第13話

私は言う。「先生」「なんだ?」「ちょっと、トイレ行ってきます」「わかった。すぐ戻って来いよ」「はい」私は、ほんの少し、口角を上げた。

私はひとまずトイレに入り、少し経ってから辺りを見渡した。大丈夫。みんな授業中で、廊下には誰もいない。ここから、右に曲がって、階段を駆け上がって、四階まで。そこから、左に曲がって、非常階段のとびらをブチ破る。そこからは、飛び降りるだけだ。ヘマ、しないようにしよう。ポケットの中のカッターをぎゅっと握り締めて、呟く。「大丈夫。いける。がんばれ。」

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