第4話 side:B 安全と探索
塩田先生が持ってきた、鍵の束を持ち、二階にある図書室へと行きました。
「とりあえず、ここに居よう、皆でいれば安全だ・・・」
猫背先生がみんなを安心するように言うが、安心できるはずもなかった。
僕も同じで内心恐怖を抱いていた、椅子に座って俯く者、部屋の隅で固まっておびえている者、皆の身体が震えているのは目に見えて分かった。
「明日の朝まで、このままか?」
「外にも連絡できないしな・・・・まさか、俺らの携帯がすべて壊されているとは思わなかった・・・」
「え」
「先生、それホント?」
先生たちが話している内容が聞こえてしまったので、きこうと思ったら谷さんが早かった。
「ああ、鍵の束を取りに行ったときにな、携帯を探したら・・・」
「校長室の上に壊された携帯が置いてあったの・・・・」
「そんな・・・・」
完全に外部との連絡手段が途絶えた瞬間だった。
いったい誰がこんなことをしたのか、僕には分からなかった。
「これからどうすれば・・・」
「玄関のカギを、探しに行かないと・・・」
「塩田先生!?」
「だって、このままここにいるなんて!動かなきゃ、このまま殺されるだけよ・・・あ!」
声を荒げて言った口を慌てて塞いだ、皆がさっきの声に反応してさらに恐怖を抱いていた。
「私は嫌よ!、ここから、出ないから!!」
水谷さんはそう言って、身をさらに隅へと寄せた。
「私も行きます!」
誰も名乗りを上げなかったのに谷さんは手を上げた
「あ!じ・・・じゃ、僕も・・・行きます・・・!」
「二人とも・・・」
恐る恐るだったけど手を上げることができた。
「私も行きます!!」
以外にも手を上げたのは犬飼さんだった。
「犬飼さん・・・」
「眺君、谷先輩を見張ってなさいよ・・・」
「え・・・?」
僕の横を通り過ぎようとしたとき、小さな声でそう言った。
その意味は僕にはわからなかった。
「単独行動は危険だと思います、なので、塩田先生、わたしと行きません?」
「犬飼さん・・・・でも、大丈夫?」
「ええ、私、大声を出すのは得意なので」
気丈ないつもの振る舞いをして、塩田先生と扉へと向かった、それに続くように僕と谷先輩も続いた。
「三十分、三十分経ったら、ここに戻ってくること、で、成果をみんなの前で、発表しよう!」
「じゃあ、二手に別れましょうか」
「ま、待って、四人で行こう、その方が安全だ!」
「大丈夫よ、それに別れた方が効率がいいでしょう?」
「でも・・・」
「いいから、行くわよ!私たちは一回に行ってるから、あんたたちは二階を頼んだわよ」
「おい・・・!」
犬飼は僕の話を聞かず、塩田先生と一緒に一階へと行ってしまった。
取り残された僕らは、見送った後、二階を調べるため、渡された鍵を使って二年A組、僕のクラスのドビラを開けた。
「探すったて・・・何を探せば・・・」
「・・・なんかごめんね」
「え?なんで謝るんですか?」
「いや、なんか、私の生で空気悪くしちゃったし・・・・ごめん」
「ああ・・犬飼はいつもあんな感じですから、気にしないでください、そうじゃないと平気じゃあいられないんでしょう・・・」
「・・・そう・・・か・・・君名前は?」
「え、ああ 眺野です」
「下の名前は?」
「
「へー、わたしはね、真の音って書いてまことって言うの!!」
「いい名前ですね」
「フフフ、ありがとう」
彼女なりの気遣いだったのかもしれない、優しく笑う彼女はとても素敵な人だった。
ゴミ箱をあさっていた僕は、あるものを発見した。
「なんだこれ?」
それは犬の形におられた、何かのメモ紙だった。
「何かあったのかい?」
「あー、これなんでしょう?」
「ん?折り紙?」
「さぁ、何でしょう、メモ用紙で折ったもののようです」
「・・・・っ!!貸してみて」
「え?」
何か思い立ったように僕からその折り紙を取って広げ始めた。
「ちょ、先輩!?」
「折り手紙だよ、これ、ほら、一回開いた後があるもん!何が書いてあるかなぁ?」
「ちょ・・・!!見ちゃっていいんですか!?先輩!!」
「・・・え」
面白がって広げたその紙を見た瞬間、谷先輩は固まった。
「ど、どうしたんですか?」
「・・・・・・・これ・・」
「え?・・・・・・は?」
動揺したような谷先輩が僕に渡す、僕は不思議に思いながらもその紙の内容を見た。
【先生の弱み握っちゃった!!】
そう書かれた、無邪気な字複雑に折られたかわいらしい物からは想像もできないほど恐ろしい内容だった。
「―――っ!」
