第13話



僕が顕在意識と潜在意識を自在に操る方法……。




……。


ん~……。





だあぁぁ~!


わからんっ!




いきなり顕在意識とか潜在意識とか、大工がロックとか、何だってんだ!





ちょいまち。


……大工がロック?




そうだよっ!


僕、大工がロックなんだよっ!


すっかり忘れたけど、大工……【ダイクロイックアイ】の能力で、何か出来ないのかな?




てか、そもそもその能力もまだ何なのか、持ってるにしても、どうやって使うのかすらわかってないじゃん!





……やっぱりアレかな?


よくあるアニメなんかの技発動する時みたいに、台詞とかポーズとかあるのかな?





ポーズは勘弁で、こう~呟く感じでCOOLに使いたいなっ。




クロエに発動の仕方聞いてみよう。




……クロエ今頃何してんだろう。







■■■■■






『櫂二恋、恋、恋~。』by 作詞作曲:クロエ



私は櫂に恋しているのですね。(ハート)





これが【恋】。




初めての感情とその感情の正体がわかったクロエさん。



エライ喜びようです。



天にも昇る勢いで、フワフワしております。



てか、昇ってます。



三段跳びよろしく昇りまくっております。






『イツモ櫂ト一緒二居タイデス。 ズット櫂ノ傍二居タイデス。』(ダブルハート)




『私ノ全テヲ櫂二……。 キャ~ッ! 恥ズカシイデス。 デモ嬉シイデス。 デモ恥ズカシイデス。 キャ~ッ!』(トリプルハート)




いや、クロエさん……。


貴女【交接したい】とか口にしちゃってますけども。





……完全にトチ狂ってしまわれている模様。





【恋する女子最強伝説】が築かれた瞬間に立ち合いました。






■■■■■





身体のアチコチに機械が付けられた僕。


今日は1日検査になるらしい。



脳波やら、心電図やら、フルコース。




どうせなら、クロエのフルコースがいいんだけど……。



そんな事考えてた僕に、唇さんが話しかけてきた。



『? その目は……生まれつきですか?』



『いえ、高熱で意識失って、意識が戻った時になってたみたいな。』



『そうですか……。』



何か言いたげだね?



『この目、何か知ってるんですか?』






『……【ダイクロイックアイ】。』




!?


知ってんの!?


えっ! 何ちょっと!


大工がロック知ってんの!?


こんなすぐ近くに知ってる人が居たなんて!


驚き桃尻ぷるんぷるんだよっ!





あまりに驚き過ぎた僕は、ベッドから飛び起きた勢いで、身体に付けられた機械をブチブチと外してしまった。






『今は検査中ですので。』



興奮した僕をベッドに戻るように促しながら、唇さんが続けた。



『検査が終わったら、少しお話ししますね。』





やった!


少し希望が見えた!




早く検査終わらないかなぁ。




でもその後、希望どころか、僕は叩き落とされる事になる……。













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