第5話 バレンタインデー

3年半前アメリカで、明はリハビリ中にミラー博士と知り合った。すぐに友達になった。ミラーはアメリカ人、31歳、大手製薬(おおてせいやく)会社で働く天才だ。彼は薬についてなんでも知っている。彼もサッカーが好きで、たくさん松本エレクトロの製品を買った。最近、ミラーの妻が死んでしまった。たくさん麻薬を使い、お酒を飲んだから。リハビリが必要だった。両者はリハビリでお互い助けあった。でも今のところまだミラーは明に恩(おん)がある。だから、明はまたアメリカに行く。そこでミラーは明に銀色のスーツケースをわたした。5日後に明は帰国した。

日本で明は真彦と会う。雨が降っている。立花エレクトロの店舗(てんぽ)で会う。話し始める前に明は電話している。明:「よし!ありがとう愛子さん。また明日。よ~!まさ!」真彦:「よう!明!」明:「持ってきたの?」真彦:「全部持ってきた!」明:「ありがとう!誰かにつけられなかった?」真彦:「つけられてないと思うよ。どうしてこれが欲しかったの?」明:「お父さんのために!これしか言えない。ごめん。」真彦:「そうか。僕は君の友人だ、いつも!絶対忘れないでくれよ。」明:「知ってるよ!ありがとう。けど、君は友人だから、言えないよ。」真彦:「分かった!残念だけどもう行かなきゃいけない。気をつけて。」明:「気をつけて。」二人は目配せして、明は真彦の肩(かた)を叩(たた)いた。


真彦は去るが、道の向かいの車の中で岡絵里がこっそり観察(かんさつ)している。電話し始める。絵里:「もしもし!...はい、いました。...小さいバッグを持ってきたみたいです。...今、どうするべきですか?...了解しました。紗江子様!」

明と紗江子は電話している。明:「もしもし!明日はバレンタインデーだから、遊びにいきませんか?子供がいない、仕事もない。二人だけです。」紗江子:「バカですか?明日も働かなければいけませんわ。」明:「やっぱり。なんでもないです。明日の晩、君のオフィスで食事するのはいかがですか?」紗江子:「結構(けっこう)ですわ。私もあなたと話したいです。明日、午後五時に、会いましょう。遅れない方がいいですわよ。」明:「明日、午後五時、分かりました。もちろん、遅れませんよ。さよなら!」心の中の明:「明日は大きな日になる。準備は3年間半かかった。お父さん、聞いて、やっと明日、全部が、全部が終わる。」

同じときに真彦のマンションで絵里と真彦が話す。絵里:「ただいま!」真彦:「おかえり!」絵里:「ああ、もう帰ったの?」真彦:「うん、今日、早めに仕事が終わったんだよ。さっき帰ったところ。」絵里:「そうだよね!ねえ、明日はバレンタインデー。予定あるの?」真彦:「ああ、バレンタインデーだね。予定ないよ。どうして?」絵里:「じゃあ、朝からベッドで手作りのチョコを食べさせてあげる?」真彦:「すげえ!えりっぽん!しよう、しよう。明日は時間があって良かった。」絵里:「さあ、明日たくさんデザートを食べようね。朝から晩まで甘やかしてあげる。明日はあなたの人生で一番忘れられないバレンタインデーになるわ。」真彦:「僕は本当に世界で一番幸せな男性だと思う。ありがとう!えりっぽん。じゃあ、今晩、僕が料理するよ。僕のお返し。」絵里:「素敵!まさくん。私は世界で一番幸せな女性だと思う。」

バレンタインデー、明は起きる。昨晩、あまり寝られなかったから、とても眠い。スーパーでエナジー・ドリンクを買った。

その後にうちに帰って、夕食を準備する。トマトモッツァレラとイタリアのパンとブリーチェスとイタリアのワインを置いておく。そしてにミラーのスーツケースに入っていた物と真彦にもらった物を注射(ちゅうしゃ)で混ぜた。

準備が終わった後、明は愛子に会う。二人はちょっとだけ話す。明:「昨日、言った予定、まだ分かってる?」愛子:「はい、分かってます。」明:「じゃあ、午後4時50分、立花タワーの前で会おう。遅れないでください。」愛子:「分かりました。遅れません。」

バレンタインデー、立花タワーで明と紗江子が会う。明と愛子は紗江子のオフィスに入る。紗江子は大きい机で座っている。部屋の中に他の大きいテーブルがある。このテーブルの周(まわ)りに4個いすが置いてある。明はこのテーブルに座っている。同時に愛子はテーブルの上に夕食を用意する。会話が始まる。明:「こんばんは!座っていい?」紗江子:「いすを汚さないでください。」明:「はい!」紗江子:「彼女は誰ですか?」明:「彼女は3年くらい前から私の秘書(ひしょ)をしています。問題がありますか?」紗江子:「問題ありません。あなたの恋人には全然興味がありません!」明:「恋人?恋人じゃないですよ。本当に秘書だけ。」

