第3話宝箱(タカラバコ)

「あ、これは夢だ」って思った事、無いんだよね俺。

むしろ、「これは夢じゃない!」と思って夢の中を生きてるんだよね。

あと、起きたら、少しだけ夢の記憶がある時は、全力で思い出して、その夢の続きを見れる様に願って二度寝します。





「あ、戦ってるよ今。」夢はいつも途中からだ。

目の前に宝箱。すんごいデカイ。隣でもう1人戦ってる女は、笑穂か。じゃなくて、スマイルか。


「マクラ!ラスト決めて!」


「あいよ!」


拳銃で相手の(緑のレインコートを羽織ったミニスカ野郎と、灰色の半袖パーカーのガキ)太ももを狙う。まずはガキから、


「バン!!」


命中!


次はお前だ!狙いを定めて、くそ、素早い。


「死ねええぇぇ!」


槍(?)っぽいものを超高速で突きつけてくる。


「危ね!」


「私が行くわ!」


助かる。頼むぜスマイル。


「くっっ!!」


剣を振りかぶるが、呆気なくかわされる。相手の動きが速すぎる。


そっか、あれだ、さっき俺も貰ったスキルのせいか。








「お!この黒い剣、宝箱から出るらしいぜ!」


「へぇ〜。じゃあ今から探しにいく?丁度スキルってやつ試してみたかったし。」


「ああ、あの、防御力UP・永眠って書いてたやつか?お前はなんて書いてた?」


「私は、攻撃力UP・記憶保持だよ。記憶保持って何だろ?」


「さぁ?忘れっぽさが無くなる的な?」


「だといいね。あんたの永眠はなんだろうね。一度寝たら起きれない的な?」


「怖。もう寝れねえよ。」




というやりとりがあった。その後、同じ宝箱を狙ってた輩に戦闘を申し込まれて今に至る。


相手の名は、「フラワー(緑のレインコートの方)と、ブック(ガキ)」だ。


フラワーは多分速度UPだろう。んでガキ、じゃなくてブックは、魔法UPだろうな。魔法バンバン撃ってたし。


あ、でもフラワーが、ブックを気にしてる。そして、何か話してる?


え?撤退?なんかそう聴こえた気がしたんだが。


スマイルも気づいたみたいで、俺に視線をチラチラ送ってくる。


「さよならお二人さん」


とカッコつけて消え去った。どっちが言ったのかはよく分からないけど。


そちらこそさよならお二人さん。


「宝箱開けよ?」


あ、忘れてた。


「黒い剣でろー。黒い剣でろー。」


「あはは、出ろー。出ろー。」


「いざ、オーップン!」


出てきたのは、藍色と、白の剣だった。カッチョいい。


「あららー。残念。でもカッコいいんじゃない?」


「ああ、この少し金色が入っているのが特にな。よしお前の名前は金太郎だ。」


「ダッッサ!」



よろしくな金太郎。








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夢闇 (MUYAMI) 空浮ふうあ @fuafua0012

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