形が率いる社会更生委員会の過半数が教会送りにされた過去がある。

 その戦場で、アカリと有栖と相見ることになったが、そのときはアカリが得意とする光幻術で取り捕まえることに成功したのは過去の話。


「前回みたいに私を捕まえれると思ったら大間違え」

 有栖は目を瞑り、指の間に何本かの長針を掴む。――掴んだと思うと、アカリの後ろで崩れる破壊音。


 その音には見向きもしない。


「……そんな当たらない弾なんかお見通し」

 そして、特殊な水晶を取り出す。


 そこに、光(レイ)を発生、収集させると、熱光線にも似たビームが一直線に伸びた。


 有栖の長針による砲撃は一発でも喰らえば致命傷。

 そのため、短期合戦で有栖を仕留めようとしていた。


 有栖は、間一髪、アカリの殺気から『ソーラーレイ』の行く先を読むと、反復横跳びの要領でそれを避けることに成功した。


 涼しい有栖の白銀の髪の間から額へと寒気による汗が流れ出す。

 体育館の床には一直線に光(レイ)による白とは別に黒が残される。


 有栖は、あまりの悍ましさにその後を眺めた。そして、彼女の冷汗が地面へと瞬間だった。


 その不意に距離を有栖の胸元へと潜り込む。


「――しまった」


 その距離だと針を投げることも、刺し殺すこともできない。


 アカリは有栖の目を見る。


 それと同時に、有栖は手にしていた長針がすべてすり抜けるように落ちていった。


 そこから、金属の乾いた音が鳴り響く。


 蒼い目がドラキュラが相手を魅了するようには有栖の精神を支配していく。

 

 人の脳内は、すべて化学反応でできている。それらを動かすシナプス反応によって人の意思決定が下されるのには、微量な特殊光を発生させている。

 有栖の目から脳内へとシナプスがアカリの思うがままになる。


 IDEAでは戦場で金髪幼女をみたらすべてを諦めろと言われた理由、彼女の破壊力よりすべてを支配されるこの『光幻術』による能力は絶対無敵に近い。

 ……ただ、一つの弱点を除いて。


 言葉通りの一瞬で勝負を終了、世界の接続を解かれていく。


 有栖の周りに落ちた長針はブロック状になると、何もなかったように消えていき、風で塵が飛び去るように白銀が染められるように黒髪へと逆戻りする。


「……スミマセンね」


 ワケもなく謝ると、アカリはその手で有栖の腕を縛ろうとしたが――


 なぜか倒れていた有栖の手が光の腕を掴む。その小柄な身体が地面へと叩きつけられる。


「……え?」


 有栖の瞳孔は、明らかにこの世界を受け止めていた。

 アカリは現状を振り返る。


 なぜ、自身の身体が幼児体形のままなのか。有栖のアバターのゴシックな服装もそのままなのか?

 すこし冷静に考えれば理解できた問題だった。


 有栖はアバターの一部を解除しただけ。

 アカリが勘違いするのを待ったのだ。


「……お前、噂どおり頭がチンパンジー並みに悪いわね」


 剛腕が一度捕らえた腕を放すはずがない。

 白細くひ弱な腕は糸も容易く人間が折り曲げてはいけない限度を越した。


「金髪幼女と戦うのにサンブラスを掛けていないのをどうして疑わないの?

 どうして掛けていなかったか疑わないの?

 それに、コチラの世界で殺す真似はしないって私でも考えるわ。

 それだったら、お前は自身の得意な『光幻術』で蹴りをつけようとする。

 だったら、逆にそれを利用してやろうって思ったの……でも、まさかね」


 有栖は自身の目を指す。その瞳孔がなにやら真面に目の前を捉えていなかった。


「コチラの世界には数時間の間だけ瞳孔を閉じる目薬ってのがあるの。

 本当に……何も見えなくなるとは思いもしなかったけど、それもお前の術を喰らうよりはマシよね」


 ハッと、アカリは気がついたように思い出す事がある。


 それは、有栖の一発目の投擲だ。

 彼女は、脅しの為に投げたのだと勘違いをしていたが、実は彼女は最初からなにも見えていなかったのかも知れない。


 一撃を喰らったとて、そう易々としていられない。

 その逆の手さえあれば有栖を削除することも容易い――はずだった。


 だが、アカリはそのとき始めて現実を苦しみを味わうことになる。


 折れた腕からじわじわと湧き出てくる激痛。それが、急遽見捨てたはずの腕からズキズキと締め付けると、耐え切れず身体が疼き始めた。


「―――アアアアアアアアアアア」

 初めて感じた痛みに叫ぶ。


 叫んでも激痛を誤魔化すことはできなければ、反撃の手立ても考えられなくなっていた。


 その声に、それを実行した有栖でさえも驚く。

『IDEA』では互換の一つ『痛覚』は制御されて、アカリはその生きることで生じる痛みには触れたことないことを初めて知った。


「あ……」

 有栖にとって、真っ白なパズルを崩された感覚に似ていた。


 その悲鳴に有栖の顔に焦りに似た動揺が走る。


 思わず力の下限を忘れていたことに悔やんでいても仕方がない。

 有栖は、金髪幼女という砦さえ使えない状況になれば、それだけで良かったのだから。


「も……、あ、お前が悪いんだ! 

