考時学

掘り起こされた時間の露出に過去が憤怒する野のかつては海


目覚めたかすぐに着替えて外出せよ急務が白日のもとに待つ


見違えた君が生むナルキス時間は長い髪をほどき


丘陵に立つ雲で迎えにきた未来は停留所へ漸近し目前で減速を仕事していつまでもたどり着かない


乾いた墓掘る盗掘者よ古代にふたたびに昼は届けられたか


白亜期の草原の黄昏に耕運機は佇み


残されるために産まれる子孫に宿された遺恨は鼓動している


私は22世紀に立って21世紀の君に話しかける言語を君は懐かしいと


学びの宿で千年は要約されて駆け巡り互いに事象を交えて結ばれたり千切れたり


黄昏とともに乾いた海が露わにした地表に遊びはじめた緑はまだ水平志向


濡れた瞼が乾くとき


熟れた悲しみの塊としてあった未来は耕運機に乗って丘陵を耕し


昏い花色に艶を注いで何度も死んだ太陽が一斉にとよみがえり私は君に出会う

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