さまよう闘士⑤

 三者三様のリアクションを柱の外から眺めていると、例によって光の柱は視界が真っ白になるほどの輝きを放った。


「3人目はどんな人?」


 光の柱が消えるや否や、僕は姉ちゃんの身体に入ったであろう3人目の人格に問いかけた。


「我は、我ぞ」


 魔王モードの姉ちゃんに次いで面倒くさそうな喋り方をする人格が来てしまったと思ったが、返答したのは3人目の人格ではなく姉ちゃんだった。


「あれ? 3人目の人は?」


「この身体なかに居るのは間違いない」


「居なければ一安心だったけど、やっぱりあの魔法陣のせいでさっきの幽霊も姉ちゃんの人格の仲間入りしたんだね」


「人格が増えたところで俺たちの居場所が狭くなる事は無いから気にしてはいないが、明日夢の言うところの3人目がいくら呼び掛けても反応が無いのは気になる所だな」


 カインはこの後もサーヤさんと共に内側から内側にいる3人目の人格に声を掛け続けてくれた。しかし、3人目の人格は一向に表に出て来てはくれなかった。





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