その2 夢と正夢と予知能力
第2回は残留思念について書こうかとも思ったんですが、昨日変な夢を見たので夢について。
その時見た夢っていうのが、昔の友人(10年くらい会ってない)と一緒に自転車を漕いで他の友人の家から帰る途中、これまた昔住んでいた家の近くの玩具屋を通りがかり、そこの屋根が何故か燃えていて、それが友達に燃え移り……という、なんともアレなものでした。あー気味悪い。
その夢の最後に、わたくし、なぜか印鑑を取り出すシーンがあったんですが。
この印鑑が僕の名前でもなんでもなく、「四十谷」という印鑑だったんです。
調べてみたら実際にある名字らしいんですが、私は一度も会ったことがありません。
そんな名前が日本に存在することさえ、知りませんでした。
どうして、見も知りもしない名前が夢に登場するんでしょうか?
* * *
「夢」という現象についてはまだ完全に解明されていないらしいんですが、どうやら寝ている間に脳の記憶野がランダムに刺激されるメカニズムだということのようです。
また、人間は外界からの情報をシャットアウトしている睡眠の間に、記憶を整理して記憶野をインデックスし直してるんだとか。
つまりあれだ、デフラグ。
そう考えると、僕の夢に出てきた「四十谷」という名前についても、もしかしたら憶えていないだけで、ちらりと目にしたものを潜在意識の中で憶えていた、とかそういうことかもしれません。
ただ、もうひとつの可能性として考えておきたいことが、それは、「四十谷、という名字はいかにもありそうな名字だ」と脳が考えた、ということ。
小説なんか書いてるとそれこそ、自分が出会ったことはなくとも、架空の「ありそうな」名前はたくさん考えますよね。
夢の中で脳が、そういう判断をして「四十谷」を登場させた、というのはまぁ、普通にありそうな話かなとも思います。
* * *
ところで、みなさんは「正夢」って見たことがありますか?
心霊現象や超能力なんかに出会ったことはなくとも、正夢を見たことがある、という人は結構いるようです。
かくいう僕も、2~3回見たことがあります。霊感なんかありゃしませんが。
上記のような「夢のメカニズム」と踏まえると、この正夢というものにもある程度仮説を立てることができます。
すなわち、「様々な情報を脳が整理していくプロセスで、次の日に確定的に発生するであろう出来事を脳が予測した」というもの。
例えば、クラスのA君が「明日はHUNTER×HUNTERの発売日だから買いに行かなくちゃ」なんていう話をしていたとします。
あなたはその話を聞いていませんでしたが、耳には入っており、潜在意識下でそれを記憶していた。
一方で、あなたは休日に本屋に行くことが多い。
しかも、よく出かける本屋は、A君の家の近くです。
こうした情報が、睡眠中のデフラグの中で記憶から引っ張り出され、関連付けられて結びつく。
その結果として、次の日に本屋でA君とばったり出会う、という夢を見る。
そして次の日、実際に本屋に出かけたあなたは、A君と出会う……
ここまでわかり易くはなくとも、脳というのは実に様々な、細かい情報をも処理しているものです。
例えば会話中の「空気」……これは相手の声のトーンや、もしかしたら心臓の鼓動、相手の発する臭い、そして表情の微細な変化などから生まれているものです。
そうした情報までをも、脳が記憶しており、睡眠中にそれが刺激されて整理しているのだとすれば……
様々な情報を処理し、演算の結果、帰納的に導き出される「未来予測」が夢として見える。
それが「正夢」の正体である、という仮説です。
* * *
話は変わりますが、アインシュタインは子どもの頃、数学が苦手だったといいます。
なぜなら、問題を見た瞬間に答えがわかってしまい、その計算プロセスを説明することが出来なかったからなのだとか。
上記の「正夢」の仮説が正しいのだとすれば、それを起きている間に出来ないということがあるでしょうか?
すなわち、これが予知能力の正体ではないか。
なにか超常的な力で未来を「見る」のではなく、微細な情報までをも有効なものとして採用し、それらを演算した結果、未来がある程度高い精度で予測できる。
そして、人間の中にはそれを自然にやってしまう「才能」の持ち主がいる、と。
というか、これ、元々人間が持っている能力のひとつのような気もします。
ボクシングなんかでは、ゼロコンマ何秒のレベルで飛んでくるパンチをかわしたり防いだりする、経験者ならわかると思うんですが、あれ向かい合ってるとなんとなくわかるようになってくるんですよ。
それと同じことを、大規模にやれるのが「予知能力」なのではないか、ということですね。
* * *
正夢も予知能力も、子どもの時の方が良く見る方が多いようです。
大人になってからはそういうのできなくなったなぁ、なんて話はよく耳にするところ。
上記の仮説に則れば、脳の中に抱えている記憶の量が少ない子どもの内の方が、関連性のある記憶が結びつきやすく、未来予測が発生しやすい……
そういう可能性はあるのかもしれませんね。
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