第25話
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『……ココハ何処デショウ。』
見たことのない建物の中に、クロエが独り。
辺りをキョロキョロ見渡すものの、物音もしなければ、生き物の気配すらかんじない。
『櫂……。櫂二逢イタイデス。』
『必ズ櫂二逢ウンデスッ!私ガ櫂ノ彼女ダカラ……キャーッ!彼女ナンデス、私櫂の彼女デ、彼女……キャーッ!』
少し明後日の方向に向きながら、決心したクロエ。
この二人の未来は、お祭り騒ぎに違いないでしょう……。w
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僕はオッチャンの食堂で遅い昼食を食べていた。
調べても調べてもサッパリわからない自分の変化に少しお疲れな僕。
オッチャン見てるだけで元気貰えるんだよね~。
手際よく調理してたり、お客さんと話してる普通の姿なんだけど。
何だかとても元気になる。
『おぉ~、若造。何だそんな見つめやがって。俺に恋したとか止めてくれよ。俺はそっちはノーサンキューだからな。ガハハハハ!』
……そんな斜め上発想のオッチャン。
そんなとこも好きなんだよなぁ。w
はぁ~……満腹。
さてと。
食事も終わったし、そろそろ帰ってまたPCとにらめっこといきますかぁ~。
『オッチャン、お会計……』と立ち上がろうとした僕の視界が、一瞬で真っ暗になった。
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ここ……は?
目が覚めた僕は、また見たことのない景色の中に居る。
クロエに逢った世界とは、まるで違う。
何かの精密機械の内部みたいに、機械の端子?とか配線なんかがいりくんだ場所。
そんな無数の機械の中に目覚めた僕。
これも僕が造り出した潜在意識なのか?
まだ頭痛はするけど、兎に角起き上がり、配線に足を取られないように歩く。
断線したのか、嫌な音を立ててぶら下がる無数の線に頭が触れないように気をつけながら。
少しして、先に何かキラキラした小さな光りが、僕の目についた。
何だろうあの光り……。
とりあえずその光りの正体を確かめるべく前に進んで行く。
『ソレ以上ハ近ヅイテハイケナイ!』
!?
潜在意識の中で、僕にまた誰かが話しかけてきた。
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