誰かがこれを誰かに送った、なら、クラスの誰かがその返事を持っているはず、悪い気はしたがクラスのつ机の引き出しの中を探った、女子の39番目にそれはあった。
「・・・・・・」
「―――っ!!」
恐る恐る、谷先輩に見えるように出した、何先輩は驚いたもののその手紙を手に取って広げた、今度の形はセーラー服の形だった。
そこに書かれていた物は、知りたくなかった物だった。
【マジで!なら、それでゆすってしばらく、遊ぼうよ!】
確定だった。
クラスの数人が教師を脅していた、具体的なものはわからないが、選択を迫られているような気がした。
僕は、あまりの事に、自分の席に座って、頭を抱えた。
「誰が・・・こんな・・・」
「先生の誰かが脅されていた・・・・この状況の原因は・・・これ?」
「そんな・・・俺たちの中に犯人がいて、それの復讐に無関係の人まで殺してるっていうのですか?馬鹿げてる・・・・」
「私たちのほかに誰か、まだ、この学校に残っているのかも・・・」
「俺たちに見つからないように、この学校を移動しているって言うのですか?」
「それは・・・・」
「まぁ、それはいいです、時間もありませんし、他行きましょう」
そう言って、立ち上がろうとした、だが、先輩は俺の座っている席の前の席に座って俺の腕を引っ張った、そのせいで体制が崩れ再び椅子に座った。
「なっ!!なんですか!?」
「待って、眺君、君、このこと皆に言うの?」
「え・・・・」
「これは、先生たちを疑う要素になってしまう、意図的に置いたのか、どうかはこの際置いといて、これをみんなに言ったら、きっと、大変なことになる、みんなバラバラになって襲われやすくなってしまう、それでも言うの?」
「・・・・・・」
先生たちの中に犯人がいたとしたら、それを黙ってみて、一人になったところを襲われ、みんな死んでしまう事になりかねない、だからと言って内緒にして逆に僕らが疑われたら、それはそれで厄介になる、だが、今ここで誰かをみすみす死ににいかせるわけには行かない
「これは・・・黙っておきましょう」
「・・・うん」
「ですが・・・・!」
「ん?」
「もし、もし、これを隠していたことがバレたら・・・全部、俺のせいにしてください!」
「え・・・眺君、何言ってるの!?」
「これを隠してた事がバレたら、きっと、皆から追い出されてしまう、でも、谷先輩の今の冷静な判断は、きっと、皆の役に立つはずです・・・・だから、もし、皆に知られたら、俺のせいにしてください!!」
「眺くん・・・・そんなこと・・・」
僕はそれ以上聞かなかった。
皆を守るための最善策になればと思った、誰よりも冷静でいられる谷先輩はみんなのもとに残った方がいいと、僕は強くないから、追い出されて殺されても、きっと支障はないだろうと、それに谷先輩が無事ならそれでもいいと思った。
「さぁ、行きましょう、三十分経ってしまいますよ」
死体のある部屋はさすがに入る気になれなかったけど、何か変わっていないかと思って覗いた、発見時とは何も変わっておらず、林と花隅先生の遺体はあった。
二階にはもう一つ教室がある、それは理科室だ、だが、そこには何もなかった。
捜していたらあっという間に立ってしまい、僕らは図書室へと戻って行った、少し待っても塩田先生と犬飼は帰ってこなかった。
「おかしいな・・・・」
図書室の扉を開いて中にいる人たちに声をかける
「ねぇ、塩田先生と犬飼さん、見てない?」
「どうした?二人は帰ってないぞ?」
安道先輩が前に出て教えてくれる。
「あれ、おかしいな?三十分経ったら、ここに・・・・・」
「・・・・・――――っ!!」
嫌な予感がした。
帰ってこない二人、帰ってこなかった四人、ああ、そうだそうとしか思えない、僕と谷先輩、安道先輩の足が一斉に動いた。
「二人はどこに行った!!」
「一階!!もしかしたら、一年の教室を見に行ったのかも!!」
「・・・・っ!!木村!お前たちはここに居ろ!!俺たちは下を見てくる!!」
「え・・・・おい!!安道!!」
木村先輩の返事も聞かず、僕らは走り出していた。
一階の一年の教室、一年B組の扉を開けたとき、僕らは驚愕した。
「あ・・・・・ああ・・・・!!」
「そ・・・・んな・・・・」
「・・・・くそっ!!いったい誰なんだ!!なぜこんなことを!!」
僕らは見てしまった。
一年の教室、その天井からロープで吊るされた。
犬飼と塩田先生のその死体を・・・・。
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