Ⅱ章【同胞達の眼差し】

あの別れから3年と半年が過ぎ。

現在ラキス22歳。死亡回数1634回。色気はさらに増し

能力の謎は段々と分かってきている。

まず、「暴走させたものはもう一度暴走することはない。」

これが分かったのにはいろいろあるが長くなるんで

割愛。


死ねば死ぬほど蘇るのが早くなるばかりか、すべての身体能力までもが

あがってきていた。ただ死んだときに感じる激痛は強くなっていく

一方であった。


4番目にあった「禁術を無効にする能力」だが未だ見当も

ついていない。一度禁術を使ってみて死なないのかと思ったが

普通に死んで禁術も発動はしなかった。


この2年と半月で多くの経験。

そして信頼できる18人の同胞がラキスと共に様々な理由で

行動していた。皆十人十色で曲者ぞろいだが皆ラキスを崇拝している。


・・・・・ではなくみんなラキスが大好き♪なだけ。。。



裏の世界では知らない人間がいないほど

 『B・J」(ブラックジョーク)は有名になっていた。

活動も国家相手にやばいことしかしていないのだから

有名になるのも仕方ない。のだが。



ラキスもそうだが同胞のメンツがエグイ。。。


旅をして分かったのだがフェイスやエステル

そしてシュティールは結構業界じゃ知らないものがいないほど

の有名人や大物だった。


正直ちょっと有名ぐらいかなとか思っていたが

ラキスはまだまだ世間知らずだったらしい。


地位。立場もエグイ者ばかりだが。

皆。世界各国で暴れまくった

【危険能力犯罪者】として名をはせた者ばかり。


犯罪測定値はほとんどがS級以上の

要危険人物ばかりだ。当然世界のブラックリストに

1名以外全員載っている。


ブラックリストに載っているといっても

ろくな情報はつかめておらず、不明な点がほとんどだ。




「ラキス・ジョーカー」

年齢不明・性別不明・能力不明

何一つわかっていないが、確かに存在し次々と戦力を

高めている。『犯罪王」の二つ名をもつ。

この世にある能力犯罪はほとんど犯しており。

【超要危険事物】ということになっている。




そんな彼らが今宵。0時丁度にに集まっていた。




_________________________________________________________________________








「やあ、皆久しぶり。」


懐かしい城のホールにある巨大な台の後ろにある豪華な椅子に

腰かけていたラキスは目の前にいる同胞に向かっていつものように

笑顔で手を広げながら歓迎する。


ラキスが指を鳴らすと当時に、豪華で高級そうな食事が

各同胞の前に現れる。


「今日は初の集会だ。まずは食事を楽しんでくれ。」


それぞれ少し反応したが、主の前なので皆静かに他の同胞の

様子を探るように意識しあう。


そう今はじめてBJのメンバーがそろったと同時に

今初めて互いの存在を確認したのだ。


皆、只者ではないが顔を確認して悟る。

味方でもあり競い合うライバルだということを。


皆々が食事を食べ終わったのを確認すると

ラキスはあることを切り出そうとした時だった、

かぶせるように殺気を纏ったシュティールが立ち上がる。


2年ぶりの恋人の再開なのに口一つ聞かずに今現在まで

至るわけだが。ラキスはこの時大体の予想をしており

不安と不安が心の中で渦巻いていた。。。


つまり思い当たることがあるという事である。


シュティールが立ち上がったことにより、みんなが彼女に

注目する。この状況で立ち上がったことに立場、ラキスとの関係も

わかっていないが、行動に少し軽蔑していたものがいる。

そんな数名が武器に手を掛ける。


それを見ていた、もともとシュティールにも親しい

同胞の数名も武器に手を掛け、若干の殺気をぶつけあう。


ラキスもゆっくりとシュティールの方に顔を向け

優しく尋ねる。


「どうしたの?シュティール?」


彼女は下に向けていた顔をあげると

とてつもなく笑顔で「なんでもありませんラキス様。」

というとそのままゆっくりと腰を下ろす。


それを見た皆はひとまず武器から手を放しラキスの方を

向く。


ラキスは表情一つ変えずに同胞の方に

向き直ると手を広げ、満面の笑みで提案する。



「食事が終わったところで相談なんだけど。。。

私たち?」



数秒後左の方から懐かしの刃物が飛んでく来ていた。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



キシンッ!!!!


