第8話



かれこれ彼女が僕を抱き締めてから10分くらいになるだろうか……。



一向に離れる気配がない。




流石の僕も辛抱堪らなくなってきた。


朝からムラムラムラムラしっぱなしだし。


エロ妄想全力投球してたし。


いい匂いだし、やぁらかいし。





……ん~、限・界。





『触れるのはわかったから、そろそろいいかな?』



本当はこのまま押し倒してしまいたいのを残りの理性で抑えて、できるだけ優しく呟いた。


僕を上目遣いで見つめて、彼女が離れる。




『……イイノデスカ?』


彼女が続ける。


『アノ……。 ムラムラジャナイノデスカ? 唇ヲ貪リタクナイノデスカ?』


……。


…………汗




『やっぱり僕の頭の中わかるの?』



『具現化シタ今ハ、ワカリマセン。』



ちょっと安心した。w





と、彼女がモジモジしながら、その口で予想外の言葉を告げる。





『私ト……交接シタクハナラナイノデスカ?』





?????


……交接と?


それはアレよね?


僕とにゃんにゃんしたいと、ズッコンズッコンしたいと、そういう堪らないお誘いよね?


いやいや、慌てるな。


交接の他の意味を探せ僕。


彼女のその言葉の意味が違ってたら、来世までアホ認定が確定するぞっ!



そんな悩む僕に、



『私ニハ、魅力ガアリマセンカ……?』



……畳み掛けてきたあぁ!




しかもウルウルした目で、ちょっぴり頬赤らめてとか、言葉の意味合ってんじゃね!?




冷静に、エロ先走りを気付かれないように落ち着いた大人の対応で。


落ち着け僕。




『十分魅力的だけど。 まだ、会って間もないし、君の事も僕が具現化した存在だって事しか知らないし。』


ナイス僕!


本当は今すぐにでも頂きたい気持ちをがっつりホールド。



『デモ、サッキハ誰カノ事ヲ貪リタイト言ッテイマシタ。』


『それはね、妄想で。 その人にだって僕初対面だったんだけど、いきなりそんな事したら、捕まるからw』


『あと、女の子が交接したいとか、好きな人以外に言っちゃ駄目だよ。』





!?


何故そこで君が涙目!?


寧ろ今すぐにでも押し倒したい気持ちをホールドしてる僕のが泣きたい……。



『私ハ貴方ガ好キデス。』



……カアァァ!


告白ッス!


涙目で、可愛い女子からの真っ向勝負ッス!



堪えろ僕!


大人なんだから堪えてなんぼだろっ!




……エロ全力投球なその日の僕は、頭と身体が別の生き物でした。




抱き締めちゃいました。






■■■■■






さて……どうしよう。



据え膳喰わぬは男の恥?



初対面だよ?


いくら告白されたからってさ、いきなり頂きますはまずいでしょ。




抱き締めた腕を少し緩めた僕を上目遣いで見つめる彼女。




……可愛いぃぃ~!


ぷにぷにしてるその頬っぺたにウルウルした目とか、最強でしょ!



しかも口半開き!


エロいっ!


堪らなくエロいんですけどっ!







……理性玉砕w




僕は、彼女の唇に吸い込まれていった……。





















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る