第12話




僕の行動に、一瞬身体をビクンッて強張らせたクロエ。



可愛いけど、今は離さないよ?



優しくクロエを抱き締めながら、唇に、頬に、何度も僕の唇を落としていく。



時々洩れるクロエの甘い声が、僕の聴覚を刺激する。





『クロエ?』



『ハイ。』



クロエの肩に頭を凭れながら伝える。





『僕はクロエに恋をした。』



素直に白状した僕。



『……。』




『クロエを僕だけの特別な人にしたいんだけど……。』




『……。』




あれっ?


返事がない。




そしてクロエの口から出た言葉に、僕は一瞬言葉を失う事になる……。





『櫂……【恋】ッテ何デスカ?』








■■■■■






クロエの衝撃発言に、僕は放心状態。



頭を抱えてしゃがみ込んでます。



デッカイ山が目の前に現れた感じです。





【交接】って言葉口にしたよね!?


意味わかって使ってなかったの!?




前にキスした時も、自分からしてきたよね!?


僕がS全開で仕向けたけどさっ!




……意味がわからあぁ~ん!





クロエを見上げながら聞いてみる。




『【恋】って言葉がわからないの?』



『……ハイ。』




上目遣いが可愛いけど、今はそれどころじゃないからスルー、可愛いけど。




『んじゃあ【交接】は? 意味は?』



『人ト人ガ交ワル事?……カト。』




んまぁ、正解かなぁ……。


クロエの中で、【交わる】がどこまでのものかわからないけど……。





『クロエは、僕の事好きって言ったよね?』



『ハイ、櫂ガ好キデス。』




僕の事好きなんだよね!?


クロエの不思議。w


ちょっと質問の仕方を変えてみるか。





『んじゃあ、僕がクロエ以外の女の子と、さっきみたいなキスしてたら、どう思う?』



『……嫌デス。』




嫌なんだよね?


クロエ……君は天然なの!?



ハイハイ、仮定だからウルウルしなぁい!


可愛いけど。





『クロエは僕とキスしたら、どんな気持ちになる? どんな感情を持つの?』



『櫂二触レラレルト、トテモ嬉シイデス。 モット触レテ欲シクナリマス。』




触れますよ!


何処までも触りまくりますよ!


もうグチョグチョにさせちゃいますからっ!




クロエの天然不思議っ子決定な件。w




恥ずかしそうにぷっくり頬っぺたを赤らめて話すクロエが可愛くて仕方ない僕。



既にクロエは、僕の腕の中にスッポリ収まっていた。





『クロエ? それが【恋】。』



『……?』



『僕がクロエに恋してるように、クロエも僕に恋してるんだよ。』



『コレガ【恋】ナノデ……』



クロエの言葉は、僕の口に塞がれて、途中で途切れた。






『……僕にキスされてドキドキする?』



『ハイ。 トテモ。』





度肝を抜かされたけど、結果オーライ。w





次は、クロエを向こう(現実)に連れてく方法を考えないと。




クロエの甘い匂いを感じながら、僕は顕在意識へと戻った。




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