しかしそれがラキスに届くことはなかった。

16本の武器がその短く鋭利な刃物を防ぐ。


エステルやフェイスはその様子をどうなるか伺っていたが

ラキスがこの2年で同胞に迎え入れた者は皆一瞬で動き。

それを殺気混じりに抑える。


突然。

席についていた、一人のラキスよりだいぶ年の離れた

ファンキーな男が刃を向けあっている同胞に葉巻を吸いながら

話し始める。


「おいおい、王子さんよぉ~こんなんで共同生活できると」

「フ~」

「思ってんのかよぉ~そこんとこ考えた方がいいんじゃないのかぃ?」


眼力半端じゃないが口調はおっさんといった感じで

左腕全体の黒い義椀が目立つ。このオジさん。

犯罪推定値SS

『クラウディオ・ヴェレガー」

ラキスの技量に惚れ、BJに加入。


「なんだい?王に対する態度がなってないんじゃないかな人間。」


押さえていた剣をクラウディオに向け上から目線で

感情を露わにした表情で睨む。

その白に近いブロンド色をした美青年は

犯罪推定値SS

『シルヴェストル・カイス・ レグレンツィ」

絶対的なラキス主義で普段は静かに微笑んでいるが

中身は真っ黒だ。実年齢は489歳らしい


いい終えると、先ほどのシュティールの攻撃に対して

動こうともしなかった同胞を同じように見下しながら睨む。


「それと、どうしてそこにいる4人は動こうともしないんですか???

主を守るが私たちの義務でしょうが!!」


血の気が一切ないぐらい白い顔を赤くしながら

大きな声で怒鳴り始める。


それを見ていたラキスは目の前にある彼女の刃物と

対峙しあっている美しい武器をジューと手の皮を焼き焦がせながら

素手で軽々とどかしながら目の前にいる同胞を気にせづ

テーブルを歩き食器を蹴飛ばしながらシルヴェストのほうに行く。


目の前に来るとテーブルを下り。鼻が当たるぐらい近くまで

顔を近づけるとじっと目を見つめる。


シルヴェストは恥ずかしくなりながらも悟られないように

目を背けると、ラキスは笑顔で


「うるさい。」


とはっきり言うと座っている4人の方に体を向ける。


王の機嫌を損ねてしまったと思ったシルヴェストはあからさまに

落ち込む。


その様子を見ていた彼女は何を思ったのか微笑んでいる表情に

戻り刃物をドレスの内側にしまう。

構えていた者は殺気がなくなっていることに気付くと

武器をしまいながらラキスの様子を見守る。


はあ、とため息混じりに息を吐く。


「説明してなったけど彼らは戦闘要員で入っているわけでは

無いんだ、そこにいる眼鏡をかけた癖毛の金髪君はエステル君

主に料理担当ね。

そこにいる紫色の髪をしたおしゃれな人はフェイスさん

オネエで面食いだから一応気を付けるように。。。

それに二人は久しぶりに会ったから、どう接したらいいか私も悩んでいるんだ

だから少しは多めに見てくれないか?」


それ言い終わると、次に何か言おうとした所で

急に後ろから誰かの両腕がラキスの首に巻き付けられる。


「それを言ったら私もラキスとは久しぶりだから少しは多めに

見てくれるわね❤」


そういってラキスを絞める力を強めながら大きな双球を背中に

押し付ける。黒いドレスと長い黒髪が特徴的な絶世の美女は


『カザミラ・レインパァレス」ラキスに溺愛しており

いつもはドSだがラキスの前ではドM。いろいろこうなったのは

理由があるのだがラキスは誰にもしゃべらないだろう。


「カザミラさん?気持ち悪いのでどいてくれます?」


「は、はい❤」


もうこう言わないということを聞かないので仕方なく言うと

横目に同胞を見ると、

周りの反応は驚きと不信感を抱いた目でラキスたちを見る。


まあ、そうなるよねと内心思いながら気にせづ続けようとするが

シュティールより鋭い殺気がラキスを襲う。


そして冷たい感覚がゾワリと背中が感じる。気がする。


見ると軽蔑したような眼でラキスに氷の刃を向けている

気の強そうな美女がいた。キレているように見えるが

いつもこんな顔なのだ。。。


「ねえ。今の歪んだやり取りは何?」


いやキレている。


(えっ。。。舌打ち?今舌打ちしたこの人。)


