第5話男祭り
「てなわけで、物凄いグイグイ来る同中の女の子がいるんすよね。」
俺は前日に起こった出来事を、フニさんとノメさんに伝えた。
「イイじゃんー羨ましいよ、そんなにタコの事思ってくれてるってことでしょ?なんでそんな嫌そうなんだよ」
少し笑いながらフニさんは不思議そうに聞いてきた。
「いやぁ、可愛いんすよ!メッチャ!でも、馴れ馴れしすぎるつーか俺が結構苦手なタイプ何すよねぇ、、、」
確かにあかりは、可愛い。可愛いがテンションの高さについていけないんだよ。
中学の頃ならいけたんだろうけどな、、、
「タコの癖に生意気なこといってんなぁ!
俺に紹介してくれよ〜〜。何でタコの事気遣ってんだよ〜謎だわあ。」
ノメさん口悪ぃ、、、
でも確かに何で俺なんかを気遣ってんだろう、、
別に中学の時も仲良くなかったしなぁ、、
などと思いながら、ゆっくりお茶を飲んだ。
「ノメさん俺が紹介しなくても、女性に困ったりしなそうなイメージなんすけど。
なんやかんや女性に、暴言は吐かないっすよね
見たことないすもん。」
「んー、違うんだよ。好きな人ってのは作るもんじゃないんだよな。それこそ全く接点が無くても多少の動きを目で追って気づいたら好きになってた!見たいなさ。俺はそんな出会いが今無いんだよなぁ、」
「「おーー」」
俺とフニさんはマイク越しに拍手を送った。
接点無くても好きになるねぇ、、、体験した事ねぇな、、
俺はそう思いながら、今までの恋愛を振り返った。
「なんだーおめーら!拍手なんか送りやがってぇ!今日ハルさんとユウナも居ねぇし恋バナやっちゃう???」
楽しそうに声を上げてノメさんは言った。
うわぁぁ。この人こーゆー話したら、後々いじってくるからなぁ、、、まぁでも楽しそうだしいっかぁ!
俺は何故か姿勢を整え、もう一口お茶を飲んだ。
「まぁじゃあ、年齢的にタコからだな!」
「タコの恋愛話とか、想像出来そうだけどな、、」
ノメさんのテンション高ぇ、、
フニさんは、オレの事1番知ってそうだからなぁ。確かにそうかもしれん。
「あー、いっすよ。」
俺は唾を飲んだ。
「俺、中学ん時2年間片思いしてた女の子がいたんすよね。結果的には向こうが俺に告白してきて付き合うことになったんすよ。」
なんか、恥ずかしいな、、、懐かしいけど、、
少しだけ姿勢を崩して早口で喋った。
「付き合ったのはいいんですけど、何故かお互い緊張して全く話せなかったんすよね。
だから、手紙でお互いに質問するって言う訳の分からないことしてたんすよ、、」
「なんだよそれ!喋らないって!」
「タコってそんなに女なれしてないんだね。」
ノメさん笑ってんなぁ、、
なんでフニさんそんな落ち着いてんだよ。怖ーよ!
そう思いつつ曖昧な記憶を探り出し会話を再開した。
「いや!それでも1週間したら慣れてずっと一緒に帰りましたよ!生まれて初めて女の子手を握って帰りましたからね!」
そうだ、、あの時お互い緊張して手汗がヤバくて謝りまくったなぁ、、、
干渉にひたるのもつかの間、
「手が繋いだとかどうでもいいんだよ!
