固唾をのむかたつむり
でんでん むしむし 自伝的
知覚の根源 叩く花
頭角 あらわす 天の川
なんて
意味ありげな詞を
思い付きに詠んでも
悲しみにうちひしがれる魂は慰まない
悲しまない魂が悲しい
自伝的などんな
軽快な弁明が固唾を呑んで待っているのか
雨上がりの晴天を映す
水底で耳を澄ませて待っているどんな
恋人の鎖のなかへ飛び込めばいいのか
雪は鳴りやまない
もう蝉も鳴き始めたというのに
あの山の稜線が金色に光っているだろう
あそこに美しい倉庫があるのだね
皆そこへ還っていくのだよ
夏だというのに
自伝的な螺鈿模様が僕の裸体にまとわる
頃合いだ と声がして
私は話終わっていもしないのに
筆は下ろされようとしている
着火
シッ――! と鎮まれ
シュッ――! と擦れ
スレンダーに遠ざかって
着火! 燐の爆発
シュレッダーに投げ込まれ降り積もる半生の描く
あの山のあの稜線に網膜を焦がして
地団駄踏んで辞典引け
自伝的クレンザーが
蝉も鳴き始めたというのに降ってくる
とことんまで降ってくる
鳴りやめ 鳴りやめ 鳴りやめ
鳴りやめ
シッ――――――!
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