第6話 え?本当に勇者になるの!?
得体の知れない爺さん…後に判明した我が都の王様であった。いや、知らなかったのよ興味が無いから。
「貴女って…ある意味で凄いわね。先程の王様に堂々と大金を寄越せと言うんだもの。いえ、あれは最早恐喝とも言えるわね。」
「そうでなきゃあ、デメリットしか無いから殺傷するだけよ。」
「…この合理的な人間は、何処から生まれるのかしら。」
「あの腐った夫婦の性器から生まれた。」
「生々しい説明はよしてちょうだい。…って、何故貴女はあれほどデメリットデメリットデメリットしか口に出さなかったのに、勇者になったのかしら?」
「…あの馬鹿者共に、戒めを与えるのが私の使命であるからさ。」
「貴女は神になったつもりかしら。」
「イイエ。」
微少ながらのドヤ顔と真顔を混ぜ合わせた表情で否定の言葉を吐いたが、彼女には呆れた表情で溜め息を吐かれた。
自分でも、勇者と言うデメリットに溢れた職に就いたのは驚いている。が、確かにデメリットだらけだが…私がこの世に生を受けたのは何故だろうか?と考えて悩み抜いた答えが……
「あの馬鹿者共に、戒めを。」
この事だけが、頭を支配した。
あぁ、何だ答えは簡単だったじゃあないか…!これを実行して実現したら、どんなに快感だろうか!その思いで実行するには充分な判断材料であった。これから、今から、私がすべき事は何か?果たすべき目標は未だ遠くの彼方にあるが、この私に、出来ない事がある訳が、無いのである。
ーー
我は、勇者なり。
ひれ伏せ、愚民共。
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