間章Ⅰ


気が付くと私はあの空間にいた。


頭が覚醒してくると、先ほどの死んだ記憶が蘇る。

が恐怖よりもあの女性と最後にキス出来て良かったなと

言う感情の方が大きかった。立ち上がりあたりを見渡すと

見覚えのある何もない空間。何もないのだがこの空間独特のオーラが

懐かしく感じるのはここが何年か前に来た、虚無の間と呼ばれる

場所だからだろうか。それともここはあれだけの人間を殺したんだ

地獄で永遠の闇が自分を待っているんだろうかなんて他人事のように

そんなことを死んだはずの体で考えながら歩く。


すると2つの黒い果実がそこにはあった。


不意に後ろから声が聞こえる。


「キミがラキスかな?違うかな?」


急に呼ばれたので驚きと同時に体がバッと振り向く。


するとそこには白と黒い色のマントの付いた服を着た、

半透明な大きな大きな人の形をした何かがラキスを覗き込んでいた。


ラキスは驚きの余り声を出せなかったが、次は脳に直接先ほどの

声が聞こえる。


「キミはラキスかな?違うかな?」と圧倒的な存在を前に

ラキスがとった行動は、驚くのは失礼だと思い必死で体をコントロールする

何かにまず頭を下げ頭を上げるとハキハキと喋りだす。

この時点でこの何かが何なのかは大体予想していたからだ。


「はい。私がラキスでございます。」


言い終えると顔を伏せたまま、胸に手を当て。左腕を広げている。

これが今ラキスができる最大限の自分が下である事の証明だった。


神と思しき何かは禁術の時のような黒い仮面を被っており、どんな顔をしているか

分らないが、何故かラキスは悪い神には見えなかった。だからこうして一か八か

の賭けに出ているのである。


神はこの時、ラキスを驚かせる気でいたのだが逆に驚かせられたなと

こんな気持ちになるのは何年ぶりかなと内心懐かしみながら


何かは突然笑い出すと、よりラキスに近づく。


「キミか。。。頭を上げてよ顔が見たい。」


優しく聞いていたような声だった。顔を上げるとラキスと変わらないサイズになって

笑いながらラキスを見ている。と思う。顔が分からないが恐ろしそうで

同時に穏やかそうにも見えるのだ。


「僕は再生と破壊の神なんだ、キミ。僕の力いらない?」


今度は脳に直接ではなく、神の口から直接発しられたものだった。


その顔は笑っているような嗤っているようなわからない表情だった。


ラキスはすがるように衝動が抑えられないように答えた。「はい」と。


気が付くとラキスは二つの果実を喰ていた。

やめようとするブレーキも全くかからず、欲望のまま

それに食らいつく。食べているときに感じた感覚は二つ。

「生と死」を両方感じながら

前とは比べ物にならないほどの情報と力がラキスの中に

吸い込まれていく。ラキスはこの能力を得たとき微笑しながら

この空間から姿を消した。




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再び目を覚めると、甘い匂いがしてた。


自分が生きていることを感じる。なぜなら今苦しいから。。。

いや結構苦しい。。柔らかい何かが頭に乗っているかのようだ。。

いや乗っている。そしてなぜかさっきから良いにおいがする。


少しずつ体を動かせるようになり。動いていると


「ん、んっん。んん?」


女性の声が聞こえたところでラキスはこの世に戻って

数秒しかたっていないが、今どんな状況か理解する。


ラキスが理解したときは世界は明るくなっていた。


「んゥ?ああ、おはようございます。ラキス君。」


下着とブラしか着ていない状態で彼女は何故かラキスに足を挟んで寝ていた。


窓から光が差し女神のような彼女は本当に女神なんじゃないかと錯覚するほど

幻想的だった。だが何故か少し口周りが赤い。

彼女は言い終えるとラキスの頬に舌でなぞりながら最後に

軽くkissをする。


ラキスは状況は分かっているがなぜ今こうなっているのか分かっていなかった

ため、赤面しながらも「お、おはようございます。」と答える。


彼女は微笑むとラキスから離れ、今いる部屋から出ていく。

ラキスはここはどこなのかとあたりを見渡すとどうやら女性の部屋の様で

恐らく彼女の部屋だろう。窓を見ると見慣れない光景があった。

街は賑わっていて、自分がいたところより人が多く、

がやがやしていたが、なんだかラキスはこの景色が好きだった。


自分のいたところは道も街も常に綺麗だったが、人はみなどこか汚く

心から笑っているものなどは誰一人いなかった。


だがこの景色はどうだろう、とても賑わっていて皆心から笑っている事が分かる。

どうやらここはどこかの城の様で、窓から今の場所をみると何個か塔があったからだ


そんなことより、さっきから胸の位置が何だが少し疼く。


嫌な予感がする。そうさっきから感じたことのないこの肌寒さ。

脳ではわかっていたが、どうやら自分は上半身は完全に裸で

下半身はタオル一枚だろう。何も知らない人がラキスの今の姿を見たら

神秘的過ぎて見惚れてしまうだろう。


だがさっきまでの自分の状況を考えると

足を挟んで寝ていたこともヤバいが。。。。もっとヤバい気がする。


そんなことを考えながら自分の体を見る。そこで予想外の出来事に

さっきまで覚醒していた脳が再びフリーズする。


ああ、裸だ。それはいい。肌がまた白く戻っていることもいい。

タオルも思っていたよりかなり短く、危ういのもまぁいい。


心臓が無い。。。。ぽっかりとそこだけ空いているのだ。

な穴が空いてあった。


だが見た目ほど痛くはなく。ラキスが傷に自覚したせいか

ずっと見ていると少しずつ塞がっていく。

その様子をただじっと眺めていて完全に胸が塞がる頃には

「あぁ、そうか」と一言呟き、理解する。





もう自分が人間をやめていることを。




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下着に黒のロングパンツそれと白いシャツがベットの下に

これを着てくださいね♡着たら部屋を出て階段を下りてきてください♡

と書いてある紙と一緒に置いてあった。


普段ラキスは王族なのできちんとした服しか着れなかったが

前から動きやすそうだなと思っていたので着てみる。


裸の上からのシャツなのでラキスが着ると少しエロいが

気にせず。着ると部屋を出て階段を下りる。


すると扉があったので開けるとおいしそうな匂いがラキスの鼻まで届く。

ダイニングといったところだろうか。かなり広い部屋に出た。

大きなテーブルがあり、そこには服を着た彼女と金髪のラキスよりすこし若い

青年と何故かあのオネエ風の美容師フェイスが座っていてラキスに気付くと


「うふ、あら素敵ね。おはよラキス王子。」


「おはよう~。へぇ~本当に肌白いね。」


ラキスは困惑していると、彼女が微笑し手招きをする。


「ラキス君聞きたいこともあると思うこともいろいろあると

思うけど、一つ聞いていい?」


うっとりした顔でそう言うと立ち上がり、ラキスに近寄る。


「どうしてわたしにキスしたの?」


ラキスは言われてびくっとなる。後ろにいる二人が驚いて彼女とラキスを

見ている。ラキスはどう言ったらいいか悩んだが。素直に答えることにした。


「貴方が綺麗だったのでつい。」


あえて微笑みながら言った。

今の発言はちっとも恥ずかしいとはおもわなかった。なぜならラキスは

別に悪いことをしたとは思わなかったからだ。ただ行動で気持ちを

伝えたぐらいしか思ってはいない。


「そうなんだ♡じゃあ」というとラキスの首に手を回し

ラキスの唇に唇を合わせる。


こんなに簡単にキスをしていいのかラキスはされながら思ったが

別に嫌がっているわけでもなくしてくるのだからいいかと納得してしまう。


気が済んだのかラキスから離れる。ふと横をみるとふひゅ~とうち笛を鳴らす。


金髪の方は小声で「なんて大胆な。」と言ってラキスをまた違った

目を向けてる。


ラキスは少し、恥ずかしくなってしまったが。これは正直にいようと

決める。ちょうどラキスのお腹が鳴ったので皆でラキスを見ると

皆少し笑って、席についた。


この時、気持ちのいい人たちだなと思いながら少し笑った。


テーブルには、スープ(恐らくミネストローネっぽい物)とパンといったシンプルな朝食だが。とてもおいしそうな匂いがする。


食べている最中に今の状況を教えてくれるのかと思ったが

三人はラキスが食べているのをただじっと見ているだけだった。


「ねえ、そのスープなにか違くない?」


食べたらやはり子供のころに食べたミネストローネだったが

少し何かが違った。


金髪の青年がラキスに少し悪人ずらで少し頬をあげながら聞いてくる。

なんだかいたずら好きそうだなとラキスは思いながら、スープの

違いを考える。間違ってるかもしれないけど、という前置きを入れてから

上目遣いで答える。


「このミネストローネ中にチーズが入っているんじゃないですかねでもチーズ

独特の臭みみたいなのがなくなっていて、チーズのまろやかさだけがこのスープ

にじっくり入り込みさらにこのスープのコクが深くなっているような。。。。

こんなに言って外れてたら笑えますね。」


と顎に手をあてながら、苦笑いしながら答える。


「確かに、言われてみたらそうかもしれないわね」

と言って急いでラキスが食べていたスープを一口、口にする。


「本当だわ、確かにこのコクはチーズ!」


金髪眼鏡君は「ウソだろ、一口でわかるなんて。。」と

ぶつぶつ言いながら、若干嬉しそうにラキスを見てラキスに

手を差し伸べる。


「改めてぇ、よろしくラキス王子。俺はいや私はエステル・ヴァン・シュワルツ。」

。」


ラキスがフェイスの妙に真剣な顔とエステルがいった気になる事を言ったことに

の驚いていると。


涎を垂らしながら、目の色を変えた彼女がラキスが食べていた

スープをうっとりしながら勢いよく飲む。


飲み終えると、少し長い舌を回しながら、「ん?」といった顔で

何もなかったかのように自分の朝食を静かに食べる。



超絶美少女だからこそ今のはアウトなんではないかといけないものを見ているように

いやらしくの飲む彼女をみて三人は少し冷めながら朝食を食べ終えた。。。


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朝食を食べ終えたら、フェイスが話し出す。


「あ、そうだわラキス王子、貴方の服血で染まっちゃっていたから

洗っちゃんたんだけど。これが入っていたわ。」


フェイスはあの手帳をラキスに渡す。本人以外見れないように

なっているので、なんの手帳かわからなかったのだろう。


ラキスはそれを受け取ると、手帳の表紙に名前が浮き出てくる。


自分は一度死んでいるのだからこの手帳はどうなるんだろうと

思っていた。手帳を開くと前と同じどうり先の事や知りたい

事が出てきてどうやら能力は継続中らしいが何故か表紙の

名前が「ラキス・ジョーカー」となっている事と

名前の部分が黒くくすんでいる。前は白かったのだが、、、


それより必要な事があるので今は気にしない事にした。


「そろそろ、教えてもらっていいですか。」


ラキスが真剣な顔で彼女を見る。落ち着いたから気付いたの

だが目の前にいる三人は皆上級能力者だということだ

世界にたった99人しかいないのに三人もいるなんてどう考えてもおかしい。


そもそも、死人が生き返っているのに

こんなに自然に接すことができるということ、

すくなくなくても、一般人ではないだろう。


「そう言えばまだ、わたしの名前も教えていなかったですね。

わたしは「シュティ―ル・パレンシア」そういえば名前も知らないのに

私たちキスしていたのね。ふふ。」


いつの間にかいれたミルクティーを飲みながら、ラキスは聞いていると。


次はフェイスが喋りだす、


「私たちは、そうね。二つの目的のために動いている組織かしら、まあ

3人しかいないんだけどね。その目的はメンバー全員が覚醒者になる事、

そして姫に理想とする世界を作る事。かしらそのためにメンバーを集めながら

組織だったり、国だったりを潰してるんだけど、」


そこで、ラキスは口を開く。


「今回のターゲットはスベラル王国だったと。。。」


「ええ、そうよ。でも相手が予想よりはるかに大きすぎたのよね。

前から怪しいとは思っていたのだけど、あそこまで強大だとは

思わなかったわ。情報不足ね。」



ここぞとばかりに体を前にだし、

鼻が触れるぐらいの近さにラキスに顔を持ってくる。


「知ってた?ラキス君一部の権力者の中今かなり有名人なんだよ。

犯罪の英雄なんて呼ばれてるんだよ。貴方あの事件の前に奴隷解放、そして

近隣の国が被害が出ないように大きな大きな壁まで。。。」


更に近寄りる。何かを見透かした目で続ける。


「そんなに頑張ったら死んじゃうよ。でもラキス君は優しんだよね。

普通あそこまで大きな事をするんだからかなりの犠牲が出るはずなんだけど。

ラキス君は凄いね。」


犠牲という言葉にラキスの心が暗くなり、暗い表情になる。


「え、うん。そう、、だね。」


確かに禁術で半透明な壁を生成したが、英雄だって?

犯罪者の間違いじゃないのか。。ああ、それで犯罪の英雄か。。。


なにか暗いものを感じたのかフェイスが続ける。


「それで、貴方を崇拝するもの、殺そうとするもの、欲しがるもの

様々な人間に様々な影響を与えたのよあの映像はそれだけ

印象的だったて事よね。」


フェイスもうっとりした顔でラキスに近寄ると


「ほんといい男よね。。。狙っちゃおうかしら。」


頬を撫でながら、横にいるシュティ―ルを煽るような眼で見ると更に続ける。



「それで貴方は1か月無防備にしておくわけにも

いかないから、今貴方はここで寝ていたのよ。なぜ貴方が生き返ることを

知っていたかわ。彼女に聞いた方が早いと思うわ。」


「わたしはね、」


そこまで言って、エステルが突然遮る。

眼鏡をクイッと上げラキスを見る。



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「すみません、その前にこの組織にはルールがありまして。

組織以外に自分の能力は口外しないという約束があります。

ですので教えることはできません。」


急に話し方を変えて、三人も忘れていたルールを持ち出してくる。


フェイスはどうしてそんなルールをいまさら、持ち出して

来たのかエステルに聞く。


「どうして、そんなルール持ち出したのよ。それとなんでそんな話かたなのよ。

あんたそういうのは息苦しくて嫌いって言ってたじゃない。」


「俺はこの人のために料理を作りたい。と思ったんだよねなんだか俺らしくないんだけどさ。それと喋り方は、ラキス王子にはいいかなってさ。」そう言って顔を恥ずかしそうに少しかく


