「高熱な黙示」

煩先生

 

不治の韻律が

空白を駆けて

浄い唯我論は

文法に咲いた


淋しい正理に

言葉は肯いて

林檎園の雨が

幻影を葬った


未知の演奏が

観念を染めて

古い鎮魂歌は

性説に病んだ


空しい神秘に

楽譜は佇んで

蟻地獄の贄が

追憶を怠った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「高熱な黙示」 煩先生 @wazurai

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