第13話 久孔(決して空港ではない)
「じゃあな、キール。お前とのデュエル、楽しかったわよ」
「いいや可憐な花よ、君の芯の強さを僕は見誤っていた。それだけさ」
私とキールは、今世界中をつなぐ交通の要である、久孔(決して空港ではない)にいる。宇留久遠:ウルクオンが登場したことで、移動手段のほとんどはテレポーテーションに集約されてしまった。地球上の決められたスポットたち、孔と孔とを直接繋ぐ久孔。もっとも、テレポーテーションが出来るスポットは決められており、そこまで移動するために自転車などは生き残っている。
「ああ、そろそろ行くよトマコ。君と添い遂げられないのは残念だけど、僕は貴族として責務を全うする」
「ああ!元気でね!」
「そうそう、君が裁量者となって僕を婿に入れてくれてもいいんだよ?」
「うるせー!さっさと行け!」
やれやれといった調子でおどけながら、キールはウルクオンに包まれて消えていった。
もう。
キールは一回戦にして武器フェイズまでいったアームズの遣り手で、ソウルボタンの二つ目を覚醒、退学を免れた。でも一度修行に専念するとかで、結局実家にしばらく帰るらしい。無論普通の学生よりは不利だが、ヤツらしいといえばヤツらしい。
「よーし、これで一件落着だ!帰って寝よう…」
?
ちょっと待て。
何か忘れてないか?
なんかこう、朧げに脅されていたような・・・。
「負けたら、君の秘密をバラすよ、トマコ」
!
あの優等生ッ!!!!
私はとっちめるべく走り出した。
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