フェイスは考える。実は彼はこの歳で料理の腕は世界の五本指に入るぐらい

の料理人、、いやシェフなのだ。帝国料理学校でもトップの成績だった

らしい。



前に何かやらかしてしまい今では存在が

いない事になっているらしいが、まあ少し問題があり、それは

彼の性格だ、彼の店では注文しても注文以外の物を出すのだ。。。


もうメニューいらないじゃないかと思うが、プライドがあるらしく

客には相応の料理を出すらしい。


当時はもっと性格が鋭く、すぐ切れていたらしい。


それでもうまいので

客も納得していたが、あることが原因で店を突然しまい。

姿を消し、今何故かここにいる。フェイスも姫がどうやって

エステルをスカウトしたのか、気になっていたが二人とも教えてはくれない。


そんな彼を、数分でここまで活動的にさせる何かがラキスに

あるのだと口元をほころびながら、納得し『そう、まあ好きにしたら?」

と穏やかな表情で手を振る。


「だから、これからの情報は貴方が私たちの団長いや王になってほしんですよ。」


今度はエステルもかよと誰かが言ってしまいそうになってしまうほど

目を輝かせながらラキスに近寄る。


「ちかい、近い」といながらエステルの必死さに嬉しいといった

感情の笑顔で一旦皆を自分から剥がす。ちょっと重い。


「ふっふ~ん、生き返っていきなりまた王か。。。」


目が覚めた直後は、絶対者とか0番目の能力者とか

色々もっと深く知りながら一人旅でもしようかな

とか思っていたので大抵の事は大丈夫なラキスでも少々驚いているが


「いいよ。私がキングで。でも一ついいかな?」


「?」「?」「あら。なに?ラキス君?」


さっきから考えていたのだが、とんでもない計画がラキスの脳で高スピードで

構築されていく。ラキスはいやらしい笑顔をで考えをまとめると答える。


「やるんだったら、とことんやりましょう。まずは初めに嚇器の収集。

そして次は団員の確保。団員の人数は20名少数精鋭で、そして

あなたの言う理想郷とやらを作りましょうよ。やるんだったら徹底的に。」


この時三人は、ラキスが何か違うようなものになった気がするが

フェイスは気にせず、質問する。


「ラキス君、王になるのは私は賛成だけどね。そんな夢物語が

叶うはずないじゃな、20人?この世界変えようっていうのに何で

20名なの?少数精鋭にする意味が分からないわ。」


少し語気を強くするが今後にも関わる方針なので

あえて、強く言う。


「フェイスさん、そんな顔しないでくださいよ。私は夢物語を言って

いるわけじゃないんですよ?それにもう3人も集まっているんだから

可能だと思うんですけど。」


今の一言で二人の顔の眼が見開く。


「いつから?知ってたの?私達3人が上級能力者だということ。」


ラキスは、笑顔で素直に答える。


「最初から♪」と


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「最初から?」


ラキスは少し自慢げに答える。


「はい、実は私能力者を見分ける能力?があるんですよ

だから多分見つけるとかは大丈夫です。まだ不安があるなら

私の眼を見てからにしてもらえますか・?」


ラキスが今度は逆に近づき、フェイスをの眼を覗き込む。


するとフェイスはラキスが本当にできるんじゃないかと

だんだん思ってきた、そしてフェイスはかなりの面食いなので

若干ラキスが積極的なのでヤバい。。


「うふん。わ、わかったわ。覚悟を決めて貴方について行ってあげるわよ。」


納得したのが分かるとラキスの眼は段々と光を失う。


それから、様々な事を教えてもらった。

情報によると、自分は1か月ほど寝ていたこと。

そしての理想の世界とは簡単に言うと平和。(方法は問わない)らしい。

それとここからがエステルもフェイスも1年も一緒にいるのに

知らなかったことなのだが、どうやらまだこの組織には2人ほどメンバーが

いるらしい。


「あ、そうだ。この組織って名前とかってあるんですか?」


「そうね、そういえば名前なかったわね?」


二人とも彼女の方を見て。忘れてたと言って、あまり気にしていない様子で

ラキスに再び引っ付く。


は他の人間には話も聞かないらしいが、ラキスにここまで

なついて、いやべったりなのは珍しいらしい。



「そうだ、ブラックジョークってどうですか?」


ラキスが楽しそうに人差し指を上げながら提案する。


「ブラックジョーク?どうして、その名前なの?私はラキス王子が決めたならいいならなんでもいいのだけど。悪趣味な冗談ってことでしょ?」


フェイスは少し微妙といった顔をして、彼女はどうでもよさそうな表情で。

エステルは気に入ったと表情で訴えてくる。だがラキスが言った言葉で皆納得する。


「ふっふ~ゥん、だって、今からブラックジョークみたいな事をするんだから

これぐらいクレージーな名前でもいいじゃないですか。まさに悪趣味な冗談のような

集団を作るんですよ」


と。


数秒して皆は笑いながら納得した。


***


ラキスがまた王になることを決めた理由は他にある。


それは手帳にこう記されていたからである。


「自由に生きろ。それが最高の人生の道」と


ラキスは今日、ラキス・ジョーカーとして生まれ変わることを決めた。


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「ねえ、姫。ラキス王子の服他になかったの?


ちょっとエロ過ぎない?」


現在ラキスの服装は裸の上にそのままT-シャツを着ていて、少しエロイ。


ありゃ、アウトだろ、、、いろんな意味で。と苦笑いしながら眼鏡を


上げる。多分癖なのだろう。




指で頬を抑えながら「ん~わたしはこれでいいと思うんだけど?


どう思うフェイス?」と少し頬を膨らませ顔で聞く。



「そうね、エロさではvery goodだけど、やるんだったらもっと大胆がいいわね」



エステルは「聞く人、絶対間違ってるでしょ。」とジト目で突っ込む。



その後、ため息しながら席を立つと、ラキスも一緒に来るように耳打ちする。


分らなかったが一応「ok」サインはだし。エステルが去った後、じゃあと言って


ラキスも立ち上がると。。。急に強い力で手を掴まれる。



「どこいくの?」



見ると笑いながら、彼女がラキスの腕を掴んでいた。


あれ?痛さには慣れてるつもりだったけど。。。イタイ。



ラキスはちょっぴり前と同じ感覚で嘘を付こうかと思ったが


どうやらフェイスにもばれているようなので堪忍して、別の方向へと


持って行くことを考える。実は外の世界を自由に見てみたいと思っていたからだ。



「じゃあ。。。。。」



****



(王子、遅いな。。。まさか「ハウス」から出れないとか?)



