昼の月

こんな風景終焉おわりだと

とてつもない鯨の肋骨が語っている海に来た

砂浜で

卵生む海亀

一日に

一粒の涙を流し 水瓶に

無数の星が沈殿している こんな

風景突端おわりだと

断崖から吹き上げてくる風の垂直

月はしらしら 春で霞み

掘り起こされた矢文の弓に呼応する

またどこからか

腐植土のにおい

犯された

空家の風通し

ふるえているなフキのとう

湿った風に晒されて

こんな風景壊滅おわりだと

星のくすみがそそがれていく

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