さまよう闘士④

 この4人の中では一番上のお姉さんなのだというサーヤさんは狼狽えながらも蘇生魔法を唱えて、僕の目には映らない幽霊を成仏させようとした。


 すると、突如姉さんのスカートのポケットが輝き出して見覚えのある光の柱が出現した。


「姉ちゃん、柱の中に閉じ込められている最中に申し訳ないけど、ポケットの中身を見せてもらえないかな?」


「クククッ、鬼が出るか? 蛇が出るか?」


 姉ちゃんのスカートのポケットから出て来たのは鬼でも蛇でもなく、姉ちゃんの部屋に敷かれているカーペットのシリーズと思われる黒地に黄色の魔方陣が描かれたハンカチーフだった。


「やっぱり」


「明日夢、これって前と同じだよな?」


 僕は小さく頷いた。


「サーヤの魔法の通りなら、あの霊の器になるのは……。


刮目せよ、伝説が始まる。


ねぇ、何が起きているの? 蘇生魔法はこんなに大袈裟なことにならないはずだけど」


 三者三様のリアクションを柱の外から眺めていると、例によって光の柱は視界が真っ白になるほどの輝きを放った。




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