エステルはさっきまでいたハウスと呼ばれる建物の玄関から少し離れた


場所に座っていた。と言っても普通の人が見たらそこには何も見えないが。



実はさっきまでいた場所は普段は見えない素材を使われており、


シュティールが何故か持っていた移動可能な特別な城といった感じだ。



自分も最初見た時は驚きなぜ、シュティールがこんなものを持っているのか


聞いても教えてもらえないのでもう聞かない事にしている。


そんなことより、エステルはラキスとショッピングするのが楽しみで仕方なかった。



女1「うわ、あの人カッコいい。。。」マダム「イケメンね。。」



とさっきからエステルの容姿に驚きながら、歩いている通行人が


ちらほらといる。そうエステルもラキスほどではないがかなりの美青年なのだ。


今の所、『B・J』《ブラックジョーク》のメンバーは美男美女ばかりだが


自分たちはあまり気にしてはいない。



幸い今ハウスが置いてある場所は服を売っている店からかなり近いので


店員ぐらいにしかばれないだろうし、ラキスの顔も。。。



そこで気付く、(あ、ラキス王子って顔ばれしてるんだった)と



あまりそこ考えていなかったと、いつも冷静な自分も気付かずにラキスにと喋っていることで楽しく、興奮していたのだと反省する。



取り合えず、今は最悪な状況だけは回避しようと考えていると。



「なんだ、あの美人?!」


「なんて魅力的なんだ」「おい、お前声かけて見ろよ。」



という声がエステルの耳に入る。



「エステル~~」



そして自分を呼ぶ声が聞こえた気がして顔を上げると



目の前からバリバリにお洒落したフェイスとシュティールの二人。


そしてシュティールと腕を組んでいる、のが一人。エステルだから分かったが、魔法で目の色を変え、眼鏡をかけたラキスがかなりの注目を浴びながら。


歩いてきていた。



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Ⅰ章 『Eight』


「どうして、二人もいるんだ?」



エステルが呆れながら、顔を抑える。



ただでさえ、ラキスと俺だけでも注目を集めるというのに。。。



シュ「だってラキス君とデートしたかったんだもん。」


フェ「私はそうね、、、ショッピングすると聞いてわたしが行かないわけには


いかないわ。」決めポーズを決めている。


ラ「ごめん、脅されてさ。」



仕方ないのでさっさと洋服店に行こうとしたが・・・・



「あ!あれ!おいしそうだね、ちょっと行こうかラキス君。」



「え?あ、いいですよ。」



シュティールがラキスを引っ張って、連れていってしまった。


はあ。。。とため息をついてから、姫が納得するまで付き合うかと


フェイスと追いかける。



そしてフェイスが入っていった店の看板を見て



「あ、」とこぼれるように呟く。



どうやらアイスクリーム専門店に入ったらしい。


店の看板に{フレーバーは1000種類以上?!絶対美味しいアイス店}と


書いてあり、絶対美味しいがスイッチになったのか


エステルの表情が切れのあるものへと変わる。



中へ入ると「あ~ん、はいラキス君あ~ん」


「え?あ、あ~ん」といった感じでラキスとイチャイチャしていたが。



店員は全員男も女もガン見していた。まあ仕方ないだろう、それだけ


美男美女のカップルだからだろう。フェイスはラキスが運ばれてきた時から


気になっていたが、どうしてラキスにあそこまで好いているのか


どうにも一番付き合いが長い、フェイスは納得できなかった。


確かにラキスは色んな方面でいい男だというのは今さっきで


大体わかった。人を引き付ける魅力とカリスマ性を持っていることは


髪を切った時から気付いていたが、姫のはなにか違う気がした。



そんな事をメニューを見ている時考えていたが、ふと



顔を上げると何故かエステルがシェフ装備を着て、店の裏側に立っていた。



エ「ご注文は何ですか?」



フェ「なんであんたがそこにいるのよ?・・・・クレープの生入りバナナ入り


アイスはオススメで。」



***



食べ終えると、直ぐに立ち上がり店を出る。



「ラキス君?次は洋服店に行こうか。」



どうやらアイスをラキスと食べたかっただけらしく


直ぐにエステルが行くはずだった洋服へと入っていった。



遅れないようにエステルは店の店長に何か言うと、すぐ戻ってきて


フェイスと一緒に店へと入る。



「なんて言ってきたのよ?泣いてたけど」


「俺が手伝ってやったんだから、看板に書いてある絶対を消せって」


「で、なんて言ったの?」


フェイスの顔をみて悪戯顔で。


「泣いて「よろこんで」だってさ。」



***



「あれ?姫なんで一人なんだ?」



シュティールは店には入らず、店に前のベンチに座っていた。



「だって、男の人の洋服とかわかんないし、服って自分の趣味じゃない。


それに入ったらいっぱい買っちゃいだし。、フェイスアドバイス後は頼みますね。」



「あら。私がラキス君に何しても知らないわよ。」



そう言ってフェイスは店に入っていった、



「いいんですか?姫?」



どうでもよかったが、一応聞いておくことにした。


するとうっとりした顔で目に♡♡を浮かべながら、頬に手を添えて。



「これ以上くっ付いていたら、一線を越えそうで。。。」



体をくねくねさせている、シュティールは通行人から見たら、


若干その容姿と合わせて少しアウトだが、エステルは呆れ、少し


離れた場所に座った。



***



私がラキス王子をおしゃれにしちゃうわよ。。。フふふふふふ。



「ラキス君発見💛ん?誰かしら?あの子?」




そこには楽しそうに話すラキスと女性が話し合っていた。




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「はあ、どうして私こんなところにいるんだろ。」



浮かない顔をした女性が一人ここ「パラン」洋服店にいた。


彼女は実は中級能力者なのだが、まだ気づいてはいないのだ


というのも彼女の能力は作った物が一級品の代物を作れるという


能力で様々な特殊効果が付く。



その能力と本人のセンスでなんと「魔法美術高等学校」


を主席で卒業したエリートさんなのだが、金が無く


自分の店を持つことができず止む無く、この中級洋服店みたいな


彼女からしたらダサい!と言ってもいいと思う服が並ぶ店で働いている。



そして厄介なことに、同じ店で働いている一人の店員が


どうやら同じ学校を昔通っていたらしく、途中で脱落したらしい。


そのせいか、何かと私に絡んできては、余計なことを言ってくる・・・



          (´・ω・`)はぁ・・・・・・



知らねえよ!あんたが実力や才能がなかっただけだろ!


今にでもあの、狐のような顔をはたいてやりたいが、


ここは大人になって、ぐっとこらえる。



そうよね私も今年20になったばかりなんだから大人にならなくちゃ(^^♪




・・・・・・・私の方が、年下だよ!!!




「え?」



「え?」突然の声に顔をあげる。すると、一人の男性が


驚いたようにこちらを見ていた。



やばい。声に出てた!全然気が付かなかった、どうし、、、



そこでようやく、目の前にいる人間の美しすぎる容姿に気付き、


脳がフリーズする。



「だ、大丈夫ですか?」



だが男性によってふたたび再起動を始める。



「は、はい!!!どうされましいるた?」へんな声になってへんな返事をしてしまう。女性店員の顔が段々と赤くなる。



どうしよう、絶対私今顔真っ赤だよ、っていうか目見れないんだけど、


なにこの美青年、肌白!触りたいなあ、、。。。



「あの。。話きいてますか?」



「あ、はい!すみません何でしょうか?」



男性は少し困り顔で優しく笑うともう一度説明した。



「すみません、私おしゃれとかあんまりわかんないんで


アドバイスとかもらっていいですか?」



笑顔もすてきだな、、とか一瞬また聞きそびれそうになったが


何とか仕事の顔を取り戻し、最高のスマイルでもてなす。



「はい、ではメンズコーナーの方に行きましょうか。」



見れば見るほどイケメンね、、多分私より年下だろうけど、、


あ、口の処ににホクロがある。。。なんかエロイわね。



「ん?どうしたんです?顔に何かついてますか?」



男性は少し顔を近づけると、


私の心を見透かした顔で聞いてくる。



「い、いやなんでも御座いません。」



わ、わざと?顔近すぎ!、、、それとも私に気があるとか?・・・・・



(・・・・・・・////////)



彼女はそのままメンズコーナーにつくまで、男性の方に顔を


向けられなかったようです。



 ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎ ♢ ♦︎




(あの新人、本当に憎たらしいわ!主席で卒業?!知らないわよ私なんか


落ちたというのに。。。憎たらしい!店長も鼻の下伸ばしちゃって。


ろくに接客もできないくせに、、、


噂をすれば、なに笑顔で接客してるの、よ・・・なにあの美青年!!!!)



