BL+ファンタジー!どちらもものによってはとっつきにくいジャンルだと(個人的な感性ですが…)思うのですが、この作品はどちらの要素もバランスよくちりばめてあり、個人的にとても読みやすく、最後までしっかり読ませて頂きました。
繊細な心理描写、緻密な世界観設定、手に汗握るバトルシーン……どこを切り取っても、とても魅力的な物語です。
登場人物の方々はどこか未熟だったり、一見強い方でも欠落してしまっている部分があったりと、それでも傷つきながら、一歩ずつ前を向いて懸命に歩き出しているところがとても感情移入でき、登場人物たちと同じように笑ったり、彼らが苦しいときには苦しくなって、自然と涙が流れるシーンも沢山ありました。
第二部や番外編もあるとのことなので、引き続きFragment-memory of future-の世界にどっぷり浸かりたいな、とより思えました!
RPG風冒険ファンタジー、闇の中から光を探す物語が好きな方に特におすすめの作品です!
主人公は魔術師見習いの少年・レイ。
彼が個性的な仲間たちとともに旅をして、数多くの試練を乗り越え、成長していく異世界冒険ファンタジーです。
読む前は正直、こういった異世界ファンタジーはすでに世に出回りすぎていて、ちょっと食傷気味にすら感じていました。
そんな私が、読むごとに作品世界にのめり込み、いつの間にか夢中になってしまったのがこの作品。
丁寧に語られる、キャラたちの心理描写。
ほとんど引っかかりを感じさせない、巧みな言葉の流れ。
息をつかせぬほどの、緊迫感にあふれたストーリー展開。
そして何より、バトルシーンがカッコよすぎます。
センスある魔術詠唱。
キャラごと・シーンごとに、それぞれの戦力と戦術が大迫力でぶつかり合います。
まさに、このままアニメになってもおかしくないレベル。
仲間たちと助けあい、成長しあいながら、目の前の強大な敵に立ち向かっていく王道ストーリー。
明るく優しいレイと、彼にたくさんのことを教えてくれる仲間たち。
キャラクター同士の微笑ましいかけあい、強く結ばれた絆は、繰り返し何度も胸を熱くさせてくれます。
長編大作ですが、無駄なシーンはひとつもなかったと感じています。
時間をかけて読むだけの価値がある、確かな満足感を与えてくれる作品です。
読者として純粋に楽しむと同時に、書き手としてたくさんのことを勉強させていただきました。
冒険ファンタジーを愛するすべての方に、心からお勧めいたします。
初めてファンタジーRPGに触れて魅了された時を思い出しました。
不思議と謎と秘密がいっぱいの世界を、生き生きとしたキャラクターたちと共に冒険する様な感覚といいますか。
主人公の見る夢、いつもと変わらない、何気ない日常でのちょっとした事件。
大切なひととの別離と旅立ち、出会いと再会、そしていつしか混乱の中へと巻き込まれていく……。
主人公たちはまだ幼く頼りないけれど、彼らなりの正義と信念を持っていて、差し向けられる理不尽に立ち向かう姿は眩しくて力強い。
不安を抱えつつも天真爛漫、正義感溢れる少年と、優しすぎる被差別民の少年。
二人の主人公の視点で描かれている旅路を、そして世界の行方を、見届けたいと思います。
師弟愛(ヤク様すてき!)、友情(をすこし飛び越えそうな予感も)、共感と信頼。
テンポのよい会話のやり取りや、美味しそうな食の数々も見どころですv
乾燥アップルパイ、食べてみたい……!
(第十九節読了時点でのレヴューです。今後の展開によっては、また違ってくるかも!楽しみ!)