第20話



『またコイツは寝てやがる。』



オッチャンが僕の病室に来ていた。




2~3日に1回は必ず顔を見せてくれるオッチャン。



お店があるのに、忙しい時間を割いて来てくれるなんて、ホント申し訳ない限り。





潜在意識と顕在意識を往き来する僕。



目を覚ますと、オッチャンが元気な声をあげる。




『おっ、若造! 起きたか!』



『起きました。 オッチャン、いつもありがとうございます。』



『なぁに【口くさい】! 俺と若造の仲だろが! ガハハハハ!』




……オッチャン。


【水くさい】だし。


オッチャンと僕の仲って……。



心の中で突っ込んどくよ。w






『ところでよ。 さっき検査結果がなんたらって看護婦さんに言われたんだが、もう聞いたのか?』



『いえ、まだ何も。』




後で呼び出しされて、報告あるのかな?




検査フルコースから5日。


入院してから1週間になる。


そろそろ家に帰ってのんびりしたいし、会社も行かないと。






■■■■■






夕方、病室に唇さんが来て、検査結果を報告するのでと、診察室へ一緒に向かう。




『この前は、ありがとうございました。』


【ダイクロイックアイ】の彼の話しをしてもらえた事にお礼をする。



『いいえ。 私こそ、サッパリ役に立たない昔話を聞かせてしまってごめんなさいね?』



ん~っ。


やっぱりいいな唇さん。


この唇を舐めたり吸ったりして、ニャンニャンしてアンアン言わせてるなんて、羨ましいぞ彼氏!



まあ……僕はクロエをこれからアンアン言わせちゃうけど。


キスで口内ベチャベチャにして、下のお口もトロトロにして……。



クロエを脳内で犯し始めた僕の前に、医師が来て話しを始めた。






簡潔に言うと【異常なし】。


ただ、頭痛に関しては心配だから、定期的に検査をして要観察。



目に関しても視力云々問題なく、【不思議な現象】扱いらしい。w



そりゃそうなるよね。


医学的には解明は無理だろう。


顕在意識と潜在意識を往き来してるとか、精神科行きになるだけだろうし。



身体が問題ないなら僕的にはオケ!





明日の朝、退院の手続きして、自宅に帰れることになった。




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