カインと明日夢③
「明日夢、お前は何故俺に明日香の友達になって欲しいと頼んできたんだ?」
その問いはカインに答えるだけなら答えにくい問いではなかったが、姉ちゃんが聞いているのだったらあまり答えたくはない問いだった。
「カイン、姉ちゃんは?」
「明日香ならこの中でぐっすりと眠っている。俺たちの声は全く聞こえていないだろうし、記憶にも残らないはずだ」
「そっか」
安心した僕は一呼吸おいてカインの問いに答えた。
「姉ちゃんの友達って、一般的な……普通の友達がいないんだよね」
イッキーやイーサーには申し訳ないが。
「普通? それはどういう意味だ?」
「姉ちゃんって変な事を口走っていますよね? 類は友を呼ぶと言うか……。姉ちゃんは同じような非現実的な事を言う人たちとばかり友達になっているみたいで。つまり、同じ趣味の友達しかいないんです」
「だから俺に明日香の趣味の異なる普通の友達になって欲しいと頼んだ訳か」
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