驚きすぎて後ろにある棚に頭をぶつけるが。気にせず


ガン見。



「道理で、あんなに笑顔で接客してるのね。あの猫が、


丁度いい、あの美青年の前で、恥をかかせてやるわ」




そしてこっそり、ラキスの写真を撮るのであった。。。。。





(、、、、、、、可愛い/////)



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Ⅰ章 『Ten』


「じゃ、じゃあまずどれぐらいの値段でそろえましょうか?」



「あ、その辺は大丈夫ですので、貴方の好きなように


組んでもらっていいですか?」



「え?は、はい。」



大丈夫?大丈夫ってどうゆうことかしら?



ひとまず、言われたとうり自分の好き勝手に服をそろえたが


なんと銀貨5枚ぐらいになってしまった。。



服をじっくりみている、自分はとてもよく出来たと


思っているが、どうしても値段が、、、



普通に高い、、、どうしようか困っていると、どこから湧いたのか


ラキスの横にあの女が近づいていた。



おふ、近くでみるとより魅力的ね、、、



「あの~お客様?今回はどちらをお探しで?


もしよければ、私がコーディネーターしましょうか?


それにこの服、高いんですよ。お客様にわざと高いものを


買わせようとしてるんですよきっと。」



少し胸元を見せながら、体を男性へとくっ付けながら横目に


自分にあっち行きなさいよと口パクで示す。



「そうですか!ありがとうございます。じゃあ、」



確かに、高い。でも私はこの人がこれが似合うと思って真剣に選んだ。


私は正直ブチ切れそうだった、じゃまばかりして、勝手な憶測でいつも周りを困らせる。まさか色仕掛けより私のセンスは負けるのかと。


だけど今彼はあんなに真剣に見ていたのに、別の服に


直ぐに行ってしまいそうでこの時ばかりは泣きそうになった。



言い返したが彼女の一言でこの仕事がなくなると思うと怖かったからだ。



本当にこの女は根元から腐ってると心の底から思った。



「そこ、どいてもらえます?」




「____________え?」



彼はさっきと変わらずに笑顔のままだが、今ハッキリとあの女に対して


どいてくれと、言った。



女もえ?といった顔をしながらも横にずれる。



それからは誰もしゃべらず、


そのまま、無言で彼は服を見て数分立つと静かに「うん」と言うと


値段も見ないでその服を持ってカウンターに行く。


私は急いで、カウンターに行くと、いつの間にか女がカウンターで待っていた。



だが男性は女を通り過ぎ、奥にいる私に服を渡す。



またしても、目を見開く女。男性はにこやかに私に少し多くのお金を


渡す。どうやらどこかの貴族かなんかなのだろう財布に入っていた金額が私とは違う世界の人間だと、語っている。そんなことを考えていると。


男性はスっと顔を近づけ。



「少し話せます?」そう言って私の手を引き、冷たい目で女を


睨んだ気がする。そしてそのまま私は困惑しながらも何故か彼の行動に


若干すっきりした気分で店を出た。





_________________________________________________





店から少し離れた、ベンチに座る。

道を通っている人が彼の容姿に驚きながら通り過ぎていく。

彼はそんなの気にせづ、じっと私の方を見つめる。


なぜか彼は少し楽し気に見える。話って何だろう。。。

まさかそういう事?なわけない、、、か、いや、でも/////


「あなたみたいな人がどうしてこんなところで働いているですか?」


最初言われたとき何を言っているのかさっぱり理解できなかったが

徐々に理解し、より質問の意味が分からなくなる。


「どうしてって言われましても、、、仕事なので。。。」


え?っといった顔をすると直ぐに「ああ、ごめんなさい伝わらなかった

見たいですね。どうして「魔法美術高等学校」の「主席合格者」でもある

貴方がこんなところで働いているんですか?」


急に目の前にいる男性が怖くなった。

どうしてそんなこと知っているんだろう。。。彼女は

止まったまま数秒考え続け、段々恐怖が強くなっていったが


「大丈夫ですか?ごめんなさいね。ちょっとびっくりさせたかったので。」


その少し悪戯した暖かい笑顔をみて、さっきの恐怖は

どこかへ消え去っていた。


そのあといろいろ話していくうちに段々と打ち解けあっていた。


「私実はあの中級能力者なんですよ、能力は人の心を見透かす能力。」

そうでね例えば、あなたは今私に好意を抱いているとか。」


この場合能力があろうがなかろうが大体の女性はヒットしてしまうが

この時の私はそんなことも考えずについ立ち上がってしまう。


だがそれははいと言っているようなものを

だと気付き恥ずかしさと後悔が押し寄せたが、、、


「USOです♪」


自分の反応を楽しんでいるかのような笑顔で笑う。

私は顔を恥ずかしさで赤くなりながらも

彼はちょっぴり性格が悪いとこの時初めて気づいたのだった。


「本当は能力者の能力が分かる能力なんですよ。」


また、ある程度話したら突然突拍子もなく言い出す。

だがさっきほど破壊力がなかったので受け流そうとしたが。


彼は拍子抜けといった表情で、一瞬ぽかんとして

「もっと驚くと思ったのに。。。。」とつぶやく。


ラキスは顔に手を当て少し考えると

少し眉をあげ、チラッと私を見る。その顔が妙にいやらしく見え

顔を下げてしまう。


しかし彼はそんなの関係なしにじっと見つめると、人差し指で

私を指す。


「もしかして、ルーメさん自分が能力者って気づいていないんじゃないですか?」


ルーメとは私の名前の事だがまだ言ってはいない。だが

それより私が気になったのは、、、、


「ふっふ~ゥん。驚いた、まさか中級能力者がまだ見つかっていないなんて。」


好奇心に満ちた表情で近づく。

私がまだ理解するのが追い付いていないが、男性は続ける。

いや男性というよりは青年に近いかと表情で悟る。


「ルーメさんは簡単に言うと作った物が特殊な能力が与えられるって

能力なんですよ、それもかなり優秀な。知らないっでその道の

エリートになったなんてすごいですね♪」


「え?ええっとありがとう?」


なんとか今興奮している美青年を落ち着かせるため

とりあえず喜ぶがさっきから、私しか知らない情報が多すぎるので

今言った事とプラスさっきのことも問う。


数分後、どうやら私には能力があるらしく

これは隠した方がいいということになった。

そして青年の名前も教えてもらった、ラキスというらしい

どこかで聞いた気がするが、思い出せないので割愛


更に私の事をいろいろと知っていたことを聞いてみると素直に答える。


「私は能力者なんですよ、いや本当に。人の心を感じる能力?

みたいな私もよくわからないんですけどね。ん?どうしたんです?」


嘘をついている可能性もあるが、本当のことを言っているような

のだ、それはつまり私の心も感じられたみたいでつまり・・・・


「私の心勝手に感じてたってことですか?!」

少し怒りながら聞く。


「ああ、私が感じたのはあの女の人に対する恨みを見つけたときに

たまたま見えただけですから。正直あなたの気持ちわかりますよ。

理不尽ですよね。違います:?そこであなたを救う方法が

あるんですけどどうですか?」


先ほどの爽やかな笑顔ではなく、悪い笑顔で

語りかけようとしたとき。だったいつの間にか

さっきの女が険しい表情でそこにいた。


「お客様!勝手に店員を持ち出さないでくれますか?!

