第6話


オッドアイも実際には見たことないのに、そのさらに稀な大工がロックってヤツになった僕。




見れば見る程不思議な感覚。




元々、僕の虹彩は黒。


若かった頃は、琥珀とか青に憧れて、カラコンつけたりしたけどさ。


オッドアイに憧れた事はなくて、片目だけカラコンとかしてないし、そもそもオッドアイって【虹彩異色症】じゃなかったっけ?



先天性の疾患?



高熱出したくらいで、なっちゃうものなのか?



そのオッドアイの上をいく大工がロックとか……。





『それで……この目は何なの?』



さっきから、肩を震わせながら僕をチラ見している彼女に聞いてみる。



『プッ……、ソノ【ダイクロイックアイ】ワ、クククッ……、マダ人間デハ確認サレタ事ワナク、ブッ……【中心型虹彩異色症】ト言ワレルモノデス。』



まだ笑い堪えてるよこの子は……。



『【オッドアイ】ハ、世界ノ人口ノ0.6%以下、プププッ……ソレヨリ稀少ト言エバ、理解シテモラエマスカ?……ッッアハハハ』



ハイ、爆笑頂きましたぁ。




涙を流しながら笑う彼女を片隅にしながら、考える。




その稀少な【大工がロック】に……えぇと【ダイクロイックアイ】だっけ。


それに何故僕がなったのか。


原因が高熱だとして、【大工……ダイクロイックアイ】になった理由。


さしあたって、特に何か変わった事もなく、普通に見えてるし……。



ん~……。



彼女は何かわかってるッポイから、取り敢えず、爆笑終了まで待ってみようか……。





■■■■■





病院では、解熱剤が効き始めた僕が眠っていた。




『熱は一先ず下がりましたので、様子を見てその後詳しく検査になります。』



『わかりました。』



医師と唇さんが居なくなり、病室には眠る僕とオッチャンが2人。



『まったくコイツは……。』



はぁ……。



安心したように、静かな病室にオッチャンの溜め息が響いた。









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