第7話



『……久シブリニ、コンナニ笑イマシタ。 少シ疲レマシタ。』




そりゃそうでしょうよ。


涙流しながら、爆笑とか腹筋大活躍よ?


明日は確実に腹筋アィタタタコースよ。




涙目で可愛いけど……。






『それで……【ダイクロイックアイ】ってさ、結局見た目だけで、何の変化も感じないんだけど。』




大工がロックになった結果、現在の僕の目は、右目が元々の黒で左目が【灰色と緑色】になっていた。




『私ガ今、貴方ノ目ノ前二居ルノガ、ソノ【力】デス。 【オッドアイ】ノ人間デアレバ、私ニモ、ドンナ変化ガト詳シクオ伝エ出来ルノデスガ、【ダイクロイックアイ】ヲ持ツ人間ハ、私モ初メテノ事デ……。』




俯きながらとか可愛いぞコラッ。


ちょっとドキッとした僕。




『君にも未知数って事でいいのかな?』



大きな目を更に大きく見開いて、僕の言葉を聞いた彼女は、申し訳なさそうな、でも嬉しそうな表情で、


『ハイ。』


とだけ告げた。








■■■■■






まずは、【オッドアイ】を持つ人間が、通常の人間とどう違うのかを聞くとしよう。




彼女曰く、【オッドアイ】を持つ人間は、様々な能力を持つ。


所謂【異能】。



その能力は、個により異なり、またその能力を持てる力(その人間の力量)との関係か、1つだけだったり複数だったりと、各々違うらしい。


彼女の経験上、【空想具現化】【幻覚】【幻惑】が異能の上位を占めていた。






まず、僕がこの空間を造り出したイコール【空想具現化】。


彼女がその空間に居るイコール【召喚能力】。



大工がロックなわけだから、更にまだあると推定。




僕的には、念じたら服が透け透けで見えちゃうとか、何なら全部透け透けで裸体までが拝めちゃうとか、そんな能力が欲しいっ。


いやっ、是非お願いします!




……男たるもの、常にエロくあれっ!






『複数ヲ持ツ時点デ、既二貴方ノ【力量】ハ私デワ測リカネマス。 ドンナ能力ヲ持ツノカ、私モ楽シミデス。』



……出たよっ!


満面の笑み!


超絶可愛いぞっ!


堪らんぞっ!



あぁ~、抱き締めたい!



あっ……またエロ妄想って言われ……ない?



笑顔全開で僕を見つめる彼女。




はて?




『あのさ……、さっきまで僕に話しかけてたよね? 頭の中で。 それって君の【能力】で話しかけてたんじゃないの?』



疑問を口にしてみた。



『アレハ、私ノ能力デハアリマセン。 正確ニハ、私ハ能力ヲ持チマセン。』





『私ハ貴方ガ造リ出シタ【空想ノ具現化】デス。』





『えっ!? じゃ何!? 実在しないって事!? 触れないし、消えちゃうしって、そんな存在!?』



ちょっと残念だぞっ!


いや、かなり残念過ぎる!


地団駄踏むぞっ!


20歳過ぎたいい大人が、全力で恥ずかしがりもせず地団駄踏むからよく見とけっ!






……いい匂い。


ってウワハッ!



突然彼女が僕を抱き締めた。



『触れますよ?』




女の子が~!


女の子からギュッてされたっ!


いい匂いの女の子からギュッて!


柔らかいぞっ!


やぁらかぁ~い……。



神様ありがとう!





『ホントだ……ね。』



心臓バッコンバッコン……もといバックンバックンしながら、少しその柔らかい身体に優しさを感じた。











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