60兆の細胞が役目を終えるとき、死ぬ。


人とは面白いもので、自分の終わりであるはずの死に興味が尽きない。


死は怖い

死は怖くない

人は忘れ去られると死ぬ

人は死ぬことによって完成する

死んだらそれまで

死んでもまた輪廻転生生まれ変わる

人は徳を積み死ねば、天の国へと昇る

人は悪を重ね死ねば、地の獄へ墜つる

人は死ぬと、魂となり、それだけになる。

人は死したあと、怪物となり蘇ることも。

殺してやる

死なせたくない

少しでも生き延びてやる

死にたい


ああ、誰も経験したこと無いくせに、一丁前に死について全てを理解したように。


人は基本、死を拒める。

当然のこと。

自ら死を望む者は、何かが壊れた、人と似て非なるもの。

死を拒めるその考えが、いつかは死が悪しきものだという思想に変わる。


死はよくない。


だが、残念ながら人は他の生物を殺さないと生きていけない存在なのだ。


人の体は他の生物の死で正を得ている。


もしも、神が人をわざとこのようにしないと生きられないように作ったのならば


神は史上最高にいい趣味をしている。



































































私は自分が死んだのかすらわからないのに



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る