ラキスがどうこたえようか考えていると

すかさずラキスの腕を自分に絡ませながら、カザミラが

勝ち誇ったような顔で淡い水色の髪のドレスと甲冑を

を合わせたような服装の美女を見る。


『キャンディス・シュレンスキ―」

見た目どうりキツイ性格をしており

女性には基本優しいが男にはかなり厳しい。。。


キャンディスは体から出る冷気が強まると共に

カザミラをにらむ眼光が強まる。


このままじゃまずいと思ったラキスは直ぐに取っ払う。


ラキスが無理やり続けようとするがまたもやさえぎられる。


「あら、だったら私も含まれるわよね。ねえラキス王子?」

フェイスがいつの間にかラキスの顎を手で上げる。


「え?!フェイスちゃんもwだったらワタシも!!ラキスちゃんに

甘えようかな~」


重そうな黒いライフルを背中に背負いながら

バッテン印のように体に弾丸の束を巻き付けながら

元気に手をあげる少女。


『ジェルトリュド= ドゥ・ラ・ボルド」


とても活発で組織一元気がいい。

声が大きく、とてもじゃないが殺し屋には見えない

が戦場では5km先の標的も殺すほどの殺傷能力をもつ

「無邪気な悪魔」と彼女と戦ったものはいう。

様々な戦争好きなお偉いさんと仲がよく。

契約金はえげつないらしい。


ラキスとの関係は一応雇われていることになっているが

当時相場を知らないラキスは彼女の技量にほれ

破格の値段で個人契約している。


フェイスとジェルトリュドそして黒く禍々しい刃を

背中に背負っている黒いコートを着た剣士は

昔からの付き合いだそうだ。

二人が加わったせいで更にややこしくなったのだが


そんな中さっきから沈黙を貫いているのが4人いるだが


一人は先ほどいった剣士。名は『ロスト・クルーエル」

最年少で聖騎士となり、少年時代を犠牲にし国のために尽くしたが

裏切られ、虚偽の罪を着せられ、のちに追放。数年後BJとして

王族関係者全員を虐殺。事実上王国は消滅。

その後ラキスの下で理想実現のために永遠の忠誠を誓う。


無口であまりしゃべらないが、いうときは言う。

非情ではない。


二人目は不気味な笑顔で回りも気にせず、ずっと自分の大鎌を

磨いている背の高い奇抜な服装で大きなハットを被った

変人であり奇人であり謎が多い男?。


『デルワード・P・ルーレット」


なぜラキスに付いてきているかはわからないが二人だけで

何かあったらしく、ラキスと目の赤い少年とは仲がいい。


その少年とは

『アシル・エトナ・ボードリエ」


現在ラキスの手帳は彼が所有しており「世界最高の犯罪探偵」

と業界では呼ばれている。ライバルが多いがファンも多い。

いつもスーツ姿で年齢とは裏腹に落ち着いており

頭の回転が恐ろしく早い。組織の参謀役といったところで

自分の能力「真実」と手帳の能力で事件を解決している。


ラキスは彼らはうるさくなくていいなとか

美女に殺気を向けられながらのんきに思っていると


「バシュ!!」


いつの間にか飛んで来ていた刃物に対応せず、ラキスはそのまま

首元をそのナイフで裂かれる。


以上に気付いた同胞はすぐさまラキスのもとに駆け寄り

必死で血を止めようとするが何故か止まらずラキスの意識も遠のいていく

こんなに自分の死に対して、思いやれるのならば常にそうして欲しいなどを

この状況下でのんきに思っていた。


そしてラキスは同胞の顔を見ながら、3年と半年本当に多くの事があったなと

思い出しながら、笑顔で目を閉じた。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る