 金髪幼女が私たちの邪魔をしたから……。もう、これ以上は邪魔しないで!」

問いかけながら、ポケットから携帯電話を取り出そうとした。――だが……


 一蹴する衝撃が天へと伸びた瞬間、有栖が持っていた携帯は微塵の影もなく消し去っていた。


 そのアカリの折れていない左掌の水晶から、彼女は最後の力を振り絞り、それ以上の激昂の手段を封鎖した。


 ――有栖の携帯によって創造されていたIDEAの物理法則が取り除かれている。


「……ば、馬鹿かよ?」


 有栖の額からは焦りの色が消えることはない。


「もう、戦いは終わりなの? その腕じゃ普通は動けない。

 私もそんな卑怯な手で勝っても全然嬉しくない……。

 全部間違っている」


 そう次は、アカリがいつのまにか落としてしまった携帯電話を有栖が拾う。


「……ヤメテ」

「あ……お前の携帯から、コチラに仲間を呼ぶしかないでしょ?」


 荒々しい呼吸をしているアカリがそれ以上抵抗することはなかった。


 その中で、彼女は現実での『死』というのがどういう存在なのかを考えることになる。

 弱者は狩られ、強者だけがその痛みを味わらないで済むのか?

 その隣では、有栖ではなくなった一人の少女が電話を掛けた。



 そこへ現れた半透明の少女、裏から表へ接続、静かにコチラを見ていた。


 ただ、現実と『IDEA』との境目の中、幽霊か何かのように流がアカリへと話し掛ける。


「……アカリちゃん、今回の件は借りね。

 それともう一つは条件、有栖との喧嘩はココではなかった。

 ……それだけは呑んでもらいたいから」


 そういうと、彼女は途切れた接続を再構成。

 そして禁忌であるはずの『ある術』を使用した。


 痛みで朦朧とする中、その隣には確かに現実へと流が完全移動をした……表と裏の構造上、鏡『ゲート』がなければ、次元移動を行うことができない。

 だが、流という少女はなぜかそれが利用できる。

 それは、IDEA育ちのアカリでさえ知らない物理法則。


「……今回もすまない」

 有栖は流に、謝罪の意を表した。


「いえ、銭形さんの考え方。少し違うんじゃないかと思いますから」


逆再生(リバース)の印を流が脳裏へと浮かべると、折れ曲がった腕が元の形に戻ると、開いた傷でさえなかったかのように復元されていく。

 人類が神に背いた技術のように、非可逆的解離が細胞レベルで元の白く細い腕へと戻った。


 それも本来ではありえない。

 IDEAでならまだしも現実でナニかを元通りに戻すことはできない。

 死が存在する世界ではソレは不可能のはず……。


「……アナタ何者なの?」

「もう、ジっとしていて? 数秒前を戻すのにどれだけ労力を使うかアナタだって知っているじゃない?」


 傷が治ったからと言って、アカリは未だにあの苦しみという違和感から解放されずにいた。

 何より『IDEA』での人智を超越した流の行動に、感情をむき出しにした険阻な目を向けるしかない。


 完全に腕が動かせるようになると同時に、またしても間合いを取る。


 何もかもが信じられない。

 流が味方だとして、市川有栖が見方を呼んで治療をしてくれたとしても、そのすべてがなにか裏付けされた嘘にしか見えない。


「……どうして、わたしを助けるの?」


 その言葉に、流は有栖を手で押さえる。


「アカリちゃん、銭形さんがいうことがすべて正しいと思いますか?」


 誰かを叱るような流の声が、アカリは真に受けてしまう。


「あの人が言っていることは大方間違っていないかも知れない。旧世界を裏で操ることはどう考えても間違っている。

 だけど、そうしないと生きていけない人間たちもいるの。

 世界はけっして平等じゃない。そういう人たちを助けていくのも銭形さんの考え方とは違う『社会更生』の役割なんじゃないかな?」


 結局どういうことなのかアカリには理解不能。

 それは、銭形への裏切り行為? それとも、生死に対する選択肢だろうか?



 だが、そのときなにかが動いていた。

 この戦いすべて仕組まれたナニカだとしたらそれを仕組んだ首謀者がいた。


 偶然を装い、誰かが弱みを拾い上げていこうとしたのは誰なのか?

 ずっとストーカーのように皆を監視して、きっと今のような流という女性が『現実での藻屑』として、仕留めようと考えている人物。

 ないはずのルートには必ずしも彼女の存在を狙い詰めてきた人間の影がある。


 そのアカリの頭の中、彼のテレパシーがあるワードが感情に染み渡る。


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