「無垢な黒」

煩先生

 

夏の海底で

詩が充満し

明媚な鯨は

胃袋を貴む


永い厳戒が

嘔吐する韻

泡は還って

文脈に届く


夜の密林で

絵が完熟し

一途な鼠は

泪目を瞬く


弱い慟哭が

苦悩する色

風は悟って

情景に刻む

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「無垢な黒」 煩先生 @wazurai

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