第22話
久しぶりの我が家。
Tシャツにハーフパンツ。
これが僕の所謂部屋着。
とりあえず、喉渇いたから冷蔵庫からビールを出してきて、グビグビぷっはあ~とやりますかっ!
って……1本しかないしっ!
買いに出るのもなあ……。
仕方ないから、チミチミぷは~で、堪えることにした。泣
チミチミしながら、パソコンを開く。
勿論、検索は【ダイクロイックアイ】。
ん~っ。
僕が知りたい【能力】的な記事は皆無。
遺伝子的な発症やら、事故等の突然の発症やら、この目を持つ猫が可愛い……。w
大体【オッドアイ】でさえ、その目が持つ能力なんて記事がないわけで。
【オッドアイ】より稀な【ダイクロイックアイ】があるわけがないっ!w
自分の身体の変化は、自分で感じろってことですね。泣笑
神様は、そんな頭を抱える僕を見て、したり顔してんだろうなあ……。
【神様はS 説発動】w
とりあえず、いろいろ試してみるかっ!
まずは……。
■■■■■
『クロエ。』
ったく何処にいるんだよ、毎回毎回。w
『愛しいクロエちゃん。 僕の腕の中においで。』
ちょっと甘く呟いてみたり。
あれ?
クロエが来ない。
『クロエ?』
姿を隠してる感じじゃない。
ここ(潜在意識)にクロエの存在がない。
それは僕の直感。
いつもクロエが居る場所なのに、クロエが
居ない場所。
しかも、この感覚はなんだろう。
クロエが居るからかもしれないけど、僕は初めてここ(潜在意識)へ来た時から、すごく居心地のいい場所だった。
安心出来る感じ、心が穏やかでいられる感じ、そんな感覚。
今は、不安と気が立つ感覚。
空気が僕にそんな感覚を持たせているのか、クロエの存在が感じられないからなのか、どちらかはわからないけれど……。
『クロエ! 今すぐ僕のとこに来いっ!』
脳内クロエ一色で心から思い、感情が爆発したように大声で叫ぶ。
瞬間、フワッと柔らかい感覚が僕の腕の中に……。
『櫂。 櫂ノ全身全霊デ、私ヲシッカリ捕マエテイテ下サイ。 ココ(潜在意識)ガ壊レ始メテイマス。』
愛しい人を抱き締めている感触はあるのに、その人はとても儚く微笑んで僕を見つめる。
その存在は、まるでノイズが走っているかのように、今にも僕の腕の中からすり抜けて消えてしまいそう。
『クロエ! 意味わかんねぇけど! ここが壊れ始めた? 何で【僕の】潜在意識が壊れ始めてんだよっ! 』
『ソレハ私ニモワカリマセン。 櫂? 私ハ櫂ガ大好キデス。 ズット大好キデス。』
クロエの身体から少しずつ色が消えて、向こう側が透けて見え始める。
『何終わりみたいな話になってんだよっ! 僕はクロエを愛してるんだ! これからもずっと一緒に居るんだろ? その方法を探してんだろっ! 勝手に1人で終了すんなっ!』
『櫂。 私ノ心ハ、イツモ櫂ト一緒デ……』
僕の大好きな笑顔を涙で濡らしながら、クロエの姿は完全に僕の前から消えた……。
クロエが僕の腕の中から消えた悲しみと、何処へも向けられない怒りに、喉が切れる程の叫び声をあげた。
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