第6話女祭りwith
「そうそう!それでこの前タコが物凄く勘違いいしてて〜ホントに気持ち悪かったんだよ!」
男3人でユウナとハルさんの会話を盗み聞きしようとして来たのはいいが...
なんでっ!なんでっ!ここでも俺の悪口をユウナは言ってるんだよ!わざわざ自分の悪口盗み聞きしたい奴なんかいねぇよ!
もう嫌だ。来るんじゃ無かった。
俺はそう思いながら、肩を落とし後ろの壁にもたれた。
ただフニさんとノメさんは2人で楽しそうに話してるな。俺が話すと「雑魚」「タコは黙れ」
などと罵詈雑言をあびせてくる。
完全にメンタルブレイクした俺は、もはや
あだ名の『タコ』すらもただの悪口でしか聞こえない。
グッと堪え、ユウナとハルさんの会話に耳を傾けた。
「ユウナとタコ君は仲がいいって皆思ってるよ〜。だって2人で罵りあってる時が1番テンション高いでしょ?」
「んなわけないでしょ!アレは調子乗って私に文句言ってくるから倍返ししてるだけ。そもそも女子に文句言うとか有り得ない!フニ君を見習って欲しい。ホントに」
「タコ君の歳ならあれぐらいが丁度いいわよ〜。
フニ君とノメ君は女の子の接し方が分かってるからねぇ、ユウナはタコ君の事が嫌いなの?」
「嫌いじゃないけど、ゲームしてて楽しいし歳も同じだから話も合うし。でも女子に対する態度がなってないわ!アイツ絶対リアルでも女子に嫌われてるタイプだと思うの。」
...何故貴様わかった。
そうだよ。俺は中二の時までは仲いいと思ってた女子とも中三になればほぼ蒸発するかのように離れていきやがった。
ましてや俺の事を好きな女の子に対してまでも「頭おかしい」「アイツだけはやめた方がいい」などと言い、最終的に中学が同じ女子で連絡先があるのは一人。
しかもその1人は俺にしつこく絡んでる『あかり』だ。
実質ゼロやんけっ!
等と過去を振り返るのをやめ再び二人の会話に耳を傾けた。
「へぇ、楽しいんだ。私もねユウナとタコ君がユウナが話してる所を見るのが楽しいわ。」
と言って、とても優しい笑い声が聞こえた。
「私は別に...だってタコって親が2人ともいないらしいじゃん?だったらタコが唯一この場所でゲームする時ぐらいは親を忘れさすぐらい熱中して楽しませてあげたいってだけよ。」
ん、コイツ、何で俺なんかに気を使ってんだよ。別にお前にそんなん心配されなくても俺は...
と少しだけ目が熱くなった。
「フューフュー!」
「タコぉユウナの『靴下』だけ脱がせちゃえよ!」
と、男二人のヤジのせいで一気に俺の感動がかき消された。
この2人...いつか殺す。
そう誓い男二人の会話無視しハルさんとユウナの会話に集中した。
「へぇー、、ユウナって優しいわね。
あっユウナ今からメール送るから見てみて。
口には出したらダメよ?」
「メール?あっ来た...え?何でこんなことメールで送るの?てゆかこれって、まぁこれぐらいならしてもいいけど。」
ん、?何をメールで会話してるんだ?
俺は少し気になった。
「まぁまぁメールでいいのよ。もしかしたらこの会話も誰かにバレてるかもしれないしね。」
その瞬間男3人は固まった。
「なんでバレてるんだよ!」
「いやバレてないだろ!疑ってるだけだよ!
でもこのままいてもいい事ないしフニもタコもさっさと逃げるぞ!」
2人は誰に聞かれてるわけでもないのに何故かコソコソ話している。
「分かりましたよ。てゆかもう眠いっすわ。」
俺はそう言ってあくびをした。
3人とも早々と退散した後今日は解散という事になった。
俺はゲームやめてもずっとユウナの発言が頭に残っていた。
アイツ何気にそんな事考えながら俺とゲームやっててくれたのか。
何が同い歳だよ。アイツの方が俺より全然大人じゃねーか。
クッソ...いざとなったら全く寝れねぇな。
そう思い携帯を見た。
ハルさんからメール?なんだこんな時間に...
俺はそう思いメールを見たら
「やっほー!タコ君。ユウナの気持ちが分かって嬉しかったでしょ?また今度はタコ君の会話盗み聞きしちゃうぞっ〜。おやすみー!」
と言うメールが来ていた。
やっぱりバレてんじゃねぇかっ!
もう二度とノメさんは信じらねぇ。
俺は悶えながら結局朝まで寝る事はできなかった。
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