紗江子は二人とともに席に着いた。三人は食べ始める。

紗江子:「あなたの顔を見たことがあるような気がします。でもどこで?あなたは私をご存じで?」愛子:「いいえ、全然知りません。」紗江子:「変ですわ。でも、私は毎日色々な顔を見なければいけません。多分、勘違(かんちが)いだわ。いつも、どうでもいい顔は思い出せません。」明:「ちょっと、愛子の気持ちも考えてください。」紗江子:「何ですか?どうでもよさそうな人間ですよ。」明:「ちょっと...」愛子:「明さん大丈夫ですよ。落ち着いてください!」明:「あなたは正しい。」紗江子:「あら、この方は自分の立場をご存じのようね。」明:「何を話したいのです?」紗江子:「さあ、緑さんは優しいけれど私たちの子供はもっと成長しなければいけませんから、寄宿学校(きしゅくがっこう)に送ろうと思います。」明:「でも、緑さんはよくやっている。それに私も子供の姿(すがた)が見たいですよ。」紗江子:「私、決めたことはすぐにやりますの。あなたが文句(もんく)を言おうと関係ありません。来年から真里菜と高広は寄宿学校に通わせます。」明:「でも、来年真里菜はまだ3歳にしかならないし、高広はまだ2歳。早すぎます。」紗江子:「早すぎません!この子たちは将来私の会社を相続しますから、できるだけ早いときから、たくさん勉強しなければいけませんわ。世界は複雑です。強い人だけが生き残ります。私の子供は強くならなければいけません!」明:「かわいそうな真里菜と高広ですが、了解します...。」紗江子:「もう一つ。最近、会社の決済(けっさい)はちょっと減りました。あなたの担当(たんとう)部署(ぶしょ)のせいです。最後の四半期であなたが担当している部署の売り上げが減りました。どういうことですか?」明:「インドネシアで津波(つなみ)が起こりましたから、我々(われわれ)企業の半分が被害(ひがい)を受けました。だから、日本以外のアジアの販売部数(はんばいぶすう)が減ったのです。」紗江子:「そうですか?!もっと頑張りなさい。」明:「はい...。」紗江子:「とりあえず、プレゼントがあります。」

紗江子は電話で、誰かに何かを頼んでいる。男性が来る。男性は高級そうな箱を持ってくる。男性はテーブルの前に箱を置く。明:「何が入ってる?」紗江子:「開けてください!」

明は箱を開く。書類が入っている。明:「これは何ですか?」

紗江子:「これはあなたの遺言書です。」明:「私の遺言書?」紗江子:「読みなさい!」

明は読んでいる。全て読んだ後に、怒っている明:「これはバカバカしい!私がなにかで死んだら、妻立花紗江子がすべてを相続します。例えば、私が暗殺されたら、あなたが全て相続します。これは絶対無理ですよ。今まで、私の子供が全部相続することになっていた。」紗江子:「本当に無理ですか?ちょっと待って下さい。」

紗江子は携帯で電話をかける。紗江子:「ああ、絵里さん?」驚く明:「絵里??まさ!!!」紗江子:「ちょっと待って、画面を起動しています。」明:「まさあああ!」

画面で真彦はTシャツとパンツだけ着て、椅子(いす)に縛(しば)られた真彦の後ろで岡絵里は細いロープを持っていて、真彦の首に回している。絵里:「皆様、こんばんは!私は暗殺者岡絵里と申しますわ。」紗江子:「サインしてください。あなたがサインしなければ、真彦さんは無事じゃないかもしれません。あなたが選ぶこと!真彦か明!選んでください!」しどろもどろな明:「何だよこれ?!どうしてこうなったんだ?」


愛子と明は目配せしている。その後に愛子は胸から注射を出す。愛子は立ち上がり、紗江子の方へ歩いて腕に注射を刺す。紗江子:「痛い!」同時に紗江子は愛子を殴る。愛子は倒れた。男性はサイレンサ短銃(たんじゅう)を出して、愛子に向ける。紗江子:「何か起こったんですか?この注射には何が入っているのです?」悪魔みたいに笑っている明:「はははは、君も死ぬ!そういうものが入っている!アメリカで本当に頭がいい博士と知り合った。彼は最近、検出(けんしゅつ)されない毒を発明した。今、その毒が君の体に入っているよ。多分一・二週間後に君は心臓発作をおこす。本当に愛子さんの顔を思い出せないの?二年ぐらい前、君は彼女を首にした。」しどろもどろな紗江子:「どうしてですか?」明:「どうして?どうして?君のせいで父が死んでしまった!4年前、君の会社が私たちの製品を邪魔しました。いきなり私たちの製品が壊された。もちろん、お客さんはお金を返して欲しがった。だから、父は自殺した。私には全然分からなかったから、調査し始めた。松本エレクトロの一番重要(じゅうよう)なポジションの5人ぐらいは本当は立花エレクトロの会社員だった。その頃から、復讐がしたかった!今日、ついにその日が来た!ははははは!」紗江子:「ビジネスはビジネスですよ。解毒薬をわたしなさい!」

銃声(じゅうせい)がする。サイレンサ短銃を持っている男性が打ったのだ。愛子が殺された。明:「何?何故?」サイレンサ短銃を持っている男性は明に銃口(じゅうこう)を向けている。紗江子:「解毒薬!今すぐ!」明:「はははははは」紗江子:「絵里!」絵里は真彦の首に回されているロープでもっと首を絞(し)め始める。真彦は息ができない。小さい声の真彦:「明!」明:「まさ!やめろ!真彦は関係ない。」紗江子はだんだん明に近づいてくる。紗江子:「解...毒...薬」明:「待て、待て!」紗江子は明を殴って、血が出る。紗江子:「もう一回いうわよ、解毒薬!急げ!」真彦:「心配するな...!僕は...大丈夫...。」叫ぶ明:「すまない!真彦!」笑っている明:「解毒薬は...ありません!すみませんねお姫様!でも、解毒薬はない!」真彦の目はだんだん死んだようになる。頭がたれ下がる。絵里:「残念!もう終わり!仕事完了。紗江子様。」泣いている明:「すまない!真彦!私は君を助けられなかった!紗江子!地獄でまた会おう!」もう一回、銃声が鳴る。明の最後の言葉:「私の血は私の子供の中でまだ生きている。だから、復讐は完全に終わった。」明は頭を撃たれ、転び、血が出て、ゆっくり目を閉じた。

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