カインと明日香
姉ちゃんのせいで異世界から無理矢理呼び出されてしまった勇者、クドルフ・カインさんを家族として迎え、初めての食事を終えた僕は夕飯の後片付けをしながら姉ちゃんの声に耳を傾けた。
「勇者よ。
何だ、魔王。
汝の名はカインと言ったな。
そういう貴様は、明日香だったか?
さぁ、どうかな?
嫌いなのか? 可愛らしい名前じゃないか。
ふにゃっ!?
どうした? 魔王の次は猫の真似事か?
な!? わ、我を愚弄する気か!
そんなつもりは無い。
そ、そうか」
カインさんは何気なく言ったつもりだったのだろうが、普段からイタイ言動を繰り返している所為で面と向かって(人と視線を合わせるのが苦手で向かい合えてはいないが)可愛らしいと言われ慣れていない姉ちゃんはニヤニヤとはっきり言って気持ちの悪い笑みを浮かべて喜んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます