カインと明日夢②

「魔王……いや、明日香の友達についてだ」


 姉ちゃんのことを魔王ではなく名前で呼んでくれたことに僕はこれ以上ないほどの嬉しさを感じた。

が、僕の部屋にやって来たカインさんはその嬉しさが些細な事でしかないと思ってしまうほどに真剣な顔をしていた。


「ふふっ」


「何故笑った?」


「ごめんなさい。姉ちゃんの真剣な顔があまりにも似合っていないもので」


「そういう事か」


「それで、姉ちゃんの友達についてでしたよね?」


「明日夢に明日香の友達になって欲しいと頼まれた時に俺は明日香には友達と呼べる親しい人が居ないのだと思った。だが、つい先程まで明日香と話していたらイッキーやらイーサーという人物たちとの話をそれは楽しそうに語っていた。明日夢、お前は何故俺に明日香の友達になって欲しいと頼んできたんだ?」

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