第4話

 時間はもうちょい前に戻る。


「すみません。あなた方は何者――」


 病院へ入ってきた武装した集団。彼らの前に出て、毅然とした態度で問い糾そうとした勇気ある看護師ナースの言葉は途中で銃弾によって途切れる事となった。


 看護師が頭を撃ち抜かれるのを見た患者の1人は背を向けて一目散に逃げ出そうとしたが、それを見た集団の1人に後ろから撃たれた。


 立ち向かうも逃げるも駄目――。

 何を選べば良いのか分からなくなった人々へ容赦無く銃弾が襲いかかり

――病院内は地獄と化した。




「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ! どうする!? ここの窓から飛び降りるとか!」


「カナタ。ここの真下は連中が入ってきた正面玄関だし、さっきのスナイパーがまだ居る可能性が高いから止めた方がいい」


「うあー、マジで!」


「それよりまずは落ち着け、やることがある」


「もしもし? ポリスメン?」


「……………………」


「い、いや! ダニー君! FBIの管轄的にこういう時に警察呼ぶの間違ってないから! だからそういう蔑んだ目で見ないで!」




 正面の待合室に居た人々を殺戮し尽し、その後も人間が視界に入る度に殺しながら移動した集団は足元に血に濡らしながらダニーとハチェット、カナタの居る病室にたどり着く。武装集団は病室のドアを乱暴に開け放ち中へ入るとそこには――。


「だ……誰も居ないぞ? ベッドすら無い……?」


 先程まで居たはずの2人の捜査官と1人の少年が病室の設備ごと、綺麗さっぱり居なくなっていた。


「いくら何でもこんな何も無い部屋だとか……部屋を間違えたか?」


(いや~、そのものが間違ってるんだよね~)


(大人しくしてろ)


「ガッ!!」


 頭部を打ち据えられ、侵入者たちはすぐさま昏倒した。




「これでよし……と」


 襲撃者たちから武器を奪い、手足を結束バンドで拘束することでハチェットたちは彼らの無力化することができたのであった。


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