第18話 会議
「ただいま・・・・・・」
ネイトがフードに顔を隠して宿屋にやってきた時、バルトは擬態が解けているのに気付きすぐに獣の姿に擬態させた。
「どうだった・・・・・・?」
バルトはネイトを気にしながら尋ねた。
「うん・・・・・・助けれなかったけど、事態は収まったかな」
バルトはそれを聞いてなんとも言えない気持ちになった。
「やっぱり、お前が辛いならこんな事しなくてもいいんじゃないか?」
「でもやっぱり、できる限りの事をしようとする事はやめたくない・・・・・・かな」
ネイト自身も迷っているようだった。
「少し休んでこい、俺は仕事あるから」
バルトは優しく声をかけた。
「うん」
ネイトも仲間の為に立ち直ろうとした。
翌日、レイの呼びかけで少し今後について話し合うことにした。
「ネイト、お前はこのまま、ここに滞在するつもりか?」
レイは言った。
実際のところ、放浪の旅も同然でネイトの言う人助けがしたければ王都に向かう必要があった。
だが、人助けといえば魔物討伐が主であった。
「うん、それについては迷ってる・・・・・・きっと魔物を倒すことも多くなるだろうし・・・・・・」
ネイトは少し溜め息をついた。
「辛いならしなくてもいいと思うけど・・・・・・決めるのはお前になっちゃうな」
バルトは言った。
「・・・・・・僕にしかできない事をする」
ネイトはそう言った。
「お前にしかか・・・・・・それに何かを傷つけて何かを守ることは入るか?」
レイは少し間を置いて尋ねた。
「僕にしか守れないものがあるなら・・・・・・僕は毎回背負うよ・・・・・・どんなに辛くても」
ネイトのその言葉を聞いて、レイは少しにこりと笑った。
「少しだけ強くなったか?まぁいい、明日王都へ向かうか」
「仕事はいいの?」
ネイトは不安そうに尋ねた。
「ああ・・・・・・いなかったらいなかったで、かなり忙しいとは思うがなんとかなるって」
その答えを聞いてネイトは少し苦笑いだった。
「いいの?あなた殺した魔物の声も聞こえるんじゃなかった?」
リリスはネイトに言った。
「確かにそうだけど・・・・・・僕にしか守れないものがあるならそれを守りたい」
「ふーん、覚悟はあるの?」
リリスは少し悪びれて尋ねる。
「うーん正直言うと、あまりないかもしれない・・・・・・でも僕にしかできない事がきっとあるはずだから、のんびりもしてられないよ」
「ふふ、君にしかできないことかっ♪」
リリスは不敵に笑った。
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