港町の音楽

まぎれこんだ混んだ道路

僕は無人を愛して蝉の抜殻を持ち歩いた

革命の皮革が露店を賑わす

歩いていると本来の

ルートを逸して色彩が

僕を語りかけるミシンが暗い

窓からスグスグと鳴っている

その音は閑静な路地を綴じるようだ

君が隣で呟いたのを

僕は聞き逃して築港に立っていた

防波堤の上でセーラー服が揺れている

と君はその眼に映したのだったが

考えていたことはもう泳がなくていい魚たちの事だった

そうだと

知っていながら雪山で埋葬される

象について僕は語り続けていた

いつかこの時間が尊く造花の喜びへと

具体化すれば流星で

この頬を濡らしもできるに違いない

僕と君はそうは考えないのに

防波堤でセーラー服の真新しい少女は

腐肉をついばむ鳶に語りかけていた

僕たち

はじめの街路にも戻れず

それを聞いた

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