これ以上営業妨害するようなら、帝国警察呼びますよ?」


顔を見ないで、そういうと私の腕を握り連れて帰ろうとしたとき。


ラキスは女の肩を掴むと自分の方に向け。顎を片手で上げると

顔は見えないが少しキレのある声で


「俺の目を見ろ。」と聞こえた気がする。そのまま

女は完全に火照った表情でラキスを女の顔で見つめていると


「彼女は私が雇いますのでかえってもらっていいですか?」

元のトーンに戻ったラキスは笑顔でこちらに振り返り女に命令する。


それに女は「はい」「はい」と次々と命令を聞き去っていった。


何が起きたのか驚いている私にラキスはゆっくり近づくと

手を広げ、愉快に喋りだす。


「ふっふ~ゥん。こうなったら私と契約しませんか?

私は貴方が店を開けるだけの資金を提供する。

その代わり私が困ったときは助けてくれる。どうです?」


まるで今までの事が計算づくだったかのような

出来事が続いているがラキスはただ笑顔で手を私の方に向ける。


私は利用されている気がしてたまらなかったが、

まあ、いいかとラキスの手を取った。


・そうして私は『ラキス』と契約した・


そのあと私は初めて見た銀貨が大量に入った袋を貰えって


私はめでたく一号店を開き。業界のトップ企業へと

のぼりつめていった。だがこの時の私はそんなことになるとは知らず

困惑していたのだったのだが私は何故か嬉しかった。




この時私はこの手を握らなければ良かったとこの後数年後になってひどく後悔する。



_____________________________________________________________________________________________






彼女と別れ際にkissをプレゼントした後、後ろを振り向くとフェイスが女性の注目を

浴びながら、決まったポーズでラキスを困った顔で見ていた。


フェイスもオネエだが喋らなければ普通にイケメンなので

注目を集めるのは分かるが何故そんな顔をしているんだと

ラキスは遠くから、首を横に曲げる。フェイスは

「はあ~」とため息をついた後、サッと体を傾けると

後ろにはエステルが気まずそうな顔でどこか別の方向を向いてあり

その横には睨み付けるシュティールの姿がそこにはあった。


ラキスの額に一筋のしずくが垂れる。そして顔が笑ったまま固まる。

やばい、非常にまずい。人生経験の浅い自分にも何かやばいというのだけは分かった

彼女はラキスに気付くと表情を笑顔に変え微笑みながら近づいてくる。


その笑顔は、いつもと変わらない表情だが、今のラキスには

こわく思えた。ラキスは一瞬で考え行動を起こす。

言い訳など聞いてさえくれそうにないので行動で示すことにしたのだ

ラキスはシュティールの方へ逆に走っていくと

シュティールを抱きしめる。


「「?!」」


抱きつかれた事に驚いているのか、シュティールは目を見開く。透かさず

ラキスはシュティールの眼を見ながら、囁く。


「私は、貴方の事を愛してます。私と付き合っ、ゴプッ、、、」


が、しかし言い終える前に何かがラキスの鳩尾に突き刺さる。

そのままラキスは倒れながら、シュティールの右手に赤く染められた

刃物を見る。ああ、私は今シュティールに刺されたのか。。。。


エステルとフェイスは信じられないっといった表情で何もできず

ただそこにラキスを見ながら突っ立ていた。


「うれしい。本当に。お願いします、ラキスくん。でも____死んで❤」


艶めかしい表情でラキスが倒れているというのに潤んだ目で

愛おしそうにラキスを見つめながら、刃物に付いた液体をゆっくりと舐める。


「プハッッ!!!!ゴパgポオおォぉポポpおpぉぉおろロロッ!!!」


ラキスの体の中心から腹のあたりまでパックリ裂けている。


大量にそこから血液が吹き出し、そしてどんどん肺に血液が

流れ込んでくる。


それを見ていた通行人が奇声をあげ逃げていく。



何故か知らないけど痛くない。。。。ああ、意識が。。。。


また、死ぬのか、、、、________________________


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「ん?また死んだの?早すぎない?」


目を開くとまた仮面を付けた、少しぼやけた人の形をした神が

一枚の紙を持ちながら、ラキスの前に座っていた。


「で?死因は・・・・」


当分会わないと思っていたのだが、意外と早く会ってしまったと

ラキスは思いながら、自分が死んだことを覚醒しきっていない

頭で理解する。


「この死因ひどくない?、、、ねえ聞いてる?ジョーカー?・・・」


「うわ?!」


再生と破壊の神は肩を落としながら、ため息を吐くと

ラキスの凄く近い距離に顔を近づけていた。


「わざわざ神がまた君と出会ってあげたのにちゃんと話聞いてるのかい?」


完全に覚醒しきった脳をフル回転させ今の状況を理解し。

直ぐに膝を曲げる。


「すみませんでした、神よ。。。。。どうかお許しを。」


「そうじゃなくて、聞いてますか?貴方が次に復活する期間ですよ。」


「復活する期間?私はもう一度生き返っていいのですか?」


まるでもう一度蘇るとでもいうかのような言い方に疑問を覚える。

生き返ったのは最後のチャンスかのように思っていたからだ、


「ええ、というか君は何度でも何回でも復活しますよ。

そういう能力を私から授かったのですから。

それとジョーカーが次に復活するのはjさxsbjさjxqjkjsk」


徐々に聞こえなくなり最後を聞き終えるまにまた意識が遠のく。。。。




「あらら、もうタイムアップですか。。。頑張りなさいジョーカー・・・」




__________________________________________________________________





キレのある肉を血管と共にちぎられるかのような痛みでラキスはもう一度


目を覚ます。するとそこはあの部屋のベットの上だった、ただ違うところがあるとすれば、先ほどの痛みが継続していることだ。。。イタイ。



「ブチブチブチブプチプチッ、」「じゅるじゅじゅるるるううう」と


いった液体が何かに吸い込まれるような、吸引音も聞きながら


辺りは暗くよく見えなかったが、何かが私の上に乗っている事だけは


分かったので何とか、首を下に下げると。_____



シュティ―ルがおいしそうに目の色を変えながらラキスの心臓付近の肉と右腹部にかぶり付き食い破る瞬間だった、、



なんだ、夢か。悪趣味な夢を見ているな。と思いながら、再び気を失った。。。。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