どこまでやったんだよ!早く言え!!」
ノメさんは楽しそうに大きい声で催促してきた。
クッ、、言わなければならないのか、、
「分かりましたよ、、、、家には来ましたよ。
しかも俺と彼女2人。」
「「おおっ」」
なんで2人ビビってんだよ、、オレの事なんだと思ってんだよ、、、
呆れながらため息をつき続けた。
「最初は、わりかしお菓子とか食べて学校の事とか話してたんすよね。でもやっぱり最終的に黙っちゃって、自然と無言で顔を見る時間が長くなるんよね。」
「やっぱり男の方からいくべきなのかと思って自然とベットの方に座らしたんですよ。」
「「おお!」」
ハモってんなよ、、フニさんテンション高くなってんなよ、、
「だ、だから優しく脱がしたんですよ、、、、靴下を、、」
「「おおおお!!!!」」
2人はテンションが高くなっていき早く言えといわんばかりに煽ってきた。
が、、そんな2人が求めてる答えじゃないんだよなぁ。と思い、話を再開した。
「そ、、それで、、靴下が濡れてたので干しに行きました、、、、、」
「「、、、、、、」」
クッッッッ!俺の人生1番の汚点を言ってしまったぁぁあ。
あの時少し勇気を出していればぁ!今頃童貞卒業してたのにぃ!
なんで黙ってんだよ!早くなんかいってくれよぉ!!
俺は葛藤し身を捩らせ頭を抱え黙った。
「は?いやいや、お前最後までやってないの?
まじでいってんの??」
ノメさんなんでキレんすか、、、、
「やっぱりタコはタコだな。うんいいと思うよー。俺はねー」
なんでそんな乾いた声で励ましてくるんすか、、、
弁明するか、、
そう思い俺はヘッドセットをつけ直しこう言った。
「いやいや、ヤればいいってもんじゃないでしょ、、俺は彼女とヤるために付き合ったんじゃないんすよ!」
フッ、、これでOK。ヤリモクじゃない事を分かってくれ。頼む。
俺は目をつぶって耐えた。
「なにかっこうつけてんだよ。そんなんだから童貞なんだろ。」
「タコって判断力ないよね。だからゲームも中途半端なんだよ。」
「チキン野郎。」
「口だけイキリオタク。」
「雑魚タコ。」
冷たい暴言を2人で交互に言ってきやがった、、
なんだよ、、ゲーム関係ないだろっ!
口だけイキリオタクだとっ!!最後の雑魚タコって恋愛関係ねぇじゃねぇぇかぁぁあ!!!
俺は口に出せぬ怒りを心で叫び、2人に訴えた。
「えぇ!俺は雑魚でイキリオタクでチキンなタコですよぉ!!
俺だってヤりたかったさ!!当たり前だろがぁ!でもなぁ、、、!でも、、いざって時に俺はパニクって逃げてしまったんだぁぁぁあ」
消えそうな声を振り絞り訴えた。
が、もう2人は興味が無いようで
「タコはやっぱつまんねぇな。」
「まぁタコの恋愛なんてこんなもんでしょ。」
などとまるで俺の存在を無視してる。
「なんか面白い事ねぇかなぁーー
おっ!ユウナとハルさん2人でゲームしてんじゃーん!3人で何話してるかこっそり聞きに行くか!」
「シノノメ、、、、ハルさん怒るぞ。」
「大丈夫だよっ!バレねぇから!おら!さっさと行くぞ!」
完全俺を忘れてるな、、、
てゆかこの2人の恋バナ聞かせてくれねぇのかよ!!
わざとだな、、、はめやがってぇ、、、
俺はそう思い恨めしい思いをこらえ
俺の存在を思い出してと言わんばかりにノメさんに話しかけた。
「ちょっ!ちょっ!盗み聞きなんてどーやるんすか!」
「うるせぇな雑魚!俺は何でもできんだよ!
黙って来やがれゴミタコが!」
くっ、俺は負けんぞ!この嵐のような暴言に勝ってみせる!
「分かりましたよ、、ならはやく行きましょう、、メンタルブレイクしそうなんで、、」
「おぉし!そうと決まったら二人の会話盗み聞きしに行くぞー!」
「チッ、ホントシノノメは、いつまでたっても変わんねぇな。ばれてもしらねーかんな。」
「準備整ったら先いっててください、、」
俺はそう答え、空になったお茶のペットボトルを捨てジュースを取りに行った。
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