い、息苦しい。。。そしてこのほのかに香る少し甘い匂いは。。。


考える前に立ち上がりベットから飛び降りる。さっと後ろを向くと


案の定シュティ―ルが、あれな格好で横に寝ていた。


ラキスが動いたことにより、シュティールが起きるとラキスに気付き


抱きつきその衝撃で倒れる。



「姫~ラキス王子覚ましました、、、か。。。。。」



シュティールがラキスの上に裸でまたがっている状況になって


おり、完全にアウトである。



だが、、、



「王子!!!」



エステルはシュティールをラキスから引きはがすと。


ラキスを自分の後ろに避難させる。



「姫、約束したじゃあないですか、忘れたんですか???」



眼鏡の奥から鋭く、ひとを見下すかのような眼でシュティールを睨みつける


エステルてっきりラキスの方が怒られるかと思ったがどうゆうことだろうか。



いつも道理人をなめたような表情をしているがエステルは物凄い殺気をラキスは感じる、流石というべきか上級能力者ぐらいだからかなりの実力だとは思っていたが


予想をはるかに超えていた、今のラキスでは負けはしないだろうが


勝つことは無理だろう。



エステルの手には魔導書のような古い本が握られていた。意味の分からない


言語を発すると半径3メートルぐらいの半透明な黄色い空間が出現する。



その空間の幕のようなものはビリビリと静電気のようなものを発していた。



だが、ラキスが気になったのはエステルの背中あたりから


羽が6つ生えていたことだ。それはまるで神話に出てくる天使のように


美しく黒から白へと変わっていくグラデーションはラキスが今までみた


羽の中で一番綺麗だった。



「へえ、珍しいわね。私以外の人間にその羽を見せるなんて


そして、私に戦闘態勢をとるなんてね。そんなにラキス君が気に入ったのね。」



シュティールは頬を手でなぞりながら、温厚な言動とは裏腹に


手にはいつの間にか、刃物が握られていた。



エステルはここ最近、シュティールがラキスと出会って少し変わっていることに気付いていた。まさか、目の前でラキスが刺されるなんて思わなかったが明らかに


今のシュティールはおかしいとラキスが刺され死んだことにより確信できた。



前は虫も殺せないほど、優しく本当に女神のような性格だったが


ここ最近よくラキスの部屋に入っては何かしているようで。


それと比例しおかしくなっていった。



そして、昨日ラキスがシュティールに夜な夜な食べられているところを


目撃したエステルは今日何とか事情を聴こうと思ったが。



エステルはシュティール目を見て考えをやめ本気で彼女に魔法で出来た


刃を向ける。なぜなら今のシュティールの目は完全に逝っている。


会話など無意味だ。



様子をうかがっていると。彼女は「あと一つ、あと一つ・・・」


呟くと。「食べたかったのののののにんにににいににににににん!!!!!」


と叫び。頭を抱えながら急に狂い出し。



体から禁術を使ったときにあらわれた禍々しいオーラと共にみるみる、


あの黒い仮面が彼女の顔を覆い隠す。



何が起きているのかラキスには分からなかったが、


エステルの表情から危険な状況という事だけは分かった。



「まさか、ここで発現するなんて。。。」



エステルが気になることを呟いたのでラキスは聞き逃さず


質問する。



「発現?何が発現したんですか?」



会って間もないが、ラキスはエステルという人間を理解したつもりだ


エステルがいつものラキス以外の人間に見ていることは表情からもわかる。


だが表情が真剣そのものになっていることにラキスは少し驚きながらも


今の現状に対応するため真剣に聞く。



「使徒の暴走」です、世間には知られていないが、


上級能力者は一段階能力が上昇する場合があるのです。


その時、まれにああいった能力を制御できない時があって。。。」



言い終わる前に無数の刃物が後方から飛んでくるのがわかり


会話が途切れる。



「あぶねぇ~。会話はまず無理でしょうそれにすべての身体能力が


向上してますからかなり強いですね。。。それに姫の能力は


えげつないですから、それが上がってるのはまずいですね。


でも安心してくださいこの膜がある限り近づいてはこれませんので。」



言い終えると、エステルはシュティールの方へと向くと


完璧な戦闘態勢へと入る。そこにフェイスが後ろから慌てた様子で


部屋にはいってくる。



「何さっきの音は____!」



彼女の感じたことのない異様な殺気を感じたのか急いでエステルの


幕へと入ろうとした瞬間だった。



いつの間にか動いていたシュティールはあの黒い鞭のようなものを


フェイスへと叩き付けられ潰される。



と思ったが、フェイスは血一滴出さないで黒く影のように


体が地面へ消えていくと完全になくなっていた。



「え?」



気が付くとフェイスはラキスの目の間にいた。



「もしかして、暴走したの?」


彼女を見たまま、黒い影のようなものを手から生成し


短剣より少し長く、ギザギザした形状の武器を構える。



「ああ、おそらくあれが、、、」



「でも、どうして。。。」チラッとラキスを横目で見た後



「ラキス王子、少し下がってもらっていいでしょうか。」



「え?どうしてです?私も力に、手伝わしてください!仲間じゃないで、、、」



と言いかけて理解する。自分が今この状況で足手まといの存在だってことが


彼らの表情からして私をかばっている余裕はないと、、、、


ラキスは不甲斐なさと足手まといという存在に今更気付いた


悔しさが体の内側からこみあげてきたが、


申し訳なさそうな二人の顔を見てラキスは覚悟を決める。



すると、ラキスは二人に向かって「頑張って下さいね。」


と無邪気な笑顔で言うと部屋を出て行った。



二人は、ラキスが今どんな思いかもわかって言ったつもりだった、


失望されるかと思っていた二人はラキスの何もなったかのような笑顔を


みてラキスという人物の持つ器のでかさや優しさを感じていた。



そして、二人は彼女の方を向き戦闘がはじめった。



****



ラキスは部屋を出た後、激しい戦闘音と共にラキスは


さっきのシュティールの変化を考えていた。



そもそもさっき何故、暴走とやらがなったのか


彼らの会話から、初めて見る現象。つまり私と出会った期間で初めて


発現した変化ということ。・・・・いや私と出会ったからこそ初めて


発現した変化・・



もしかして・・・



「確かめる必要があるな・・・」



何かに気付いたラキスは今も鳴る戦闘音を聞きながら


彼らなら、何とかしてくれるだろうと。



自分の部屋に置いてあった、嚇器を取り出す。


多分自分が倒れたとき飾ってくれたんだろう。



ラキスは人間ではない。


普通の武器や刃物では傷一つつかないだろう。


付いたとしても直ぐにふさがってしまう。


だとしたらシュティーㇽが持っていたあれは何なのか考えると恐ろしい。



だが今も持っている、嚇器なら・・・



ラキスは何の覚悟も決めづに、それを振り上げると______”ズスッ”



倒れる際、ラキスはカレンダーがラキスが生き返り死んでから


1週間ぐらいかたっていないことに気付きながら、


ゆっくりと沈んでいく____




________________________________________________________________





「会いに来てくれたのは嬉しいけど、命を粗末にしちゃ


いけないよ?まあ僕が言えたことじゃないけどさ。」



神は、なんだか砕けた感じで、はじめと会った時とは


明らかに何か違っていた。。



「神よ、単刀直入に聞きたいのですが、私の能力とは何ですか?」


「神に単刀直入で聞いちゃダメでしょ。神だよ?まあでも時間ないし


いいけどさ。」


「時間がない?どうしてです?」


「ん~君は頭が良すぎるから何らかの答えが君の中で出ていると思うだ、


そしてそれはあっている。。。それでも聞きたいの?」


「はい、お願いします。」


「・・・・一つは」



神は仕方ないといった感じで話し始めた。


それは果実を食べたときの大量の途切れ途切れの情報と


組み合わせて、考えた結果。よりわからなくなった。。。


簡単にまとめるとこうだ。



一つ、死ねば死ぬほど蘇る時間は短くなる。


二つ、能力者を次の段階へと無理やり向上させ、激暴走させる。


三つ、暴走させた能力者又は自分が殺した者の全権利、権限は絶対者である


自分にゆだねられる。


四つ、禁術を無効にする力



1と2はなんとなくわかるが。。。2は何だかいやな予感がする。。


3と4は分からないことが多すぎる。


質問しようとラキスは神を見る。するとと段々と意識がなくなっていき


質問する前に完全に途切れる。。。。



そしてなぜかは分からないが、最後に


「当分会えないけどじゃあね。ジョー_____」



ジョーカーそう聞こえた気がしたが、気づいた時には、。。。



ラキスは生き返っていた。。。



直ぐにカレンダーを見ると、5日たっており


それを確認するとラキスは急いで彼らの方へと向かう。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



実はこの城は殺神器で、いかなる攻撃も吸収するといった能力や


透明化、ある程度までの巨大化が可能で飛ぶこともできるといった。


もうなんでもありの、万能建造物なのでそこらへんは困らないのだが。



目の前にいる、彼女が強すぎる。



どうしてだろうか、攻撃が一撃も入らない、


そればかりか、もう5日も戦っているのに彼女は疲れている


様子はなく。逆に自分たちは疲労しきっていた。。。



「おかしいだろ!!こんなの聞いてたのと違うぞ!!!!


はあ、はあ、、、右手が、、、」


「大丈夫?でも、、ごめんなさいね。私も一発食らっているから正直きついわ。。」


エステルは右手が裂けてあり、フェイスは肩を負傷していた。



エステルは意識が途切れそうになりながらも、何とか持ちこたえていたが。



ついシュティールに集中しすぎたせいか、飛び散った血によって


弱り切った足を滑らせた瞬間だった。



彼女は幕がなくなったエステルに具現化した黒い鞭で


体を上に叩き付ける。その際腹部から何かが破裂した


鈍い音がフェイスの耳に届く。



「エステル!!!」



完全に意識をなくしており、大量の血を吐血している。。



ここまで苦しめられていた理由は他にもある。


それは能力が向上したことによる、異常なまでも生命力。



最初は手加減していたのか、腕が吹き飛んだときは冷や汗を出したが


どんどん回復し、きりがなかった。



そして攻撃も当たらなくなって手加減されていたことに気付いた。


姫の本当の実力なのだろうか、、、うッ、、私もそろそろヤバいわね


血が足りなくなってきた。。。。



「ッ!!」



本気を出したのか、黒い鞭と共に襲い掛かってきた。


防ぐには体力が「足りなすぎる、、、


よけるか、いやもう間に合わない。。。。



もうだめかと諦めえたその時、右の方から鋭い金属音と


共に5日ぶりにラキスが飛び出す。



そしてそのまま手に持っている剣でそれを防ぐと


シュティールに刃を向ける。



フェイスは最初戻ってきてくれたことに嬉しく思ったが


今のラキスでは気を失わせるなんて芸当ができるとは


思はない、最悪死ぬ可能性まである。



「貴方じゃ殺さないで気を失わせるなんて無理よ!!離れなさい!!」



「え?何ですか?」



________!!!!!!!



満月の月光がラキスを照らす。



彼の手には元の顔に戻った、シュティールの体が支えられていた。





笑顔のラキスの目は宝石よりも美しい目をしていた。。。



___________________________________






「ん?ここは。。。あ、ラキス君♡」


シュティールはラキスの膝の上で、目を覚ますと

優しい柔らかな笑顔を向ける。


その表情で、傷がいえたエステルとフェイスも

安心する。


どうやら、後遺症もなく至って健康のようだ。

あれだけ激しい戦闘をしたというのに、能力者でよかったと

この時ラキスたちは思っていた。


一安心したところでフェイスが切り出す。


「ねえどうしてあなた。。。」


「話があるので、ホームに集まりませんか?」


話を断ち切るように言い放つとホームへ入っていった。


5日前とは明らかに何かが違うと3人は思いながらも

入っていった。


ホームと呼ばれる場所は、この城で二番目に広い部屋で


大きな縦に長いテーブルが中央に置いてある。

全体的に黒をベースにした色合いで所々金で装飾された家具が

高級感や静寂さを醸し出している。


椅子は6席あり更に現在4人しかいないのでかなり使うには

デットスペースが多い印象だ。


何食わぬ顔でラキスは当然のように一番端の席へと座る。

ここでフェイスは気付く、ラキスは何を話すか分からないが

少なくても立場を利用した何らかのことをしゃべるのだろうと

予想しながら、席へ座る。


皆皆詰めるわけでは無く、好きなように座っていった。

シュティールはラキスの一番近い右の椅子へと座り。


エステルとフェイスも理由はないがピンと来たところに座った。


少しため息を吐きながら、三人の目を見て

静かにしかしはっきりと話す。


「私は当分、旅に出ようと思う。仲間を集めるたびだ。

異論は認めません。これは絶対命令です。

だが、私が団長を下りるわけではありません」


フェイスやエステルが何か言おうとしたがまたしても断ち切るように

続ける。だが


徐々に和らいだ表情と言い方になっていき

安心させようとしているかのような優しさを感じる言い方になっていく。


「あともう一つ、今回の事件はどうやら私が招いたものらしいんですよ

私の能力?体がよくわかっていないのですが原因は私にあるらしく

なのでその、理由がわかるまで私は皆さんから離れようと思います。。」


言い終えると自分にはもう言うことはなく、曲げるとつもりも

無いといった感じで目を閉じながら3人の返事を待っている。


皆が黙っていると、いつもと変わらない声でシュティールがしゃべりだす。


「どれくらい、離れるつもりなの?」


「わからない、」


「・・その間、組織の活動はどうするの?」


「別れて、しようかな。。。今までそうだったんだし、

戦力的には変わらないでしょ?」


「・・・・2か月一緒にいたけど、、、私たちの事はどう思ってるの?」


「大好きだよ。最高のいやかな

安心してよ。嫌いになったとかじゃなですし

逆に最近もっと好きになっているんですから。」


「・・・・・・・・私と結婚してくれますか?」

表情一つ変えないで顔をラキスの耳元に近づけ囁くと

軽く二人には見えないようにkissを頬にする。

今までで一番艶めかしい表情でラキスの深い瞳を覗き込む。


ラキスは考えるのに時間をかけずにゆっくりと答える。


「___。」と


エステルとフェイスは彼女が小声で言ったので

最後の質問だけ聞き取れなかったが、彼女はラキスの答えを

聞くと少し驚きそれから微笑んで安心したように彼女は席へと座る。



「そう、、それじゃあいいですよ♡。でも戻ってきてたら

私の横には別の男性が並んでるかもしれませんよ?❤」



困らせたいのだろうシュティールは誰にも言っていないが

ラキスの困った顔が非常に好きなのだ。好物だ。

それを最後に見ておきたいのだろう、急な発言に

三人が驚く。


だが、ラキスは笑顔で

「それは、いやですね」と答えるとラキスはシュティールの

頭を抱え込むと「あなたを愛してますよ。」と静かに呟き

シュティールを離すとみんなの顔を見た後

スタスタと城を去っていく。


フェイスはなんとなく予想はしていたのであまり驚かなかったというか

悲しまなかった。

だが、フェイスはさっきの会話で予想しラキスとシュティールが

愛を誓い合ったのではないかと考えていた。

それを少し落ち込んでるエステルに話しこっそりとそれほど悲しまずにシュティールに聞こうとしたが。



彼女は笑いながら泣いていた。



「ど、どうしたの?姫?」心配そうにエステルが聞くと。



「振られちゃった。。。」





「「_____え?」」


そういうと、座り込んでずっとずっと泣き続けた。


初めて見る、いつも女神のような表情しか出さない

彼女を見てエステルとフェイスは彼女の心内にを気づくと

急に喪失感が湧いてくる。


そして彼女を泣き止むまで見続けるのであった。



                       To be continued

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